本当の目的
―2015年製作 馬 89分―
あらすじ
あらすじ:列車で出会ったヤナとマリカはすぐに打ち解ける。二人はヤナの暗い過去を秘めた田舎町に向かう。一つ一つ、秘密が暴かれていく。マリカは殺人容疑で逃走中、ヤナは過去の復習をしようとしていた。二人には協力する以外に道はなかった…(amazon)
ネタバレ感想
適当なあらすじ
娼婦のマリカは借金取りに脅されて、怖くなってそいつを返り討ちにして殺しちゃう(強い、というか男――後に判明するが、何かの役人らしいーーが弱すぎ)。んで、列車に乗ってたらダルそうに車窓から外を眺めてる女(ヤナ)がいて、その席に一緒に座らせてもらって、彼女が途中で降りちゃったので何となく追ってて、押し込む形で家に泊めてもらうことにした。
2人が下りたところはとても過疎った村がある。そこには男ばっかが暮らしてて、女性は年寄りのお婆さんしかいない。どうやらヤナはここが故郷らしく、いろいろあって久しぶりに帰郷してきたらしい。
で、2人はいろいろありつつも、お互いのことを知るうちに、お互いの目的を果たすために、あることを協力して決行することになる。そのあることとは何なのかーーというのが適当すぎるあらすじ。
マケドニア映画なんて初めてだ。アマゾンプライムで見つけて鑑賞。終始暗さの漂う内容で、マケドニアの田舎町の閉そく感も相まって、さらに暗さが増してる感のある印象。セリフも少なめで、みんな淡々と、あまり感情を表に出さない感じでやりとりが繰り広げられる。その中で、マリカは、ヤナが実は別人で、彼女の双子であった、クリスティだったことを知るのである。
以下、ネタバレ含む結末までの適当なあらすじ。
ラストまでのネタバレあらすじ
正体を知られたクリスティとマリカが何をしでかすのかというと。復讐だ。正確にはクリスティの復讐にマリカが手を貸すというもの。この村の警官のガンツはヤナとクリスティと幼馴染で、ある日ガンツはクリスティを誘い出して12歳の頃の彼女をレイプ。現場に居合わせた逃げようとしたヤナは高所から転落して意識不明の重体になってまう。
ガンツはヤナを担いで帰ったということで英雄扱いされる一方、レイプされたクリスティは人に言うこともできず、事件に対して口を閉ざした。彼女の父は意識が戻らないヤナを案じてからか、なぜか自殺。母親も後を追うように病死。クリスティは故郷を離れ、一人で植物状態のヤナを看病し続けたのであった。
大人になったクリスティは、ついに意識の戻らないヤナの延命装置を停止する。そして、彼女の葬儀を終えて故郷に戻ってきた。おそらく、復讐のためだろう。ヤナに扮してガンツに会ったクリスティ。ガンツは自分から事件のことに触れようとはしない。
それどころか、彼の父親が開発していたレジャー施設の用地の権利を持つクリスティに、土地を買収させて金を手に入れようと目論んでいる。マリカが殺人の容疑者として指名手配されていることを知ったガンツは、そのことをダシにしてクリスティを脅してきた。
意を決したクリスティは、マリカが国境を越えて逃げることを助けるのを条件に、復讐の手伝いをさせるのであった。そして、見事ガンツを葬ることに成功したクリスティ。マリカはすでに国境を越えていた。マリカを追ってきた刑事には、彼女が自分の車やパスポートなどを奪って逃げたと伝えるのであった。おしまい。
男ばかりが暮らす村
上記のような話がさっきも書いたように、暗い雰囲気で淡々と続く。面白いかどうかと言われると、派手な展開を望んでる人にはチョッと物足りないかなという感じ。個人的には可もなく不可もない、普通の作品という印象だったかな。
一つひねりがきいているのは、マリカが髪の毛を黒くして、短髪にしてメガネをかけさせるとクリスティにけっこう似ているように見えるところ。メイクってすごいねぇ。彼女の姿を真似たことで、マリカはクリスティのパスポートで国境を越えることができたのだ。
国境を越えて逃げ続けられるかは微妙だが、クリスティのほうはパスポートもなく国外にも出れなくなっちゃうので、あのあとどうするんだろうね。なんか、生きることの目的みたいのがありそうな人に見えないので、どっちかというとクリスティの今後のほうが気になったな。
しかしまぁ、男の人しかいない村ってのはかなりキツイ状況だ。男根主義的思考しかできない男ばっかの社会だったから、女性がいなくなってしまったのかもと思わせる。ガンツはその象徴みたいな奴で、過去に人をレイプしてるのに平然と警察として仕事をしてるとか、マジどうかしてる。
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