ストレイ・ドッグ(2018)
ニコールキッドマンが特殊メイクをしてブスでアル中の刑事を演じる犯罪映画。ニコールキッドマン扮するエリンがダメ人間すぎるし話がメチャクチャで面白くない駄作。ネタバレあり。
―2018年製作 米 121分ー
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:ニコール・キッドマンが初の刑事役に挑んだネオ・ノワール。ロサンゼルス市警の女刑事エリンの元に届いた一通の封筒。それは17年前、FBI捜査官クリスと共に犯罪組織への潜入捜査を行った際、ある過ちを犯し取り逃がしてしまった組織のボスからの挑戦状だった。共演は「ワイルド・ストーム」のトビー・ケベル、「ボストン・ストロング ダメな僕だから英雄になれた」のタチアナ・マズラニー、「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」のセバスチャン・スタン。監督は「インビテーション」のカリン・クサマ。(KINENOTE)
あらすじ:ロサンゼルス市警の女刑事エリン・ベル(ニコール・キッドマン)。17年前、FBI捜査官クリス(セバスチャン・スタン)と共に砂漠地帯に巣食う犯罪組織への潜入捜査を命じられた彼女は、そこで取り返しのつかない過ちを犯し、捜査は失敗。その罪悪感が今なおエリンの心を蝕み続けていた。今では酒に溺れ、同僚や別れた夫、16才の娘からも疎まれる孤独な毎日を送っている。そんなある日、エリンの元に差出人不明の封筒が届く。その中身は紫色に染まった1枚のドル紙幣。それは行方をくらました17年前の事件の主犯からの挑戦状だった。エリンは過去に決着をつけるため、犯人を追う野良犬=ストレイ・ドッグと化し、灼熱の荒野へと車を走らせる……。(KINENOTE)
監督:カリン・クサマ
出演:ニコール・キッドマン/トビー・ケベル/タチアナ・マスラニー/スクート・マクネイリー/ブラッドリー・ウィットフォード/セバスチャン・スタン
ネタバレ感想
ブスメイクのニコールキッドマン
ネットフリックスで見つけて鑑賞。ニコールキッドマンが特殊メイクみたいなのをしてブスでゲスな女刑事を演じるってなことで、公開当時、少しだけ話題になってた記憶がある。
ブスなニコールキッドマン観たい人なんて別にいないだろうから、なぜあんなメイクをする必要があったのかよくわからん。美人がブスを演じると言えば、シャーリーズセロン『モンスター』っていうスゴイ映画がある。
あれはシャーリーズセロンがブスでゲス人間を演じることに物語的な必然性があったし、内容にも重みがあっていい作品だ。しかし、今作はダメ。
結末にサプライズがあるものの…
女刑事、エリンは過去に潜入捜査に失敗してしまって、その時に恋人でもあり、潜入捜査仲間でもあったクリスを死なせてしまってて、そのせいで堕落し、アル中になっちゃっているという設定。
で、その潜入捜査していた対象の極悪人、サイラスが17年ぶりにエリンを挑発するような贈り物をしてきたので、怒りに燃えたエリンは執念で彼の足取りをたどり、過去を清算しようと試みる。
そんで、現在においてはサイラスの居所を突き止める展開が続き、その間に、過去の潜入捜査時代の話を織り込んでいく構成になってる。そんで、ラストのシーンが実は冒頭のシーンと時系列的にはつながってて、ちょっとしたサプライズ展開が待っているというもの。
そのサプライズってのは、冒頭に出てくる死体がサイラスで、それを殺した犯人が実はエリンだったーーてなことなんだけど、その描写に驚かされはしたが、作品自体を高評価する助けにはなっていない。
サイラスに対する逆恨みじゃん
なんでかっていうに、この作品ってサイラスが極悪人でそいつに関わったせいでエリンが現在も悲惨な境遇に置かれてるってことならまだわかるんだけど、明かされる真相は単にエリンがクズ野郎だったってだけで、サイラスに対する憎悪は単なる逆恨みに見えちゃうんだよね。
もちろん、サイラスが悪人であるのは間違いないんだけども、エリンは捜査が成功しそうだったのに、欲に目がくらんだせいで捜査を失敗しているのであり、しかもクリスが死んだのも彼女が裏切ったからなわけで、サイラス関係ないだろ。
しかもそのサイラスが極悪人って設定にも無理があって、ところどころ彼の非情性を描写するシーンがあるにもかかわらず、役者さんの演技のせいなのか、ぜんぜん凄みがないタダのオッサンにしか見えない。
その組織も数人程度の単なる強盗犯であって、潜入捜査が必要なほどの組織には全然見えない。
終盤でエリンはサイラスと再会するわけだが、そこでも強者ぶりを示さずあっさり射殺されてるし、間抜けすぎだろ。しかもエリンもエリンで、17年も相手を恨み続けてたくせに、彼から挑発されなかったら今回の話は起きないわけで、ただ過去を悔やんでるだけで何もしてなかったアホでしかない。
汚いオバサンがジタバタしてるだけ
何もしてなかった間は酒を飲みまくってアル中状態だったようだが、作中で大酒をあおっているシーンがあまりないために、アル中感がさほどない。ただの容姿が汚いオバサンにしか見えないのである。
彼女は自分に懐かない娘の世話に手を焼いていたが、それも自業自得だろ。
ついでに言うなら、現在のほうの銀行強盗のシーン。警官2名を携えて颯爽と銀行に乗り込んで強盗団と対決してたが、中には一般人が大勢いるのにあんなのを独断でやっちゃったらクビになるんじゃない?
一般人が死んだとかの描写はなかったんでみんな無事だったんだろうが、こんな独断専行な人間を17年も雇い続けてる警察もだいぶイカれた組織でありますな。
ということで、汚いオバサンがジタバタしてるだけで、何の感情移入もできないし、何とも残念で楽しくない作品であった。
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