オーロラの彼方へ
『オーロラの彼方へ』なんて邦題なもんだから、南極とかを探検する感動の作品かと思ってて、あんまり興味がないので敬遠してたら、ぜんぜんそんな内容ではなくて、俺の好きな時間移動系の作品だった(笑)。原題は「周波数」みたいな意味らしい。
ー2000年公開 米 117分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:「インナー・スペース」のデニス・クエイドと、「シン・レッド・ライン」のジム・カヴィーゼルが、時を隔てて協力し合う親子を演じるファンタジーサスペンス・ヒューマンドラマ。脚本は「オースティン・パワーズ ゴールドメンバー」のトビー・エメリッヒ。監督は「真実の行方」のグレゴリー・ホブリット。(KINENOTE)
あらすじ:恋人との別離に苦悩する刑事ジョン(ジェームズ・カヴィーゼル)にとって、30年前に殉職した消防士の父フランク(デニス・クエイド)は、誰よりも妻を愛し、息子のジョンを「リトル・チーフ」と呼び、とびきりの愛情を注いでくれたかけがえのない存在だった。もし父が生きていたら…そう思わない日は一日たりとてなかった。ある日、ジョンはクローゼットの奥から父の形見の無線機を発見する。オーロラの輝く夜、ある男との交信に成功したジョンは、無線機の向こうで男が自分の子供に「リトル・チーフ」と呼びかけるのを聞き、愕然とする。ジョンが無線機で交信した男は、なんと30年前に死んだ父フランクだったのである。くしくもその日は消防士の父が救助中に事故死する、まさにその前日であった。ジョンは必死にフランクに別の脱出ルートを使えば助かることを伝える。翌日、無線機の前で祈るジョンの目に信じられない光景が映った。机の上に彫り込まれていくメッセージ…「まだ生きてるぞ」。それは未来が変わった瞬間だった。だが、このことによって全く予想もしなかった大事件が発生してしまうのであった…。(KINENOTE)
監督:グレゴリー・ホブリット
出演:デニス・クエイド/ジム・カヴィーゼル
ネタバレ感想
てなことで、時間移動系ーーと言っちゃうのはちょっと違うのかもだけど、過去の人物と無線を通じて交信できるようになった人物が、過去の人物に未来の情報を与えて、自分たちの人生を変えようと奮闘する物語。
最初の予想では、ジョンが親父のフランクの事故死を防ぐことで、未来を変えるんだけども、いろいろあって二人は同じ時間では再会できずじまいになって、感動的なお涙頂戴ラストで劇終するんだと勝手に思っていた(笑)。
ところが俺ごときポンコツ頭で考えられるストーリーの上を行くないようだったので、なかなか満足できた。親父が助かったと思ったら、今度はジョンの母ちゃんが殺人鬼に殺されて死んでまうのである。そいで、過去の親父と現在のジョンが協力して、母ちゃんも助かるルートをつくるべく、奮闘する。その結果、全員生き残りのハッピーエンドルートを開拓して、めでたしめでたしで劇終できる。
時間移動に関する話なので、その点に関するおかしな部分があるのは仕方ない。たとえば、そもそもどうして、オーロラの影響で、彼らだけの交信がつながったのかとか、彼らが歴史を変えるたびに、並行世界が生まれていることになるか、それとも歴史を変えるたびに彼らが別の並行世界に移動しているかのどちらかのはずなのに、その辺を説明する描写が一切ない。
ないんだとすれば、物語上の世界は並行世界のない、時間軸を戻っては過去を上書きしていく世界なんだと思うんだけど、そうだとして、何でジョンにしか上書き前の記憶が残らないのかとか、いろいろある。そこを不問にすれば、サスペンスな展開に最後まで引き込まれる、優秀な作品であった。
ただ、ちょっとあれなんは、親父と成人した子供の関係で、あんな恥しげもなく「愛してる」「会いたい」とか言い合っちゃう姿を見ていると、なんかムズムズしてきちゃって、要するに、観ているこっちのが恥しくなってくるのである(笑)。
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