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映画 マニアック ネタバレ感想 殺人鬼イライジャウッド リメイク版

マニアック
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マニアック(2012)

―2012年製作 仏 89分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:ウィリアム・ラスティグ監督の同名映画をリメイクしたスリラー。女性の頭皮を剥ぐ猟奇殺人鬼を描く。製作は、「アーティスト」のトマ・ラングマン。監督は、「P2」のフランク・カルフン。出演は、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのイライジャ・ウッド、「幸せはシャンソニア劇場から」のノア・アルネゼデール。(KINENOTE)

あらすじ:ロサンゼルス。若い女性を狙い、被害者の頭皮を剥がすという猟奇殺人が夜な夜な発生していた。両親のマネキン店を継いだマネキンの修復師フランク(イライジャ・ウッド)は、淫乱で残忍な母親のトラウマから、生身の女性を愛することができなくなっていた。自分が修復したマネキンに囲まれているときにだけ心の平安を感じる彼は、やがて夜の街で女性を殺害し、毛髪ごと剥いだ頭皮をマネキンの頭にかぶせるという凶行に及ぶようになっていた。ある日、美しいブロンドの女性カメラマン、アンナ(ノア・アルネゼデール)がフランクの前に現れ、個展に出品する作品のモチーフとしてマネキンを使いたいと頼む。フランクにとって自分の仕事の芸術性を理解する女性との出会いは初めてで、彼女の創作に協力しながら、次第に想いを募らせていく。あくまで友人としてフランクと接するアンナに対し、一方的に彼女との愛の生活を妄想するフランク。彼女の前では心優しい青年を演じるフランクの邪悪な欲望は、爆発寸前だった。アンナの個展のオープニング・パーティに出席したフランクは、彼女の周りに集まる醜い業界人たちから気味悪そうな視線を浴び、心のバランスを失っていく。狂気に堕ちたフランクは、夜の街へ出る。そして、想像を絶する惨劇が始まる……。(KINENOTE)

監督:フランク・カルフン
出演:イライジャ・ウッド/ノラ・アルネゼデール

ネタバレ感想

アマゾンプライムで見つけて鑑賞。リメイク作品らしく、オリジナルは未見。尺が短くて気軽に観れるかなと思ったけど、最初の30分くらいはけっこう見続けるのが大変だった。

殺した女性の頭皮を剥ぐとこなんかはボカされた表現になってたからいいとして、イライジャ扮するフランクがゲロ吐くシーンとか、ちょうど夕飯食べながら観てたので、目を背けてしまった(笑)。あとは、POVで描かれている内容がかなりアブノーマルな人間の日常描写みたいな感じで、その視点になかなか慣れなくて、そういうのをひっくるめて鑑賞を止めようかなとも思わされた。

ところが、ブロンド美女のフォトグラファー、アンナが登場してからは面白かったな。どう面白く観たかというと、どうあってもそんな結末はないだろうなと思いながらも、フランクとアンナが恋愛関係に発展していかないかと期待しつつ楽しんだのである。

この2人はマネキンを介して出会い、それの持つ芸術性みたいな部分で共感しあえる人たちで、ある意味では普通の人とは美的感覚が違う。アンナはまともな常識人であったようだが、職業についてはアーティスティックなことをしていて、それはある意味で一般とは逸脱した部分だ。そして、どう見ても逸脱者であるフランクも、違う視点から見ればアーティストでもある。その辺の感覚をこの二人は共有しているのである。

アンナはフランクを友人としてしか見ていないようだったが、フランクが彼女にご執心になってしまう気持ちはよくわかる。そもそも人から愛された経験がなく、友人もいない人間が、自分の人生の根幹にかかわる美的センスの部分に共鳴してくれる女性に出会ってしまったら、当然好きになってしまうだろう。

少し話がズレるけども、友人とか恋人と付き合いをするうえで、この共感力とか共鳴とかを大事にするというか、無意識にそういう感覚を抱ける相手を選んでいるってことはないだろうか。例えば恋人がいない人間に仲の良い友人がいたとして、その友人は恋人の代わりは果たせないとしても、いろいろなものに対して共感できる相手だったとしたら、その相手が別の人間と親しくしていた際に嫉妬のような感情を抱く人はいるんではなかろうか。

仮にその相手が恋人だったとしたらなおさらだ。しかし、その共感してくれるからこその親近感というのは、よくよく考えてみると自己愛みたいなもんで、他人に自分を認めてほしいという欲求であるとも言える。まぁともかく、フランクとアンナの関係を観ていて、自分の体験にも基づいた上記のようなことを思ったのである。

ということで閑話休題。

フランクはワンチャンあるんじゃないかというくらいまでアンナに肉薄したものの、ちょっと口が滑ってしまったことで、180度態度を変えられてしまう。んでもって悲惨にも愛した相手を殺してしまうことになるわけだ。

彼が性的不能者で異常な殺人鬼になってしまったのは、幼少期に母親から虐待を受けていた影響であることが分かる。しかし、彼は母親のことを愛していたわけで、そしてアンナのことも愛していたわけで、何とも悲惨な一生を送ったなぁと思わされる。だが、人殺しもしているわけであって、その点は擁護はできぬものの、この作品の面白さは、フランクに感情移入ができる演出になっているところだ。実際に俺は、そうやってこの作品を楽しんだ。

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