隣の影
―2019年公開 氷=丁=波=独 89分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:第90回アカデミー賞外国語映画賞アイスランド代表に選出された、ブラックユーモアを交えたサスペンス。閑静な住宅地で暮らす老夫婦が隣家の中年夫婦から庭の木がポーチに影を落としているとクレームを受けたのをきっかけに、両家の対立は次第に激化していく。監督・脚本は、2012年にバラエティ誌により最も期待される10人のヨーロッパの監督に選ばれたハーフシュテイン・グンナル・シーグルズソン。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2018国際コンペティション部門監督賞を受賞(映画祭タイトル「あの木が邪魔で」)。(KINENOTE)
あらすじ:閑静な住宅地で暮らす老夫婦は、ある日隣りに住む中年夫婦から、庭にそびえ立つ大きな木がいつも日光浴をしているポーチに影を落としているとクレームを受ける。それをきっかけに両家はいがみ合うようになり、身近で相次ぐ不審な出来事を何の証拠もないにも関わらずすべて相手の嫌がらせと思い込むように。元恋人とのセックス動画が原因で妻から別れを切り出され転がり込んできた老夫婦の息子も、庭のテントで寝泊まりして隣人を監視する手伝いをする。やがて、老夫婦が家族の一員のようにかわいがっていた飼い猫が失踪。1本の木を挟みいがみ合ってきた両家の対立は激化し、危険な一線を踏み越えていく。(KINENOTE)
監督:ハーフシュテイン・グンナル・シーグルズソン
出演ステインソウル・フロアル・ステインソウルソン/エッダ・ビヨルグヴィンズドッテル/シグルヅール・シーグルヨンソン/ソウルステイン・バックマン/セルマ・ビヨルンズドッテル/ラウラ・ヨハナ・ヨンズドッテル
ネタバレ感想
まったく存在を知らなかったけどレンタルで見つけて鑑賞。最後までブラックなテイストで物語が続くヘンテコ作品。
主人公は、息子なのか老夫婦のオバサンのほうなのか、よくわからないんだけど、まぁそれはどうでもいいといえばいいことで、ともかくどいつもこいつも、他人の存在にイラついている。文字通りどいつもこいつもで、主要な3人以外の人も、だいたいが他の隣人に対して何らかの不満を持っているのだ。
この映画が言っているのはそういうことで、他人事のように観られない内容になっているのがある意味で教訓的であり、内省を促す力になっている。
息子は浮気をしたわけじゃないのに離婚騒ぎになってまうのは気の毒だが、ああいうのって男はやっちゃうよなぁと思った。俺も身に覚えがなくもない(笑)。昔の彼女との写真なんて、ほとんど見ることないのに、なぜか捨てられないのは未練なのかどうか。男のすべてがそうだとは思わないけど、少なくとも俺は捨てられない人間なのである。気を付けよう(てか捨てろよw)。
にしても、この話は隣人に対する憎しみが勝りすぎて、冷静な考え方ができなくなっている人間の恐ろしさが描かれてるのであり、その恐ろしい人間の最たる例が、あのオバサンなんである。というか、息子の一人を失踪かなんかで失ったことがきっかけで、頭がおかしくなっちゃってたのかも。
ともかく、犬を剥製にしちゃうなんて発想がぶっ飛びすぎてるし、なんでもかんでも隣人のせいにしちゃってるところは客観的に観てるとアホにしか見えないわけで、案の定ラストに猫はちゃんと帰ってくる(笑)。
息子の生死は不明だが、かなりのとばっちりだよなぁ。オッサンのほうも息子を傷つけられたことで怒り狂っちゃって、隣人と刺し違える羽目になるし、もうメチャクチャ。
オバサンはあんなラストで冷静にタバコなんて吸っちゃってて、マジでイってますね。てなことで、どいつもこいつも他人にイラついてて冷静な考えができなくなっている人たちの話であった。
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