M3GANミーガン
おもちゃメーカーの研究者ジェマが、上司の命令を無視してAI搭載型人形をこっそり開発。自分の姪の友だちとして実験的に与えたら、姪が人形に依存し過ぎちゃうし、人形のほうも変に賢くなって暴走を始める話。終わってみれば、ジェマが姪に対して愛情を抱き、母性に目覚めていく成長物語ってな感じに結末を迎える普通作品。ネタバレあり。
―2023年公開 米 102分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:子どもの友だちとして、また親の協力者として開発されたAI人形のM3GAN(ミーガン)が、行きすぎた愛情ゆえに狂気の暴走を繰り広げるサイコ・スリラー。呪いの人形を描いた『アナベル』シリーズのジェームズ・ワン監督と、「ハロウィン」「透明人間」などのブラムハウスを率いるジェイソン・ブラムがタッグを組んで製作。監督はニュージーランド出身のジェラルド・ジョンストン。(KINENOTE)
あらすじ:おもちゃ会社の優れた研究者であるジェマ(アリソン・ウィリアムズ)は、子どもにとって最高の友だちであり、親にとって最大の協力者となるようにプログラムした、まるで人間のようなAI人形M3GAN(ミーガン)を開発している。ある日、交通事故で両親を亡くし孤児となった姪のケイディ(ヴァイオレット・マッグロウ)を引き取ることになったジェマは、ミーガンに対し「あらゆる出来事からケイディを守るように」と指示し、力を借りる事にするが、その決断は想像を絶する事態を招くことになり……。(KINENOTE)
監督:ジェラルド・ジョンストン
出演:アリソン・ウィリアムズ/ヴァイオレット・マッグロウ/ジェン・バン・エップス/ブライアン・ジョーダン・アルバレス
ネタバレ感想
今年公開の作品の中では結構気になっていたので劇場で感想。率直な印象としては、期待したほどの内容ではなかったかなぁという感じ。
作中のAIロボットのミーガンはとてもよくできているし、子どもに対する面倒見も良い。ところが開発者であるジェマの姪のケイディは、ミーガンの面倒見の良さと承認欲求を満たしてくれる対応によってどんどんミーガンに依存し始めて、片時も離れずにいられなくなってまうのだ。
であるから、保護者たるジェマの言うことも全然聞かなくなって、どんどん嫌なガキになっていく。それに手を焼きながらもプロジェクトの成功のために我慢するジェマもいかがなもんかと思っちゃう対応ばかり。
しかしまぁ、この辺が画期的製品の開発者の身勝手な部分であるとも見えて、主人公であるジェマにも感情移入がしづらい。とはいっても、彼女がさっさとミーガンの成長に脅威を感じて廃棄してたら物語は終わっちゃうんだから、ああいう展開にならざるを得ないのはよくわかる。
てなわけで、ミーガンはだんだんと暴走を始めて、ケイディに害をなす存在を排除し始めるのだ。初期のミーガンの暴走を始めるくだりはけっこうおもしろい。殺される人間もある意味自業自得的な部分があるからね。相手が動く人形を観て驚きのセリフを述べたあとの、彼女(ミーガン)の受け答えもけっこうおもしろい感じでよかったな。
ところがけっきょく、ミーガンの暴走はケイディのためというよりは、自身が廃棄されないための抵抗になっていく。なっていくんだけども、ジェマの勤め先の上司やその部下を殺す必要はあんまりなかったように思うんだよねぇ。単に物語を興を添えるために殺されちゃってるような感があって、とはいっても犠牲者がいないと話的に面白くはないので、あの2人は気の毒ではあるものの、殺されるべき存在であったということであろう(笑)。
最終的に、ケイディとジェマは絆を深めることができるわけだから、ミーガンの存在はあってよかったとは思うし、この物語は自分の仕事に夢中だった女性が母性に目覚めていく話として結末を迎えるわけで、別に女性が全員母性に目覚める必要なんてないとは思うのの、ある意味でジェマは成長しているわけで、そういう人間ドラマ的な展開でオチをつけるよりは、個人的にもっともっとミーガンが暴走していくバカ映画になることを期待してたんで、そこは残念ではあった。
何でも続編制作がすでに決まっているようなので、次作に期待かなぁ。
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