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映画『エクス・マキナ』ネタバレ感想 人工知能は人間と同じ・・・?

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エクス・マキナ

最後まで面白く見れた。ただ、細部に突っ込みどころ多すぎちゃってねぇ。設定が甘いせいなのか、俺が理解してないせいなのか。その辺を考えつつネタバレもします。以下、前半はこの映画に対して感じた私的な印象。後半はこの作品のよくわからないところを。 ―2016年公開 英 108分―

解説:第88回アカデミー賞で視覚効果賞を受賞したSFスリラー。IT企業の社長が所有する山間の別荘に1週間滞在するチャンスを得たプログラマーのケイレブ。だがそこでは女性型ロボット“エヴァ”に搭載された人工知能の不可思議な実験が行われていた……。出演は「スター・ウォーズ フォースの覚醒」のドーナル・グリーソン、「リリーのすべて」のアリシア・ヴィキャンデル、「アメリカン・ドリーマー 理想の代償」のオスカー・アイザック。「28日後…」や「わたしを離さないで」の脚本家アレックス・ガーランドの監督デビュー作。(KINENOTE)

あらすじ:検索エンジンで有名な世界最大のインターネット会社“ブルーブック”でプログラマーとして働くケイレブ(ドーナル・グリーソン)は、巨万の富を築きながらも普段は滅多に姿を現すことのない社長のネイサン(オスカー・アイザック)が所有する山間の別荘に1週間滞在するチャンスを得る。人里離れたその地にヘリコプターで到着したケイレブだったが、彼を待っていたのは美しい女性型ロボット“エヴァ”(アリシア・ヴィキャンデル)であった。ケイレブは、彼女に搭載された世界初の実用レベルとなる人工知能のテストに協力するという興味深くも不可思議な実験に参加することになるのだが……。(KINENOTE)

監督・脚本:アレックス・ガーランド
出演:ドーナル・グリーソン/アリシア・ヴィキャンデル/オスカー・アイザック/ソノヤ・ミズノ

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他者に意識があるなんて、どうやったらわかるの?

前から内容が気になっていたので鑑賞。この話の軸は、人工知能を持つロボット? を主人公がチューリング・テストするところにある。その結果というか、過程を見てわかるのは、テスト対象のエヴァって、外見以外は全て人間と同じなんだということだ。違うのは外の世界を見たことがないってところなんだが、主人公と交わす会話はいたって普通の人間である。理解できる言葉を話して、会話が成り立っているからねぇ。

個人的にはこうして話が通じる相手というのは、ロボットだろうがなんだろうが、意識を持っている存在だと思う。人間と同じ存在のあり方をしている、単なる他者であるーーと思う。人間ではなくても、同じ存在のあり方をしている。

ネイサンが、「人工知能を搭載した箱なんて、つくってどうする?」とか言うシーンがあった。確かに、箱と意思疎通するのはなんだか気味が悪い。でも、例えば豆腐と会話ができるようになったら、その豆腐は存在の仕方としては、人間と同じである。だって、話が通じるんだもん。てことは、意識を持った存在だと言えなくないか。繰り返しになるけども、人間と同じあり方をした存在だと思う。この物語に出てくる人工知能ロボットたちもそう。

普通に会話ができるだけでロボットに自己意識があると断言するなんて、おかしいだろうか。俺はおかしくないと思う。仮におかしいと思う人は、「自分以外の他者にも、意識があるかどうかわからない」と言っているのと同じだ。

日常的に我々が会話をしている他人だって、単に言葉が通じて、会話が成り立って意思疎通ができているだけなんだから。相手に自己意識があるかどうかなんて、こちらから証明なんてできないのである。

上から目線はいけません

てなことで、この作品はSFスリラーというジャンル分けされているようだけど、個人的にはAIが人間に反乱を企てる話というような解釈はできなかった。だからスリラーぽくないというか。あれは、反乱でもなんでもない。ただの人間と同じあり方をした存在が、外の世界に出るためにいろいろと考えてあの結果を導いただけなのである。

仮に設定を変えて、エヴァを単なる人間の少女にしたとしよう。で、彼女は前から外の世界に出たいと思っていた。彼女の知能は高い。その高い知能を使って、自分と関わるようになった人間を利用して、外の世界に出ることを画策する。このように設定変更しても、手段は変わりこそすれ彼女が成し遂げようとすることは一緒だ。そう思いませんか?

