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映画 永遠に僕のもの ネタバレ感想 美少年のカルリートスは善悪の基準がない

永遠に僕のもの
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永遠に僕のもの

生まれながらにして悪人の美少年が、後先考えずにその場の感情にしたがって生き続ける悲哀を描いた作品。

―2019年公開 亜=西 115分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:アルゼンチン全土に衝撃を与えた連続殺人犯の少年の美しくも儚い青春を綴るペドロ・アルモドバルによるプロデュース作。1971年、他人の持っている物を無性に欲しがるカルリートスは、相棒と手を組み、窃盗、嘘を重ね、さらには僅か数年で12名以上の殺人を犯す。出演は、本作がデビューとなるアルゼンチンの新星ロレンソ・フェロ、『嵐の中で』のチノ・ダリン、「偽りの人生」のダニエル・ファネゴ、「オール・アバウト・マイ・マザー」のセシリア・ロス。監督はアルゼンチンの俊英ルイス・オルデガ。(KINENOTE)

あらすじ:1971年、アルゼンチン・ブエノスアイレス。幼少の頃から他人の持っている物を無性に欲しがったカルリートス(ロレンソ・フェロ)は思春期に入り、自分の天職は窃盗だと気づく。そんななか、カルリートスは新しく入った学校でラモン(チノ・タリン)と出会い、一瞬にして魅了される。ラモンの気を惹こうとこれ見よがしな態度をとるカルリートス。やがて、手を組んだ二人は窃盗を重ね、いとも簡単に殺人を犯し、連続殺人へとエスカレートしていくのだった……。(KINENOTE)

監督:ルイス・オルテガ
出演:ロレンソ・フェロ/チノ・ダリン/ダニエル・ファネゴ

ネタバレ感想

ゲイっぽい美少年の破滅型な青春謳歌物語。けっこう期待して鑑賞した。というのも、主人公のカルリートスが、生まれながらにして、悪行を重ねることに少しの良心の呵責も感じない男だというのが、予告からでもわかったから。そんな男がどんな破天荒な生き様を見せてくれるのかとワクワクしてたんだけども、けっこう淡々としていたな。

実在の人物を基にした物語らしいので、ド派手なアクションを期待してたわけではないんだけども、いまいち、カルリートスが何に葛藤してたのか読み取れず、最後のほうで流した涙の意味も、俺にはよくわからなかった。そもそも、そういう葛藤がない人間だったとしたら、あそこで涙は流さないわけで、どっちにしてもよくわからん。相棒のラモンを自分のものにできなかった悲しみだろうか…?

何もかも自分のものでないとすまないーーという感情は、俺の幼き日の記憶の中にも結構残っている。人の持っている玩具を盗んだこともあるし。ただ、親にそれを叱られているうちに普通の、何の変哲もない男に育った。そしてもう今や中年だ。悲しい(笑)。

いずれにしても、彼がいわゆる一般的な善悪の基準の中で生きている男ではないことはよくわかる。そこだけはよくわかる。彼にとっては、自分の欲しいものを手に入れることは、善なのだ。そして、それこそが彼の、容姿を除いた部分での魅力であり、そこに魅力がなければ映画にはならない。冒頭とラストの踊りこそが、彼がこの世の中で何にも支配されずに己の生き方を貫き通していることを意味しているのだと感じる。

しかし、そもそもなぜ普通の両親から生まれた人間が、あのように悪事を重ねることに何のためらいもない性格に育ったのか、よくわからんのである。人間てのは稀に、環境の影響を受けずに育つものなのか? 犯罪多発地域で当たり前に育った子供が、犯罪に手を染めるのはわかる。しかし、この映画におけるカルリートスの生活環境は、そこまですさんでいるようには見えず、やっぱり彼は自分自身で悪への道を選んでいたようにしか見えない。

それにしても、もう少しよく考えて行動すれば、まだまだ娑婆で楽しい人生送れたんじゃないかとおもうんだけど、彼はそういうことを望まないほど、ラモンのことが欲しかったということなんだろうか。でも、殺さずにはいられない。そこに葛藤があったということかーー。

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