GONIN サーガ
―2015年公開 日 129分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:バブル崩壊で世間からはみ出してしまった五人の男たちが仕組んだ強盗計画の顛末をスタイリッシュな映像で写した1995年の作品「GONIN」のその後を描くバイオレンス・アクション。「GONIN」で描かれた事件を追うルポライターの出現により、当時襲撃された大越組幹部の遺児たちの運命が動きはじめる。監督は「GONIN」に続き「ヌードの夜」の石井隆。大越組若頭だった久松の遺児を「クローズEXPLODE」の東出昌大が演じるほか、「オカンの嫁入り」の桐谷健太、「さくらん」の土屋アンナ、「フィギュアなあなた」の柄本佑、「キッズ・リターン」の安藤政信らが出演。また、根津甚八、佐藤浩市、鶴見辰吾が「GONIN」と同じ役で出演している。(KINENOTE)
あらすじ:五人の男たちが広域指定暴力団五誠会系大越組を襲ってから19年後、五誠会は初代会長・式根の孫にあたる誠司(安藤政信)が三代目となり、勢力を伸ばしていた。19年前の事件で命を落とした大越組若頭・久松の遺児・勇人(東出昌大)は建設作業員として働き堅気の道を行き、大越組組長の遺児・大輔(桐谷健太)は誠司の用心棒をしつつ、いつか組を再興させたいと願っていた。ある日、勇人の母・安恵のもとに富田と名乗るルポライター(柄本佑)がやってくる。19年前の事件を追う彼の出現により勇人らの運命が動きはじめ、誠司の愛人である元アイドル(土屋アンナ)を巻き込んだ新たな戦いが始まる……。(KINENOTE)
監督・脚本:石井隆
出演:東出昌大/桐谷健太/土屋アンナ/柄本佑/安藤政信/テリー伊藤/井上晴美/根津甚八/鶴見辰吾/竹中直人/佐藤浩市
ネタバレ感想
レジェンド級作品(俺の中で)『GONIN』の石井監督がまさかの続編をつくるとは…。てなことで、ストーリー的にも前作の続き。キャストもけっこう豪華だし、前作とは違うキャラで竹中直人が出演。さらに、佐藤浩市や鶴見辰吾もチラッと出てくる。中でも一番の驚きは根津甚八が出ているところだ。
確か、病気か何かで役者業から引退してて、この作品で一度だけ復帰して、その後、亡くなっちゃってるはず。今作の根津氏はもちろん面影はあるんだけど、別人に見えちゃった。
彼の演じた氷頭は前作で死んでたはずなんだけど…と思ったら監督が、生きていたことにして再出演をお願いしたらしい。へぇそうなのか。この人が登場というかチームに加わる前は、『YONIN』じゃねーかよ、と思ってたけど、しっかり『GONIN』になってくれてよかった(笑)。
で、内容なんけども、序盤は前作つまり19年前の話なども散りばめて、今作の主要人物たちがどのような立場で、その後の月日をどう過ごしてきたのかという説明に費やされる。なので、物語が動き始めるのは結構時間が経ってからになる。
前作を観てない人がこの作品だけ観てもわかるようにするには、このくらいの説明は必要だろうし、それなりに筋が通った内容にはなっていると思った。ただ、やっぱり前作がすごすぎたために、インパクトとしてはちょっと弱め。なんというか、役者たちも、前作のほうがギラギラした感じがあってみんなカッコ良かったなぁと思ってしまう。
まぁそれは、俺が年を取ったからそう思うのかもだけど、安藤政信はまだしも、東出氏と桐谷氏が何か物足りない。この2人はイケメン枠でもあると思うんだが、前作の本木雅弘の存在感に比べるとだいぶ弱い。そして、桐谷氏ってこういうチンピラっぽい役やると、全部同じ感じがしちゃってね。ついでに、竹中直人も前作ではよかったけど、今作の殺し屋兼探偵役は、なんか無駄に喋りすぎてて怖さが感じられないし、さらに大して強くもなくて、前作のビートたけしと比較しちゃうと格段に落ちる…。
ついでに、今回の5人組には女性が入ってて、これが前作の佐藤浩市(万代)の娘なんだけど、これを土屋アンナが演じている。元アイドルって設定で、初出時は別のもう少し若い女優が演じているんだけど、19年後の登場時には声も雰囲気も全然違う土屋アンナが演じてるもんだから、同一人物と認識するのに少し時間がかかる(笑)。
さすがに、やさぐれ感出しすぎだろと思いもしたし、この女優さん(歌手?)には全く興味がなくて、今回初めて演じているのを見たんだけども、何度か彼女の後ろ姿を下からあおって映してるシーンがあって、ふくらはぎが引き締まっててすごいなと思った(笑)。
てなことで、観なきゃよかったと思うほどつまらなくはなくて、最後まで退屈せずに鑑賞できたものの、10年以上も経てから、あえて続編をつくる意味があったのかはよくわからない。
コメント