パラドックス PARADOX
この手の時間移動系作品にしては珍しく、きちんと納得できるラストになっていて感心した。だからといって面白い作品ってわけではない(笑)。それによく考えると、おかしな点も残っている。スタントアクションのできるゾーイ・ベルが主役だけども、車のルーフにしがみつくようなシーンはないです(笑)。ネタバレあり。
―2016年製作 米 89分―
解説と予告・スタッフとキャスト
解説:タイムトラベルの開発チームに属する科学者が1時間先の未来にリープし、ショッキングなニュースを携えて現在に戻ってくる(netflix)
予告
(出典:PARADOX Official HD Trailer)
監督:マイケル・ハースト
主演:ゾーイ・ベル
感想
いきなり突っ込みどころ
冒頭、ランディ(確かそんな名前)が母親と電話するシーン。あんな説明で伝わるわけないだろ。新手の俺俺詐欺かよ。自分を電話に出させたいなら、別の人間になりすまして呼び出してもらえばいいと思うんだが(鑑賞した人には俺が書いていることの意味がわかると思います)。
ついでにこれも序盤。国家安全保障局の奴らは、なんであんな目立つところに車を置いて、主人公たちを見張っているんだろうか。あんなことしたらバレバレだろ。張り込みするならもう少し目立たないところから監視しろや、と思わずにはいられませぬ。
ところが、主人公側も主人公側で、車の中から見ている奴がいることには気付いてるっぽいのに、スルーw 主人公たちは犯罪をしようってわけではないから、そんなに警戒する必要性を感じてないってことなんかな。
謎が解明されるとこは評価したい
てなわけで、時間移動系のサスペンス。上記のように、ところどころ間抜けなシーンはあるものの、技術士のジムが一時間後の世界にタイムトラベルしたことによって噴出する数々の謎が、物語を追って行くうちに少しずつ解明されていくところなんかは、いいと思う。
全体的に面白いわけではないんだが、特におかしなところもなく納得できるラストにしているところには好感を持った。一応、お前が犯人だったのか! というようなオチもあるし。
そう考えると、この映画は鑑賞者に対してなかなか親切につくられている。この手の作品って意図的に説明しなかったり、作ってる側も何も考えてないんではないかと思うくらい適当な内容のものがけっこうあるからね。その意味では、個人的な好感度は高い作品であった。
観賞時の注意
てことで、この作品をまだ観てない人にいいたい。1回ですっきり全ての謎を理解して観賞を終えたい場合は、登場人物の中の、ビルとジムとランディの3人、こいつらをきちんと区別して、やっていることに注意を払って観ることをオススメする。
何でかというと、こいつら全員白人の無名役者が演じているうえ、髪型や輪郭などが似ているため、引きのカットだと顔の区別がつかんのである。
で、区別がつかないまま、それぞれのキャラがどういう奴なのか理解ができずに話が進んでいくと、そのせいで内容が混乱してくるので、注意。そんな間抜けはひょっとして俺だけかもしらんが(笑)。
その後のジム(ネタバレ)
だが、一個だけ説明不足と思われるシーンもある。作品内で、ジムが何人か出てくるけども、本筋のジムAが、あの後どうしたのかが描かれない。俺の推測では、彼は1時間前からやってきた別のジムBが自分の世界に戻ったあと、ランディが旅立った過去の世界に移動したはずである。で、ランディを殺害してその時間に残り続けて、タイムマシンを動かす時間を待ったんだと思われる。つまり、あの作品の殺人者は過去から来た人であり、未来の人でもあるということだろう、たぶん。ややこしくてこんがらがってくる。
話はまだ続きます。
1回の観賞ではさっぱりわからない作品↓
説明不足な作品↓
作品とは関係のない疑問
ちなみに俺は時間移動系の映画が好きで、いろいろ探して観賞している。なぜ好きかというと、存在に対する私的な疑問を人に伝えるための材料になるから。で、この映画でも、そんなシーンがあった。
それは、最初に時間移動をするジムが、もとの時間に戻ってきてから出会う殺人鬼の自分を、まるで同一人物であるかのように認識していることだ。
ジムは殺人鬼ジム(ジムB)に向かって「俺たちは」というセリフを吐く。これはもちろん全然間違っているわけではなくて、そう言いたくなるのはわかるんだけども、俺が言いたいのは、何で同じ存在が同じ時空間に2人いるのに、そいつらが同一人物(厳密には同一の存在)だと思えるんだよってことだ。それって全くの別人だろと。
たぶん、俺の言っていることが上記の説明では意味わからんと思うので、もうちょっとクドクド紹介しようと思ったけど、興味がある方は下記の記事を読んでください。
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