ジョーズ87(ジョーズ4)復讐篇
シリーズ4作目。ホオジロザメに襲われ続けるブロディ一家の最後の戦いが描かれる。ネタバレあり。
―1987年公開 米 90分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:人間を襲う恐しい人喰いザメが熱帯のバハマに出現するというサスペンスでシリーズ第4弾。製作・監督は「マッカーサー」のジョセフ・サージェント、脚本はマイケル・ド・ガズマン、撮影はジョン・マクファーソン、音楽はマイケル・スモール、プロダクション・デザイナーはジョン・L・ロイドが担当。出演はロレイン・ゲリーマイケル・ケインほか。(KINNEOTE)
あらすじ:過去2度、巨大なホオジロザメに襲われたアミティの町。クリスマス・イヴの夜、サメの犠牲者となったブロディ警察署長の未亡人エレン(ロレイン・ゲリー)は、父の遺志を継いで保安官補となった次男ショーンと2人暮らしをしていた。長男のマイケル(ランス・ゲスト)は、家庭をもち、バハマの海で海洋研究の仕事についていた。夜の海洋パトロールに出たショーンが、突然巨大なサメに襲われ海の中に姿を消した。最愛の息子も失ったエレンの驚きは悲惨をきわめた。かけつけたマイケル、妻カーラ(カレン・ヤング)、それに孫のシーアを前に、エレンは深い悲しみに沈んだ。生気を失った母のためにも、マイケルは暖かいバハマの家に母を呼びよせた。彼女の気分をなごませたのは、海上セスナ機タクシーのパイロット、ホーギー(マイケル・ケイン)だった。サメに襲われる夢にうなされる日々が続くエレンに少しずつ希望の光が見えようとしていた。マイケルは、バハマの沖合で巻き貝の生態を研究しているジェイク(マリオ・ヴァン・ピーブルス)に協力していた。ジェイクは、この仕事が成功すれば大学の博士号が得られるのだ。その実験中、彼らに巨大なホオジロザメが襲いかかってきた。8メートルもある巨大なものだ。この事実にジェイクもマイクルも首をひねった。ホオジロザメは熱帯の海には生息しないというのが海洋学の鉄則だったからだ。初めての出会い以来ホーギーとエレンは好意を持ち始めていた。カーニバルの夜、2人はすべてを忘れて楽しんだ。数日後、あのホオジロザメが、海水浴を楽しんでいる人々を襲い始めた。その中にシーアがいた。危機一髪のところで助け出されるシーア。孫の姿を見てエレンは言った「サメを殺す」--1人ヨットで海に出たエレンをマイケルは、ジェイ汐と共に、ホーギーのセスナ機で追った。やがてエレンのヨットを発見した彼らは、着水し彼女を助けようとするが、逆にジェイクがサメにひきづりこまれ海の中に消えていった。ヨットの上の3人とサメの闘いが始まった。海の奥からヨットをめがけて攻撃してくるサメを、3人はみごとに仕とめるのだった。(KINENOTE)
監督:ジョセフ・サージェント
出演:ロレイン・ゲイリー/マイケル・ケイン/カレン・ヤング
ネタバレ感想
スピルバーグ監督による一作目は非常に面白いモンスターパニック映画だが、2作目以降はどんどん内容が酷くなる。特に3と4は酷いもので、こうやってあらためて鑑賞してみると、地上波で放映されていた今シリーズを、10代の頃はよくまぁ楽しんでいたものだと思っちゃう。
それだけつまらん大人になったのだということもできるが、つまらんものはつまらん。で、こうして4作品見返してみるに、結局このお話は、ホオジロザメvsブロディ一家の戦いが描かれているのであり、続けて見れば、ストーリー的にはそれなりの落ち着きを見せて納得できなくもない。
物足りないのは、3以降はブロディ署長が出てこないところだろう。やっぱり、この作品はロイ・シャイダーがいるから面白いのである。今作でのブロディ署長は、心臓麻痺で死んでしまっているのである。なぜ心臓麻痺になったかというと、ホオジロザメによる恐怖のせいなんだとか。なんかの解説によると、3作目で息子のマイケルがサメに襲われたことを知ってのものらしい。
だから、今作において彼女の妻であるエレン・ブロディは旦那の死因をサメのせいにしているのだ。ついでに、この作品の冒頭で、次男のショーンがサメに食い殺される。で、エレンはサメが自分たち一家を殺そうとしているのだと妄想を始める。
それを一笑にふして相手にしない長男のマイケル。彼は自分の住むバハマなら、海も温かいのでサメはこないとエレンを説得し、移住させる。しかし、サメは襲ってくるのだ(笑)。そんなんあるわけないじゃんと思うんだけど、なぜかホオジロザメはエレンたちブロディ一家を追って、はるばるバハマの海までやってくるのである(笑)。
てことは、このホオジロザメは何作目か知らんけど、ブロディ一家に親を殺られているのだろうか。そんなんわかるわけねーだろボケ、と思うんだが、この作品はそうした設定によって成り立っている。
でまぁ、いろいろあって、エレンは覚悟を決めて、自らの手でサメと戦う決意をして、海に臨むのであったーー。にもかかわらず、彼女は何の策もなく船首に立ってサメを待つという意味の分からない行動に出る。そういうバカな行動のおかげで、けっきょくマイケルの仕事仲間がサメのえじきになるんだから、迷惑極まりないおばさんだ。
このラストの描写もメチャクチャで、どうやってサメが死んだのかよくわからない。どうやら、船のマストをサメにぶっ刺したぽいけど、何度観なおしても、そういうふうには観えなくて、撮影ミスなんじゃないのか。
ちなみに、このラストには何通りかあるらしく、ホオジロザメを爆殺して倒すラストもあるみたい。そっちだと、マイケルの仕事仲間はかろうじて生き残ってハッピーエンドなんだとか。俺がガキの頃に鑑賞したのはもしかしたらそっちだったかも知らんが、よく覚えてないし、どっちでもいい。ともかく『ジョーズ』は一作目が素晴らしい。あとは無理して観るほどでもないので、お好みで。
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