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映画 完璧な他人 ネタバレ感想 リメイクされた韓国作品

完璧な他人
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完璧な他人

―2019年公開 韓 116分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:イタリアのブラック・コメディ「大人の事情」を韓国でリメイク。整形医ソクホと精神科医の妻イェジンの新居に、親友とその妻たちが集まる。彼らは自分たちの間に隠し事がないことを証明するため、スマホに届く電話やメールを全員に公開することにしたが……。監督は、「王の涙 イ・サンの決断」のイ・ジェギュ。出演は、「1987、ある闘いの真実」のユ・ヘジン、「模倣霊」のヨム・ジョンア、「工作 黒金星と呼ばれた男」のチョ・ジヌン、「江南ブルース」のキム・ジス、「今日の恋愛」のイ・ソジン、「私は公務員だ」のソン・ハユン、ドラマ『魔女の法廷』のユン・ギョンホ。(KINENOTE)

あらすじ:豊胸整形医ソクホ(チョ・ジヌン)と精神科医の妻イェジン(キム・ジス)の新居に、親友とその妻たちを迎える。集まったのは、亭主関白で気難しい弁護士テス(ユ・ヘジン)と貞淑な専業主婦スヒョン(ヨム・ジョンア)、新婚ホヤホヤのイケメン社長ジュンモ(イ・ソジン)と若妻セギョン(ソン・ハユン)、新しい恋人を連れてくるはずがひとりでやってきた教師ヨンベ(ユン・ギョンホ)。久々の再会を喜び、変わらぬ友情や夫婦愛を確かめ合った7人は、自分たちの間には隠し事がないことを証明するため、スマートフォンに届く電話やメールを全員に公開することに。次々と届く着信やメールによって、他人に知られたくない“大人の裏事情”が露わになり、パーティは想像を絶する修羅場と化す……。(KINENOTE)

監督:イ・ジェギュ
出演:ユ・ヘジン/ヨム・ジョンア/チョ・ジヌン/キム・ジス

ネタバレ感想

40年来の男友達4人とその妻らが一堂に会して食事会を行う。その中で、余興的にゲームが始まるのだが、それがスマホに届くメールやSNSの内容を全員にさらすというもの。なんとなく胸に潜めた秘密を持つ面々は、そのゲームを通じてお互いの本音が知られることになり、ギスギスした雰囲気になっていきーーというのが超適当なあらすじ。

アメリカの映画では「真実か挑戦か」というゲームがたまに出てくる。真実を選んだら、質問された内容に正直に答えなければならず、挑戦を選んだら与えられたお題を実践しなきゃならんという、超絶クソゲー。本作も似たようなもんで、自分のスマホに来る連絡を通じて、自身のプライベートな部分を明かさなきゃいけないという何のメリットもないクソゲーだ。

そのクソゲーを通じて各々がそれぞれに対してどういう感情を抱いているのかが明るみになってきて、対面では仲がよさそうな人間も、そうではないシチュエーションでは自分のことをどう言われてるかなんてわからんもんだーーてな感じの描写がたくさん出てくる。

中盤くらいまではそれぞれの人間が抱える、各人のある人物に対する本音が垣間見られる内容になって、それらのシーンがかなり痛々しくて辛くなる。なぜかというと、自分も仲のいい人間に対して、負の感情を持っていて、それをその本人以外の人に言ったことが、現在進行形であるなって思うから。

友だち関係にある人物に対して、その人がその場にいないときに、その人がどういうタイプの人間であるかを偉そうに評価してしまった経験って誰にでもあるんではないか。少なくとも俺にはある。その話は人物と共通の知人としたり、恋人や配偶者に対して愚痴のように言うこともあるだろう。

この作品ではそういう時にしている他人への評価が、もろに本人の前で披露されてしまうところに、痛々しさがあるし、ハラハラする。どいつもこいつもクズ人間だなぁと客観的に作品を眺めつつも、自分を振り返ってみれば、身につまされてしまうシーンもけっこう多く(別浮気をしてるとかそういうんではなく、他人に対してどのような評価しているかってところ)、そこを自己批判的に見られるところが、この作品の面白さか。

しかし、そんなことに頓着しないでも、他人事としてこのドタバタ劇を楽しむことはできるだろう。ラストはなぜか唐突に、このゲームが行われなかった世界のこと(だと思われる)が描写される。もちろんその世界では例のクソゲーをしてないので、それぞれの間がギスギスすることもなく、みんなが仲良く帰路についている。しかしまぁ、それは嘘によって維持されている関係なんだと思うと、果たしてどっちがいいのかはよくわからん。

という人間関係の闇というか恐ろしさというか利己的な面をからかっているブラックコメディ。どうやらイタリアの作品のリメイクみたい。元ネタもこんな感じでおわるのかね。

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