クレイジー・ナイン
コンビニで働くバイト2人と、そのコンビニの店長と、そこを訪れた客たちが繰り広げるドタバタコメディ。シリアスさは全くないので最初からコメディ映画なんだなぁってのはわかるけども、その展開はなんとも珍妙。ネタバレあり。
―2017年公開 香 92分―
解説:「第11回大阪アジアン映画祭」にて「荒らし」の題で上映されたバイオレンスコメディ。特集企画『未体験ゾーンの映画たち2017』にて一般公開。(KINENOTE)
あらすじ:深夜のコンビニを舞台に、サイコな潜入捜査官、キレやすいジジイ、セクシーなチアリーダー、黒社会の若きドンら9人の曲者たちが予測不能なトラブルを巻き起こす。(KINENOTE)
監督・脚本:ファイヤー・リー
出演:デレク・ツァン/J.Arie/ラム・シュー/フィリップ・キョン/スタンリー・フォン
感想
なんかジャケットのデザインというか絵が『インヒアレント・ヴァイス』みたいだなぁと思った。内容は少しエロとグロのあるブラックコメディて感じ。ところどころクスッとさせる面白さもあるし、ラストはそういうオチか! と好感を持ったものの、細部に突っ込み始めたらキリがない、ヘンテコ珍作映画である。
ネタバレ
ヘンテコ映画です
香港にあんな広いコンビニがあるのかね。と思わせるくらい広々とした店内で働くバイト2人と店長とそこを訪れた客たちが繰り広げるドタバタコメディ。シリアスさは全くないので最初からコメディ映画なんだなぁってのはわかるけども、その展開はなんとも珍妙。
幽霊でない奴は2人
詳細を書くのが面倒なので省く。ともかく、次から次へと店内でイニシアチブをとるやつが変わっていき、一人、また一人とその時々の強者の手によって犠牲者が出る。で、ネタバレでラストに触れると、主人公以外は全員、最初から死んでいたのである。だから、登場人物の多くは幽霊なのだ。
で、その幽霊の中の誰が主人公の体をのっとって生きるかという話し合いがラスト近くで展開される。でも、主人公は未来に希望のない単なるニートなので、幽霊たちは「こんな奴の人生を送っても仕方がない」と言いだす始末。
なので、爆発によって死んじまった主人公が、もう一度自分の体に戻ってやり直すというアホな終わり方をするのである。そんな理由で乗り移るのが嫌なら、最初から別の人間を対象にすればいいのに。例えば途中で登場する子どもとか。彼なんて若いんだから、乗り移った奴は自分の人生経験を活かして、いかようにも幸福になれると思うのだが。
軽く観られる中身も軽い映画
他にもいろいろ突っ込みどころはあるけども、言及するのが面倒なのでやめておく。ともかくこの映画を製作した人は、メッセージ性云々ではなくて、ナンセンスなドタバタ劇をオシャレかつスタイリッシュな感じにつくりたかったんだろうなぁと思われた。という意味も含めて、本当に軽い映画だ。
笑わせてくれる映画の記事↓
コメント