この作品では、エヴァが自然から生まれた存在ではなく、人為的につくられた存在であることで、作中人物たちにも、鑑賞者たちにも、フィルターがかかってしまうのである。人間とは異なる存在、人間と違いを比較される存在、こちらが上から目線になって、「ロボットごとき」という考えで接してしまう存在に。そうした存在としてフィルターをかけて見ると、彼女の行動は人間に対する反抗のように見えてしまう。しかしやっていることは、その辺の人間でも置かれた立場が同じであるなら、きっとやるであろうことなのだ。

AIが人間を超越するゲームに、誰もが加担している

この作品は、すでにして人間が、自分らと同等かそれ以上の知性を持つ存在を人為的に作り出せる段階に来ていることを示している。われわれはシンギュラリティという特異点が、そう遠くない未来に到来することを知っていながら、今の自分たちの利便性を高める欲望だの知的好奇心を満たすだののために、見てみぬフリをして、この映画で描かれたような存在を作り出そうとしている。この世に生きている人間のほとんどが、その脅威を生み出さんとするゲームに、知ってか知らずか、参加している。 例えばアイフォンのSiriを何気なく使っていることとかね。

社長のネイサンはグーグルみたいな検索エンジンの大企業を経営している。検索エンジンってのは、世界中の人間の思考などを読み取るデータベースとして活用できるらしい。で、そのデータを用いて作ったのが人工知能というわけ。

現実の生活においても、ネットをやっていれば検索エンジンは使わざるを得ないわけで、俺らも常に、この映画の中の設定で言えば人工知能づくりに加担していることになる。

社長は結局、何がしたかったんだろうね

ということで、この映画でよくわからなかったことの話題に移る。

社長のネイサンは何のために人工知能を搭載したロボット? を作りたかったんだろうか。主人公のケイレブとの会話の中で、「人工知能が発達すれば、いずれ我々人間の存在を脅かす」的なことを言う。それをわかっているのに研究して作っているということは、人類を凌駕する存在を自らの手で作りたかったということなんだろうか。

ケイレブが最初のほうで、「人工知能なんてのを作れたら、それは神になるってことですよ」というようなことを言ってた。ネイサンは神になりたかった? それにしては、やっていることがお粗末なんだよなぁ。この人は終盤でAIたちに殺られちゃうわけだが、ああなることくらい想定できなかったんだろうか。なんか、下に見すぎちゃってるんだよね、彼女らを。

ネイサンはケイレブをはめることはできてたものの、自分が作り出したエヴァには殺されてしまう。これなんかは、やっぱり相手を甘く見ていた証拠だろう。これまでのロボットたちを奴隷みたいに扱ってこれた、驕りのようなものが彼にはあったのではあるまいか。

人工知能の動きをどこまで制御できていたのか

エヴァより前に作られて、メイド? みたいなことをさせられているKYOKOさん。この女性も人工知能を搭載した存在だってのは、見ていればわかる。でも、何で日本人なんだ? 身の回りの世話をするのは貞淑な日本人女性だとでもいいたいんか? それとも、昭和時代の専業主婦は奴隷なのだと皮肉りたかったのか? 以前作成したシリーズにはアジア系の女性もいたっぽいので、それは考えすぎであるにしても、KYOKOさんは楽しんでネイサンの世話をしているようには見えない。でも、彼女は別に反抗も何もしない。

これはたぶん、ネイサンがそのような設定にしたんだろうと思われる。それは過去の人工知能のシリーズの中に、かなりヒステリックにネイサンに反抗しているようなタイプもいたことが、過去の録画映像を見る場面でわかるからだ。

しかしだな、そもそも、そんな設定をすることって可能だろうか。他にも、日本語しか喋れないし理解できない設定になんて、できるんだろうか。自主学習しているうちに、英語も解するようになると考えるのが普通なんだけど。

そういう機能を制御している? そんなことまでできるんだったらすごいけど、何だったのか、よくわからない。もしかするとネイサンは、ケイレブが彼女のいる前でもいろいろと喋れるように、「彼女は英語を理解していない」と嘘をついていたのかもしれないね。

仮に人工知能にある程度の感情やら言動を制御する機能を付与できるんだとしたら、エヴァの行動も当然抑制できるわけだから、恐らくそんな設定はできないはずだ・・・。と、どうでもいいことをいろいろ考えさせられちゃったが、結局よくわからない。

よくわからないところ満載の映画

よくわからないといえば、エヴァがなぜ施設を意図的に停電させられるのかもよくわからない。意思の力だけで遠隔操作できんのかね? それってもうエスパーやん。そういう意味では人間を超えた存在ではあるが、それができたとして、その能力を放置しているネイサンは何を考えているのでしょうか。

もう一つわからんのは、シュールレアリズム的な絵画を目の前に、ネイサンとケイレブが喋るシーンがある。交わされる内容そのものは興味深い。自動的に絵を描きつけて無意識の世界を表現するよりも、きちんと考えて表現するほうが困難なのだとネイサンは言う。

なるほど、と思った。だがしかし、意味ありげにそういうシーンを挿入しておきながら、あれが本作品において、どのような意味を持っているんだろうか。俺にはさっぱりわからなかった。

てなことで、惜しい部分も結構ある。が、興味を感じた方は1度は見ることをオススメします。この手の話が好きな人は、決して見て損はなし!

これとは別に、私的な疑問を扱っている記事をいくつか――

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