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映画『LOCK DOWN ロックダウン』ネタバレ感想 暴走したのは車でなく主婦

ロックダウン
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LOCK DOWN ロックダウン

コピーは「暴走車、制御不能」とか書いてあるが、車は一切、暴走していない。暴走気味なのは主人公のサンドラだ。この映画を鑑賞した人の大半が、そう思うに違いない。ネタバレあり。

―2017年公開 米=伊 84分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:『エスクワイア』誌で“最もセクシーな女性”第1位に選ばれたカトリーナ・ボウデン主演のパニック・アクション。完璧なセキュリティを誇るAI搭載車を走らせていたサンドラは、砂漠地帯で突然立ち往生。幼い息子を乗せたまま、車が暴走を始める……。監督は、イタリアでテレビドラマなどを手掛けてきたアイヴァン・シルベストリニ。モンスターカーの恐怖を描くパニックアクション。特集企画『未体験ゾーンの映画たち2017』にて上映。(KINENOTE)

あらすじ:サンドラ(カトリーナ・ボウデン)は、夫のカールが息子デイビッドの安全を考えて購入した世界最高セキュリティのAI搭載車モノリスに乗って、500キロ離れたロサンゼルスへ向かっていた。モノリスは、強固なナノテク装甲に極薄の防弾ガラス、25種類の最新機器感知センサーを装備した上、さらに対話可能なAIを搭載。完璧なセキュリティ装備を誇っていたが、砂漠のど真ん中で何かに衝突し、民家もなく、携帯も通じない場所で立ち往生してしまう。驚いて泣くデイビッドを車内に残して、車を降りるサンドラ。すると突然、ドアがロックされてしまう。見渡す限りの無人の荒野。助けを求めることもできない中、果たしてサンドラは、暴走するモノリスから無事に息子を取り返すことができるのか……?(KINENOTE)

監督・脚本:アイヴァン・シルベストリニ
出演:カトリーナ・ボウデン

ネタバレ感想

ナイト2000みたい

なかなかすごい車だ。AI搭載してて、名前はモノリス。人間とおしゃべりする車なんて、俺が小学生の頃にテレビで放映してた、『ナイトライダー』の登場キャラ、ナイト2000みたいである。

暴走サンドラ

冒頭に書いたとおり、この物語で暴走しているのは主人公のサンドラであって、モノリスではない。彼女は子育てせずに仕事でどっかにいっちゃっている旦那にイライラしてたり、彼の浮気を疑っていたり、元歌手だった自分が子育て一辺倒の暮らしをしていることに少し後悔があったり、愛してはいるものの、息子のデヴィットを育てるのに苦労していてたり―ーなど様々な要素が重なって、いささか情緒不安定気味に見える。

そんな彼女が、モノリスの中に閉じ込められた息子を救うべくジタバタするわけだが、文字通りジタバタするだけで、作品の大半の時間が費やされる。彼女が必死なのはわかるんだが、こちらには彼女の切実さが伝わってくるどころか、何だかイライラしてきちゃう始末の内容に仕上がっている。つまり、面白くない。

そもそも、モノリスを操作できるアプリの入るスマホを、サンドラがデヴィットに持たせたことがトラブルのきっかけ。理由がバカすぎなんだよなぁ。

優れた機械も使う人次第

個人的には、カーペンター監督の『クリスティーン』とは異なるとはいえ、車が人間に恐ろしい暴力をふるってくるホラー映画だと思ってたので、単なるアホな主婦がジタバタしているだけの内容に、激しくゲンナリしたのである。俺が勝手に期待してただけだから、その点については、この映画が悪いわけではないんだけど。

にしても、何だったのだろうか、この作品は。来るべきAI社会の恐怖を描いたのだろうか。それとも、どんなに素晴らしい機械も、使う側の人間次第で、毒にも薬にもなるという教訓だったのか。よくわからん。ついでに、浮気疑惑のあった旦那が結局、黒なのか白なのか判明しなかったことも、不満である。

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