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映画 ターニングポイント ネットフリックス配信イタリアのクライムドラマ

ターニングポイント
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ターニング・ポイント

引きこもりの男の住居に押しかけて来た泥棒。対照的な二人の間には、いつしか絆が生まれていく。しかし、泥棒を追うギャングの手が二人に近づいていたーー。予定調和に感じる展開でありつつも、それなりに楽しめるクライムヒューマンドラマ。ネタバレあり。

―2021年製作 伊 90分―

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あらすじ・スタッフとキャスト

あらすじ:現実から逃げ続け、自分の殻に閉じこもる青年。そんな彼の日常に突然土足で踏み込んできた、乱暴な男。正反対な2人は、意外にも友情を育んでゆく。(NETFLIX)

監督:Riccardo Antonaroli
出演:アンドレア・ラッタンツィ/ブランド・パシット

ネタバレ感想

適当なあらすじ

清掃や引っ越しの仕事をしてるジャックの裏家業は泥棒。ある日、裏社会のボス、カイノの金を運んでるマリオから盗みを働き、大金を手に入れた。そのままブラジルへ高飛びしようとしたが、マリオに追われて逃亡に失敗。あるマンションの1室に身をひそめることに。

そのマンションに住むのは引きこもりの若者のルドヴィコだった。彼はうだつの上がらない人間で、漫画家の夢を見ながらも自分に自信がなく、友だちも恋人もいない生活の中で、漫画だけを描いて暮らしている。そこへジャックがやってきて、脅されて彼をかくまうことに。

奇妙な共同生活をしているうちに、打ち解けていく2人。ジャックは兄のようにルドヴィコの面倒を見てやり、ルドヴィコが恋をしているレベッカに近づけるように世話もしてやる。その一方で、カイノは部下に命じてジャックの行方を捜していた。

ついに逃亡のタイミングを決めたジャックは、いろいろありながらも、ルドヴィコのために、レベッカ、さらに彼女の友だちのスペイン人と合コンみたいな飲み会を開く。それが終わったらブラジルに逃げようと思っていたが、カイノの組織に居場所を突き止められていた。果たして2人はどうなってしまうのかーーというのが適当なあらすじ。

疑似的な兄弟愛

ネットフリックスで配信が始まったので鑑賞。疑似的な兄弟愛みたいなんを描きつつ、その対象である、ジャックとルドヴィコの関わりにはそこはかとない同性愛的な雰囲気も感じてしまった。

まぁ同性同士の友情や絆ってのは、同性愛的な何かを孕んでいることを俺は否定しないので、それはそれで別に良くて、ただ、登場人物たちがイタリア人であるせいか、よけにそれの色濃さを感じたのは確か。これが日本人だったら、あそこまで濃厚さを感じることはなかったように思うのだ。

この二人がなぜに友情を育むまでに絆を深めたのか。それは劇中のセリフにもあるように、お互いに孤独だったからなのだろう。

彼らが親密になっていくにつれ、ルドヴィコは少しずつ成長していく。結果として、ジャックの助けがあるとはいえ、レベッカとお近づきになれるわけで、ジャックもレベッカの友だちのスペイン人女性と親密になっていって、なかなか幸せそうな姿が終盤で描かれる。

その一方、カイノの組織はジャックの眼前に迫ってきていて、その不穏な描写と上述の幸福なシーンが対比となり、きっと不幸な結末を迎えてしまうんだろうなぁという予感が鑑賞している最中にも、ビンビンと伝わってきた。

そして、その予感は的中しちゃうのである。

ボスのカイノが非常に嫌な奴。悪役としての魅力もない

その話は後述するとして、先にカイノ側のお話。このボスは非常に嫌な奴で、こんな人間にはついていきたくないと思わせる、かなりのクソ野郎。力で部下を御しているため、人望もまったくない。ジャックに金を奪われたマリオを慈悲もなく殺すし、しかもマリオの奥さんも力で自分のものにしちゃっているという。

また、マリオの同僚だったマルツィオと彼の親友のA(名前忘れた)も、それぞれにボスに反感を抱いているが、仕方なく従っているだけ。唯一、殺し屋のブセッティとかいうヒゲが、有能かつ彼の忠実な犬として働いているように見えるが、実はそんなことはなくて、ブセッティがボスを殺すことになるわけだから、カイノがどんだけ人望がない男だったかは推して知るべしな感じ。

悪役には悪役なりの魅力を感じるキャラっていると思う。だけど、この人物にはそういうもんは、微塵も感じないので、劇中でもっとも死んでほしい登場人物の一人ですな。

マルツィオとAが、カイノに命じられてジャックを捜索するんだけども、彼ら二人の会話はほとんど、カイノとブセッティの悪口。この会話は分かりやすすぎる伏線で、彼らがカイノに対して反旗をひるがえすんだろうなぁと思ってたら、だいたいその通りになった。

ジャックの居所を見つけてカイノに報告したAだが、カイノはそれをAの功績とは認めない。んで、見せしめにマルツィオを殺しちゃうのだ。Aを殺さなかったのは、彼の父親に、カイノは借りがあるからだという。

てなことで、仲間を殺されたAがカイノに復讐を誓うのは当然と言えば当然。Aを殺さなかったカイノに対して、ブセッティは「殺したほうがよかったのに」と述べていたが、まさにその通りで、カイノは情もない男の癖に、無駄に仁義を貫いたおかげで、死ぬことになるんである。ざまぁみろ。

展開が予定調和に感じる部分も多いが…

ちなみに、Aの死にざまはバカ丸出し。ジャックとルドヴィコを拷問にかけようとしてるボスに近づき、背後から襲い掛かって、マリオやマルツィオの仇討のため、ボスの両足を撃ち抜いちゃう。

さらに、これまでの父と自分の恨みを晴らすため、ボスを痛めつける満々になってたけども、どう考えたってあの状況では近くにブセッティがいるに決まってるのに、そちらに対する警戒心が皆無。どうせ後ろからブセッティに殺されるんだろうなと思ってたら、本当にそのようになっちゃう(笑)。

それによって、カイノは窮地を脱したように見えて、ブセッティの裏切りにあって速攻殺されちゃうのも、なんか予想通りの展開。残されたブセッティはジャックとルドヴィコを殺せばいいので、それをしようとしたら、ルドヴィコの銃撃によって死亡しちゃうのだ。どいつもこいつも詰めが甘いねぇ。その辺の展開は予定調和的な感じがしてあんまりおもしろくないし、ジャックが死んじまうのも、予想の範囲内。

ただ、ルドヴィコはどうなったんだろうね。一命をとりとめてレベッカと交流しているシーンでも出てくるかなと思いきや、そんな描写はなく、劇終。死んだのかな?

仮に死んだのだとしたら、彼はジャックによって、うだつの上がらない人生から脱却するための勇気を得たわけで、その成長によって死ぬことになったというわけだな。なんとも皮肉。

てなことで、、腐したような部分が多い記事になっているが、思っていたよりも楽しめた佳作であった。それはおそらく、破滅的な結末を迎えることが予想されるが故に、その過程における2人の関わりが、美しく感じられたからだと思われる。

この作品はネットフリックスで鑑賞できます。

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