最後まで行く
かなりバイオレンスな映画なのかと期待して借りてみたら、ほぼコメディ(笑)。ラストまでいろいろなトラブルが起こり続けるので飽きさせない。主役を務めるイ・ソンギュンの顔芸も笑えます。ネタバレ少し。
―2015年 韓 111分―
解説とあらすじ
解説:自身の起こしたひき逃げ事故を隠匿した刑事が追い詰められていくサスペンス・アクション。監督・脚本は、「マイ・リトル・ヒーロー」のキム・ソンフン。出演は、ドラマ『コーヒープリンス1号店』のイ・ソンギュン、「悪いやつら」のチョ・ジヌン。第57回カンヌ国際映画祭監督週間招待作品。第51回大鐘賞3部門受賞。第27回東京国際映画祭提携企画「コリアン・シネマ・ウィーク2014」上映作品。(KINENOTE)
あらすじ:母の葬儀を抜け出した殺人課の刑事ゴンス(イ・ソンギュン)は、車で警察署へ向かっていた。急遽所内に監査が入ることになり、ゴンスは横領の証拠を隠そうとしていたのだ。しかし、夜道での無謀な運転が仇となり、通行人を轢いてしまう。ゴンスはひき逃げを隠匿するため、死体を持ち帰り母の棺桶に入れて一緒に埋葬する。数日後、警察内部でこの被害者不明のひき逃げ事件の捜査が始まり、ゴンスが事件の担当となってしまう。そんななか、謎の男からゴンス宛てに電話が入り、電話口で「お前が殺したことを知っている」と囁く……。(KINENOTE)
予告とスタッフ・キャスト
(Albatrosmovie)
監督:キム・ソンフン
出演:イ・ソンギュン/チョ・ジヌン/シン・ジョングン/チョン・マンシク/シン・ドンミ
隠蔽工作は葬式よりも大事だ
相変わらず韓国映画で取り上げられる警察は汚職だの不正だのしまくりの糞っぷり。韓国では公務員ってのは甘い汁を吸うために就く職業という認識なんだろうか。まぁ日本でもあんま変わらない部分はあるわな。俺も某業界周辺に関わる外郭団体で働く、天下りのオッサンをたくさん見てきたし。公務員になったからには、旨味は存分に吸っておかなきゃ損ってことだろうか。
ということで、主役である殺人課の刑事、ゴンスは冒頭から踏んだり蹴ったり。お母さんが亡くなってしまい、葬式の喪主だったのに、そこを抜け出して車を飛ばすシーンから物語は始まる。どうやら殺人課に内部監査が入るらしく、過去にたくさん賄賂受け取ってきた身としては、覚えのありすぎることがいろいろあるのか、それが明るみに出ないよう署に戻る必要があるのだ。
イ・ソンギュンの顔芸が笑える
ところが道中で人を轢いちゃうんである。パニックになるゴンス。どうする!? と思ったら、なんと事故の隠蔽に動き出す。これは酷い(笑)。で、この事故を隠すために奔走するゴンスが中盤くらいまで描かれることに。ゴンスが糞なことをしているのは分かるものの、必死でいろいろと頑張るシーンはなかなか肩入れしたくなる迫真ぷり。
このゴンスを演じるイ・ソンギュンて人、驚いた時とか愕然とした時の真に迫った顔芸がすごい(笑)。特に中盤くらいに初登場する、チョ・ジヌンとの対面シーンでの顔は、マジで笑える。ともかくすごい顔しているんだけど、確かにそういう顔になるだろうなーと思わせるのだ。役者ですなぁ。
悪事を隠し通すって大変だねぇ
そんなわけで、休む間もなく次から次へとトラブルが起きて、それを必死こいてごまかしたり取り繕ったり(できてないが)するので息つく間もなくラストまで引き込まれる作品であった。突発的に起こしてしまった悪事って、ごまかし通せないんだろうなってのがよく分かる内容でもある。動揺しちゃってるから、冷静な判断できないもんなぁ。
相手役のチョ・ジヌンもかなりぶっ飛んだ役柄であった。麻薬と風俗店経営で儲けている警官ってことで、メチャクチャ金を持っていたことがラストで判明。一人でここまで稼げるような裏家業をできるもんだろうかと思わせるくらいの大金だ。ちょっと無理がないかね。
あと、こいつはゴンスの動きをイチイチ把握できているわけじゃん? だったら、ゴンスが死体を埋めた場所なんて簡単にわかりそうなもんなんだけど。なんかやっていることがまだるっこしくて、ちょっとバカなんじゃないだろうかとは思った。
ゴンスは賄賂をもらうことで、自分の娘だけでなく妹夫婦を養ってやれるくらいには裕福だったようだが、事件が解決して退職の道を選ぶ。いろいろと脛に傷を抱えて生きるのが嫌になったのかもね。だとすると、ラストの大金いただきシーンはちょっと何だかなとは思うけども、シリアスな作品ではなく、コメディだと思えば充分楽しめる作品です。というか、もともとコメディとしてつくってるのかな?
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