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映画 悪魔を憐れむ歌 ネタバレ感想 アザゼルVSデンゼルワシントンのラスト

映画 悪魔を憐れむ歌
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悪魔を憐れむ歌

―1998年公開 米 125分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:黒人刑事と彼に取り憑く悪霊との闘いを描いたホラー。監督は「真実の行方」のグレゴリー・ホブリットで、彼の劇映画監督第2作。脚本は「水曜日に抱かれる女」(監督)「マチルダ」(脚本)のニコラス・カザン。製作は「12モンキーズ」のチャールズ・ローベン、「天使にラブソングを2」のドーン・スティール。製作総指揮はローヴェン、スティールと共に本作の製作会社アトラス・エンターテインメントを設立したロバート・カヴァロ、テッド・カーディラ、脚本のカザン、イーラン・ダーショヴィッツ。撮影は「ブラッド&ワイン」のニュートン・トーマス・シーゲル。音楽は中国を代表する音楽家タン・ドゥンで、ローリング・ストーンズの名曲「Time Is On My Side」「Sympathy for the Devil」が劇中で使用される。美術は「エグゼクティブ ディシジョン」のテレンス・マーシュ。編集は「暗殺者」のローレンス・ジョーダン。衣裳は「マーズ・アタック!」のコリン・アトウッド。タイトル・デザインは「スポーン」のカイル・クーパー。主演は「天使の贈り物」のデンゼル・ワシントン。共演は「バートン・フィンク」のジョン・グッドマン、「評決のとき」のドナルド・サザーランド、「マチルダ」のエンベス・デイヴィディッツ、「クラッシュ」のエリアス・コーティアスほか。(KINENOTE)

あらすじ:敏腕刑事のジョン・ホブス(デンゼル・ワシントン)は、自身が逮捕した連続殺人犯リース(エリアス・コーティアス)に呼び出され、処刑に立ち合う。意味不明な呪文を唱え、彼の手を握った後、「俺は戻ってくる」と不気味な言葉を残してリースは死んだ。だが、その直後から、犯行現場に謎のメッセージを残す、リースと同じ手口の連続殺人が続発。捜査が進むうち、名刑事でありながら殺人容疑をかけられ、謎の死を遂げたロバート・ミラノ警部補の名前が浮かぶ。ホブスは真相を知るべくミラノの娘で神学教授であるグレタ(エンベス・デイヴィディッツ)に会うが、彼女は多くを語らない。上司のサントン警部補(ドナルド・サザーランド)も口を閉ざす。ホブスはミラノが死んだ山荘でAZAZEL(アザゼル)の言葉を発見する。グレタを再訪したホブスは、アザゼルとは荒野の悪霊の意味で、それは接触することで人から人へ憑依していく邪悪の化身で、今回の連続殺人の元凶だと聞かされる。信じられないホブスだったが、事件はさらに続き、アザゼルは彼自身を犯人に仕立て上げて追い詰めていき、ついに同居人の愛する弟の命を奪う。唯一の理解者でパートナーのジョーンジー刑事(ジョン・グッドマン)の連絡で、逮捕される寸前にホブスは幼い甥を連れて身を隠す。かくして、ホブスは甥をグレタに託し、自身は雪深いミラノの山荘に籠もる。そこへサントンとジョーンジーが追ってくる。ジョーンジーに憑依したアザゼルがサントンを殺し、ホブスに迫る。だが、ホブスはその前に毒を飲み、彼の前で自ら命を絶った。罪なき人々からアザゼルを引き離すため、ホブスは自身を犠牲にしたのだが、アザゼルは滅びなかった……。(KINENOTE)

監督:グレゴリー・ホブリット
出演:デンゼル・ワシントン/ジョン・グッドマン/ドナルド・サザーランド

ネタバレ感想

かなり昔に地上波の深夜枠かなんかで放映されていて、ラストの顛末が印象深かった作品。最初から普通の刑事ものとは異なる雰囲気を漂わせていて、謎めいた展開の中で中盤くらいにはデンゼルワシントン=ホブスが追う連続殺人の犯人は悪霊というか悪魔=アザゼルであることが判明する。

アザゼルは旧約聖書に出てくる堕天使の名前らしい。神の創造した人間に対して挑戦をしてくるということは、神にも敵対しているわけで、だから堕天使と位置付けられているのだろう。アザゼルには肌接触した人間の体と心を乗っ取れる能力がある。アザゼルが執拗に狙う相手は直接肌に接触しても自身が乗り移れない人間だ。乗り移れない人間は、人格的に高潔、道徳心にあふれた人物であるようだ。

本作でそれにあたるのが、ホブス刑事であり、グレタの自殺した父親だ。アザゼルはそうした高潔な精神の持ち主に対して、自身の脅威を見せつけ、相手を孤立無援にしてこの世から消そうとする。なぜ高潔な精神の持ち主を狙うかというと、それが神への挑戦になるからだろう。そうした人間を始末し続けることで、彼は人間社会を支配しようと目論んでいるようだ。劇中にもそうしたセリフが出てくる。

そのセリフを見て、俺は何とも気の長いことをやっている悪霊かと思わずにはいられなかった。こいつ、旧約聖書に登場してたってことは、紀元前からそんなことをやってたんかと思ってまう。しかし、考えようによっては、それだけの時間をかけて、神の意志に準じているような人間を減らしてきたからこそ、現代のこの社会が神の意志が反映されていない世の中になり果てているのかもしらん。

もしくは、そもそも神や悪魔なんてのが存在するなら、人類の歴史の以前から存在したわけで、そうだとするなら彼らの時間概念から考えれば人類の数千年なんて、一瞬の時間の流れのようなものなんかもしらぬ。

でまぁ、この作品の恐ろしいシーンはやっぱり、ホブスがアザゼルの正体を嗅ぎ付け、奴の正体を知った時に起こる、アザゼルからの挑発シーンだ。目の前の通行人に乗り移り続けて自身の存在をアピールするアザゼル。それを目の当たりにするホブスはこの世ならぬ存在を知り戦慄する。あれはマジで怖い。あんなんに勝てるわけないと思わせるに十分な描写であり、今作の見どころでもある白眉なシーンである。

ところがホブスはめげない。刑事である彼は、喧嘩相手のリサーチを進めながら、これまでの経験を生かして奴との闘いの場を決めて、殺された弟の仇を討つべく奴を迎え撃つのだ。それだけに、ラストのシーンは悲しい。

あれだけ心を折らすことなく頑張ったホブスはアザゼルを出し抜いたつもりでいたし、アザゼルも出し抜かれたことを認めるものの、勝利には至らないのである。なぜなら、アザゼルは人間以外の生物にも乗り移れるからだ。アザゼルは猫の心身を乗っ取り、存在し続けるのである。

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