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映画 恐怖のセンセイ ネタバレ感想 スポ根ではないカルトな空手道

恐怖のセンセイ
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恐怖のセンセイ

―2019年制作 米 106分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:『ソーシャル・ネットワーク』のジェシー・アイゼンバーグが、空手の先生に翻弄される青年を演じたダークコメディ。心優しい青年が夜道で暴行を受けたことをきっかけに空手道場に通い始め、そこで出会ったカリスマ指導者“センセイ”の不可解な行動に巻き込まれていく姿を描く。『フェイス/オフ』のアレッサンドロ・ニヴォラが不条理な暴力を正当化する“センセイ”を怪演。共演は『ニード・フォー・スピード』のイモージェン・プーツ。(スターチャンネル)

あらすじ:事務員として働くケイシーは心優しい純粋な青年。ある日の夜、買い物の帰り道で突如ヘルメットをかぶった複数の男たちに襲われ、執拗な暴力を受ける。退院後、不安に苛まれたケイシーは銃を購入しようと出かけた先で、空手道場の体験入学に参加。正式に道場に通うことにしたケイシーは、やがてカリスマ指導者の“センセイ”から秘密の夜間クラスに参加することを許可されるが…。(スターチャンネル)

監督:ライリー・スターンズ
出演:ジェシー・アイゼンバーグ/アレッサンドロ・ニヴォラ/イモージェン・プーツ/スティーヴ・テラダ/デヴィッド・ゼルナー

ネタバレ感想

適当なあらすじ

ジェシーアイゼンバーグが演じる36歳の経理員のケイシーは気弱で友だちもいなくて、愛犬と交流しながら映画を見るくらいしか楽しみがない。ある夜に買い物に出かけたら、バイクに乗った集団に襲われて暴行を受けて財布を奪われてまう。

ケガのため休職することになったケイシーは襲われた恐怖で夜の街に出歩けなくなってしまった。そこで、拳銃の購入を検討するなど、護身を考えるようになる。ある日、空手道場を見つけた彼は、練習を見学。体験入門したときに出会った道場主の“センセイ”の教えを乞うことに決め、空手道に邁進することになった。

昼間部の練習に参加して熱心に指導を受けてる中で、ケイシーは上達していき、センセイから黄色帯への昇格を認められた。承認欲求が満たされて自信をつけたケイシーは、黄色帯を日常的にまとわずにはいられないくらいに、空手がよりどころになっていく。

そうした中で、センセイに見込まれたケイシーは夜の練習に参加する承諾を得る。迷いながらも参加したその夜間部の練習は、昼間部のものとは比較にならない壮絶なものであった。いったいどうなってしまうのかーーというのが適当なあらすじ。

さわやかスポ根ではないブラックコメディ

ネットフリックス見つけて鑑賞。上記のように途中までのあらすじを書いてみると、なんだかスポ根空手ストーリーみたいだけども、ぜんぜんそんなことのない作品。『ベストキッド』みたいな内容を期待している人にとっては拍子抜けしちゃうかもだけど、どっちかというとブラックコメディ的で、かなり風刺の効いた内容で楽しめた。

ケイシーはセンセイの勧めを受けて空手にのめりこんでいき、自分の趣味趣向まで変えることを迫られていく。なぜなら、空手のためには自身の心もマッチョになる必要があるからだ。そのためになぜか、メタル音楽を聴けと言われ、その教え通りに彼は、メタルを聞くようになり、その瞬間から劇的に性格が変わる。

その辺の、ケイシーが感情的になり、特に怒りを表に出すことができるようになっていくところはかなり無理があってリアリティがないけども、その辺はまぁコメディだからーーと割り切るしかない。

夜間の練習に初参加した彼は、実践さながらで流血やケガも厭わない練習に高揚感を得て、空手の神髄に心酔しているように見える。要するに、己の肉体と体術を駆使して命を削りあう行為に、生きている喜びに似た興奮を覚えていくのである。この辺はデビットフィンチャーの『ファイトクラブ』的なものを想起させられるシーンだ。

センセイ的なマチズモを葬り、暴力を否定も肯定もしない描写

ともかくケイシーは非常に攻撃的な人間になっていく。いつしか、愛犬を殺されたのをセンセイの差し金だと推測した彼は、センセイにも喧嘩を売れるようになっているのだ。その出来事を通じて彼は、もともと自分を襲撃した犯人が、センセイ率いる道場の門下生だったことを知る。そしてそれが、センセイを打倒するための彼流のリベンジに発展していく。

センセイがケイシーを入門させることも考えつつ彼を襲撃して以降の出来事は、ケイシーが道場をたまたま訪れなかったら起こりえないことなので、その辺もまた無理があるんだけども、ラスト付近で銃を使うくだりなどは、わかりやすく伏線を回収していて、スッキリ。

センセイ的なマチズモを銃によって葬り、実力があるのに黒帯をもらえない女性門下生を師範にするなどフェミニズム的な表現も用いている今作は、最終的に暴力を肯定しているのか、否定しているのか、白か黒かで判断させない部分がよい。

ケイシーもサイコ野郎

ケイシーがセンセイに唆されて、関係ない市民に暴力をふるったことや、自分の愛犬を殺されたからとはいえ、門下生を殺害していること、そしてセンセイも射殺していることなど、そうした行為に良心の呵責を感じていないように見えるところにケイシーのサイコっぷりが現れていて、そこも恐らく意図的な演出なんだろうなと思わせる。

師範となった女性も、まともな人間に見えながらもやっぱり冷酷・残虐な攻撃性も有していて、その辺がまた何とも恐ろしい部分である。

センセイのうさん臭さもよく、マチズモ全開なカルト的集団である彼の道場は、ある意味彼の強さによって支えられているので、それを凌ぐ強さを見せたケイシーに門下生が簡単に寝返るところは、なかなかに興味深い。インチキ道場の大師範はすでに故人で、虹色の帯を自分に与えたとか、マジでバカ丸出しな感じ(笑)。

ということで、物語的リアリティが欠如してるように感じる部分はコメディと割り切ることにしておいて、地味に、淡々と空手にのめりこんだ男の狂気を描き、そこに白黒で割り切れない暴力の恐ろしさや、スポーツを背景にマチズモを肯定するセンセイの気味悪さみたいなんも感じさせられて、楽しめる作品であった。

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