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映画 タイムチェイサー ネタバレ感想 ハーレイジョエルオスメント(笑)

タイムチェイサー
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タイム・チェイサー

子どもの頃に姿を消した父親と再会するためにタイムトラベルの研究を進め、見事父親と再会。その後、彼はどんな選択をするのか。ハーレイ・ジョエル・オスメントのおじさんぶりに驚いちゃうタイムリープ作品。ネタバレあり。

―2013年製作 加 93分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:「シックス・センス」のハーレイ・ジョエル・オスメントが、姿を消した父親と再会するためタイムトラベルに挑む息子を演じたSFドラマ。出演は、「ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬」のジリアン・アンダーソン。監督・脚本は、「Amal」のリッチー・メタ。『未体験ゾーンの映画たち2015』で上映。(KINENOTE)

あらすじ:忽然と姿を消した物理学者の父親と再会するため、エロル(ハーレイ・ジョエル・オスメント)はタイムトラベルに挑む……。(KINENOTE)

監督・脚本:リッチー・メタ
出演:ハーレイ・ジョエル・オスメント/ジリアン・アンダーソン/ルーファス・シーウェル

ネタバレ感想

アマゾンプライムで見つけて鑑賞。ハーレイジョエルオスメントって『6センス』の子役の人だよね。その後、『AI』なんかに出てたと思ったが、成長した彼を観たのは初めてかも。冒頭から胸毛ボーボーの姿を見せてくれて、驚き。

子どもの頃の面影はけっこうあって、表情は当時を彷彿とさせるものの、全身に体毛が炸裂してる外見に、申し訳ないんだが笑っちゃったし違和感ありまくり。おじさんなのか青年なのか、よくわからんのである。

そんな彼の母親役を務めるのがジリアンアンダーソン。この人は『Xファイル』のスカリー捜査官だよね。でも、当時の彼女よりは当然老けているし、瘦せこけてるので鑑賞してるときは彼女だとは全然わからなかったなぁ。

そしてそして、父親役は目力が特徴的なルーファスシーウェルと。この人は個人的にはもう、『ダークシティ』一択だね。名作。ほかは知らん。

てなことで何でこの作品を鑑賞したかというと、タイムリープ関連の作品が好きだから。この作品では終盤にタイムリープが行われるわけだが、そのマシンがいかなるもので、どのような原理で過去に行けるのかなど、装置の説明はない。いかにして過去に戻るかという研究を進めている描写はあるものの、装置の存在がほとんど語られない。

では、タイムリープできる原理についてはどうかというと、そんなものに対する言及もない。その辺はどうでもいいのだ。この作品においては。おそらく描きたかったのは、過去の記憶を書き換えることで今の人生を変えるか。それとも、今の人生をそのままに生きるか。その選択について考察させるような内容なのである。

であるから、主人公の髭青年エロイはタイムリープして過去に消えて、しかもその過去で死んでしまった父親の人生を変えるために時間移動に執着するのである。なぜなら、父が生きている世界線をつくり、今の自分の人生に上書きをすることで、今の自分の不幸を回避できると考えているから。

回避できれば、母親も自殺することはなくなる。ついでに、彼の幼馴染の恋人、のちの奥さんが流産することまない。

髭青年は父親が失踪したのちの全てを書き換えたいのだ。つまりこれは、他者に対する愛情を取るか、自分の自己本位な、まさにエゴむき出しな願望を選択するかの物語なのである。

エゴむき出しの願望が仮に成就した暁には、今の彼女の人生すらもよきものになっているはず。母親も死なずにすんでいるはず。父も現代に生きているはず。それが彼の望む世界線なのである。

これは彼の父親も同じで、エロイが未来からわざわざやってきても、自分のやろうとしていたことを変えようとしない。彼の性格を知り尽くしているエロイは、だからこそ自殺するのである。愛する身内をなくすことでしか、父の気持ちを変えられないとわかっているから。二人は似たもの同士なのである。

他者の存在は不問なのだ。どうでもいいのである。これは今、自分が生きている瞬間の他者の存在に対する冒とくとも言える。なぜなら髭青年は、上書きされた人生の中でいる他者が、今の他者と同一のものになると信じて疑っていないからだ。しかし、なぜそんなことが確信できるのか。そこに対する苦悩や疑問がないところが、この髭青年の思慮の浅い部分であり、俺はそこに共感ができなかった。

で、過去に戻った彼の選択はぶっ飛んでて、自分が自殺するのである。それで物語はおしまい。あとの結末は描かれない。彼は自分が死ぬことで父を心変わりさせることに成功したんだと思うが、けっきょくその後がどうなったのかわからないで終わっちゃうのはいかがなものか。

くりかえすが、なぜエロイは自分が自殺したことで上書きされる人生を生きるエロイが、今、現に存在している自分と同一の存在として生きることを確信できていたのか。この手の時間移動作品でいつも俺が疑問に感じるのはそこなんだが、たぶん、何を言ってるかわからん人も多いと思うので、この話はやめる。

まぁほかにもいろいろ言いたいことはあるんだけども、そもそも時間移動系の作品ってのは何らかの矛盾が出てくるのは確かで、そこをいかにそれらしく見せるかにかかっているとも言えるが、そもそもそんなのは無理なのだ。

であるから、今作の、人生の選択をめぐる話をテーマにしているのは、それはそれでよいことだ。そのテーマを描くには時間移動の要素を持ち出すと非常に伝わりやすいからね。しかし、その要素があまりにも適当すぎると、そこにばかり不満がいっちゃって、しかもテーマをうまく描けていないように感じちゃうという、何ともヘンテコな作品であった。

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