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映画 ただ悪より救いたまえ ネタバレ感想イジョンジェの殺戮マシーンぶりがよい

ただ悪より救いたまえ
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ただ悪より救いたまえ

引退を決意した暗殺者のインナム(ファン・ジョンミン)と、インナムに義兄弟を殺されたレイ(イ・ジョンジェ)がタイを舞台に血みどろの死闘を繰り広げるバイオレンスアクション。ネタバレあり。

―2021年公開 韓 108分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:「新しき世界」のファン・ジョンミンとイ・ジョンジェが7年ぶりに共演した韓国バイオレンス・アクション。引退を決意した腕利きの暗殺者と、その男に義兄弟を殺された殺し屋が壮絶な死闘を繰り広げる。「チェイサー」などの脚本を手がけたホン・ウォンチャンの監督第2作目。国家に捨てられた暗殺者インナムと彼を追い詰める殺し屋レイの苦悩を暴力描写とスタイリッシュなアクションで包み込み、センチメンタルでありながらもドライという独自の美学を追求している。バンコクでインナムを助けるユイ役にパク・ジョンミン、裏社会のヤクザ役として豊原功補や白竜が出演。(KINENOTE)

あらすじ:東京でのミッションを最後に、引退するはずだった暗殺者インナム。ところがかつての恋人がバンコクで殺害され、別れた後に生まれたインナムとの娘が行方不明だと知らされる。インナムはバンコクに飛び、関わった者を次々と拷問にかけて娘の居所を突き止める。そして、インナムに義兄弟を殺された殺し屋レイも、復讐のためにバンコクに降り立ち、死体の山を築きながらインナムに迫っていた。絶対に出会ってはいけなかった2人の男の暴走は、どちらかの息の根が止まるまで終わらない……。(KINENOTE

監督・脚本:ホン・ウォンチャン
出演:ファン・ジョンミン/イ・ジョンジェ/パク・ジョンミン/豊原功補/白竜

ネタバレ感想

チェイサーの脚本を書いたホン・ウォンチャン監督

今作の監督のホン・ウォンチャン氏は『チェイサー』『哀しき獣』の脚本を手掛けた人らしい。そう考えてみると、この作品のバイオレンス度にも納得。ちなみに初監督作は『オフィス 檻の中の群狼』だそうだ。あれも結構メチャクチャな内容だったよな(笑)。

バイオレンスアクション

ということで、義兄弟の絆が描かれたクライムサスペンスの傑作、『新しき世界』で共演した二人が、今度は殺し合いをするというところに期待して鑑賞してきた。

近年の韓国映画はアクションの見せ方がすごくて、劇場で鑑賞すると興奮度がすごい。インナムとレイがタイの市街でハチャメチャな殺し合いをする中に、タイの人身売買組織や警察も参戦してくるんだが、2人はこいつらをものともしないくらいの強者で、ほぼ雑魚扱いするような形で死闘を繰り広げるんである。

特にすごいのは、韓国のノワール作品の暴力描写は素手、鈍器、刃物などが凶器に使われることが多いんだが、今作では銃器や手りゅう弾などのドーグもけっこう登場してきて、中でも武装したレイがトゥクトゥクに乗ってインナムに襲い掛かってくるシーンからのタイ警察との銃撃戦は、銃弾の音などにも生々しい迫力があって素敵。

イジョンジェ=レイの殺戮マシーンぶりが良い

こうしたバイオレンス描写に興奮度を増す役割を果たしているのが、レイの存在だ。今回のファンジョンミンは娘を守るために奮闘する親父であり、その使命を果たすために狂的な活躍をするんだけども、それを上回る狂気を見せてくれるのがイジョンジェなのである。

『新しき世界』ではヤクザ組織に潜入する捜査官でありながら、組織で絆を深めた兄貴分との関わりに苦悩する抑え目な演技だったが、今回では暴走特急状態の演技で、ともかく人間としての良心なんて欠片もないような過激な殺し屋ぶりを発揮して、ファンジョンミンの存在を凌駕しちゃってるように見えるのだ。

俺は鑑賞してないんだけども、メチャクチャ話題になってる『イカゲーム』の彼を知ってる人も、彼の演技のギャップには驚いちゃうだろうと思う。

彼は義兄弟を殺した仇討としてインナムを執拗に追いかけまわしてたのに、終盤のほうでは、そんな理由なんてどうでもよくなって、ただもう、インナムを殺すことだけが存在理由という、ターミネーターばりの殺戮マシーンと化していくのだ。

ともかくこのレイが参戦することによって、娘を人身売買組織から救おうとするインナムーーというストレートな物語展開の秩序を壊し、むしろレイとインナムの殺し合いが物語の軸になってる部分があって、そこがいいのである。

個人的にはインナムと娘の関係が描かれるウェットな部分よりも、レイとインナムが凄まじい暴力的悪人として一般人も警察も闇組織もものともせずに殺し合いを繰り広げるような感じだったら、もっと面白い作品になっていたんじゃないかと思うくらいに、二人の殺し合い描写が楽しめたのである。

ちなみに、豊原功補や白竜ら日本人は序盤に出てくるのみで早々と姿を消すのは残念であったが、日本のラーメン屋や居酒屋にいるファンジョンミンの姿はなかなか新鮮で、聞き取りづらいが日本語喋っているところもなかなかよろしい。

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