隣人は静かに笑う
思ったよりも規模の大きいサスペンス作品であった。ジェフ・ブリッジスとティム・ロビンスと役者もなかなか豪華。ネタバレあり。
―1998年製作 米 119分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:正体をつかめない隣人の恐怖を描いたスリラー。監督は『Going All TheWay』のマーク・ペリントン。製作は「オスカー・ワイルド」のピーター&マーク・サミュエルソン兄弟と、トム・ゴーライ。共同製作はジャン・ヒギンスとリチャード・S・ライト。製作総指揮はトム・ローゼンバーグとシガー・ジョン・シグヴァトソン、テッド・タネンボウム。共同製作総指揮はジャド・マルキン・エドロス。脚本は新鋭アーレン・クルーガー。撮影は「死にたいほどの夜」のボビー・ブコウスキー。音楽は「ロスト・ハイウェイ」のアンジェロ・バタラメンティ。美術はテレーズ・デプレス。編集はコンラッド・バフ。衣裳はジェニファー・バレット・ペリントン。タイトルデザインは「セブン」「ナイトウォッチ」のカイル・クーパー。出演は「ビッグ・リボウスキ」のジェフ・ブリッジズ、「ナッシング・トゥ・ルーズ」のティム・ロビンス、「イン&アウト」のジョーン・キューザック、「死の接吻」のホープ・デイヴィスほか。(KINENOTE)
あらすじ:テロリズムの歴史を教えている大学教授マイケル・ファラデー(ジェフ・ブリッジズ)は、ある日、路上で大ケガを負った少年ブラディ(メイソン・ギャンブル)を救助する。ブラディは隣に越してきたラング家の息子だった。これが縁で、ファラデー家とラング家の交際が始まる。設計技師を名乗るオリヴァー・ラング(ティム・ロビンス)と妻のシェリル(ジョーン・キューザック)には3人の子供がいて、マイケルの息子グラント(スペンサー・クラーク)はブラディと親友になった。さらにマイケルの恋人である大学院生ブルック(ホープ・デイヴィス)も交えた隣人同士の交流で、2年前に妻を失ったマイケルの悲しみも癒されていった。だがラング家を訪ねるうち、マイケルはオリヴァーが何か隠し事をしていると疑うようになる。彼の過去を調べてみると、オリヴァーはウィリアム・フェニモアという名の爆弾魔だったことが分かった。マイケルは妻の同僚だったFBIのウィット(ロバート・ゴセッティ)に助けを求めるが、相手にしてもらえない。やがて事の真相を知ったブルックが交通事故で死ぬ。そしてサマー・キャンプに出掛けていたグラントがオリヴァーに人質として取られ、マイケルは息子を乗せたワゴンを車で追いかけて、ついにFBIのガレージに突入する。が、そのマイケルの車に実は爆弾が仕掛けられていて、そのまま爆発。爆死したマイケルは、死んだ妻の復讐のためFBIテロに及んだのだと、マスコミに報道されるのだった。(KINENOTE)
監督:マーク・ペリントン
出演:ジェフ・ブリッジス/ティム・ロビンス/ジョーン・キューザック
ネタバレ感想
何の前知識もなく鑑賞したので、けっこう内容には驚いた。題名が題名だけに、ヘンテコな隣人に迷惑かけられて、ブチ切れて喧嘩が発生して、隣人が異常者だったと判明するサイコスリラー的な話なのかなと思ってたのである。だが、全然ちがった(笑)。
早々にネタバレするけど、隣人はテロリストだったのである。しかも、自ら手を下すというよりは、ターゲットを決めて、そいつを嵌めることによってテロリストに仕立て上げちゃうという巧妙な手管を使うヤヤコシイ奴だったのだ。で、今作においてその、嵌める側のテロリストがティムロビンスで、嵌められちゃう哀れな役どころがジェフ・ブリッジスである。
ジェフブリッジス扮する歴史学者は、奥さんも死んじゃってるし、新しい恋人も殺されちまったうえ、自分も爆死という踏んだり蹴ったりな人生でありますな。気の毒。彼の息子もかなり悲惨である。両親死んじゃったうえ、親父は冤罪なのに、世間にはテロ犯として認知されているわけで、息子である彼も、真相にたどり着けるか微妙。だから、テロ犯の息子として一生を過ごすことになるんだろう…。とか書いていたら、この映画、かなり救いがなさすぎて酷いなぁと思った。
しかも、そこまで主人公を悲惨な目に合わせておいて、物語的にはその驚きの結末のみを見せたかっただけのように思えちゃうのだ。あまり、テーマとか、メッセージ性を感じないんである。
テロリスト怖いですねー。というには、ティムロビンス扮するテロ組織の規模やら動機やらがよくわからんし、あんな風に、引っ越しを繰り返してはテロ犯を仕立て上げるという面倒かつ用意周到さがなければできなそうな犯罪をしてるわりに、組織の目指すところやその人員、ティムロビンスの組織内での立ち位置などの全容が明かされないので、物語として不親切。あと、彼の奥さんがどこまでその組織の動きに加担しているのかもよくわからない。
しかも、ジェフブリッジスを嵌めるための作戦も、結果オーライとは言え、かなり適当で行き当たりばったりな内容に感じた。ということで、内容というか結末は悲惨だけども、だからそれが何なんだよーーと思っちゃう残念作品であったなぁ。
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