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映画 国家が破産する日 ネタバレ感想 韓国の経済危機を題材にした風刺劇

国家が破産する日
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国家が破産する日

―2019年公開 韓 114分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:1997年に韓国で起きた通貨危機の裏側を活写した社会派ドラマ。国民の大半が好景気が続くと信じる中、韓国銀行通貨政策チーム長ハン・シヒョンは通貨危機を予測。政府がようやく非公開の対策チームを招集したときには、国家破産まで猶予は7日間しかなかった。危機を予見するハン・シヒョンを「修羅の華」のキム・ヘスが、綱渡りのような投資に乗り出す青年ユン・ジョンハクを「バーニング 劇場版」のユ・アインが、工場と家族を守ろうとするガプスを「シルミド/SILMIDO」のホ・ジュノが、IMF専務理事を「ゴーギャン タヒチ、楽園への旅」のヴァンサン・カッセルが演じる。「パーフェクト・ボウル 運命を賭けたピン」(未)のチェ・グクヒ監督が、知られざる国家の裏の顔を暴く。(KINENOTE)

あらすじ:1997年、右肩上がりに経済成長し韓国国民の多数が好景気が続くことを信じて疑わなかったが、韓国銀行の通貨政策チーム長ハン・シヒョンは通貨危機を予測。彼女の報告書を踏まえ政府が非公開の対策チームを招集した時には、国家破産まで残りわずか7日間のみとなっていた。シヒョンは対策チームの中で、国民にこの危機を知らせるべきと主張するも、反対する財務次官と激しく対立。その頃、独自に危機の兆候を掴んだ金融コンサルタントのユン・ジョンハクは、一世一代の大勝負に出る。他方、経済情勢に疎い町工場の経営者ガプスは、大手百貨店から手形決済で大量発注を受けてしまう。(KINENOTE)

監督:チェ・グクヒ
出演:キム・ヘス/ユ・アイン/ホ・ジュノ/チョ・ウジン/ヴァンサン・カッセル

ネタバレ感想

難しい専門用語なんかも出てくるけど、話の筋はわかりやすく、楽しめる作品。実際に起こった事件をもとにして、登場人物や物語を創作した話だと思われるので、完全にノンフィクションというわけではないようだ。

いずれにしても、ノンフィクションかフィクションかなんてことはどうでもよく、これは韓国で起きた経済危機を描きながら、格差社会がつくられる要因や資本主義に対する風刺や権力者たちの自己本位的な身の振り方など、リアルな世界の現在を描いているのであり、さらにそれを楽しめる創作物としてつくり上げているところがすごいのである。

権力者たちは国をよくするとか、弱者を救済できる国家づくりを目指している人間などほとんどいなくて、自分たちの私利私欲のために国を売り渡し、私服を肥やすのである。そして、弱者たちは生活に困窮し、自殺者が増える。自分の力では打破できないほどに格差は広がり、その底辺に追いやられる人が増える一方で、ごく少数の人間が殿上人として君臨するようになり、そういう奴らの仕事は情報を動かしたりロビー活動をするだけで金ががっぽり儲かる仕組みになっているし、その天界から下界におりてくるような奴はいない。ピラミッドの上は居心地がいいからだ。

この作品の主人公はそうしたパワーに対して正論で闘おうとするものの、その努力は実らず、しかしその道を捨てずに生きていくのである。では弱者はどうすればいいかというと、それでも思考停止に陥らず、権力を監視し、反権力であることを恐れず、その中で自衛をしながらサバイブしていくしかないのだ。

人間の、特に権力を持たざる人間にとっては、常にこの世は残酷で絶望的で、ディストピアだ。しかし、それは今の世に始まったことではなく、歴史が始まって以来、ずっとそうなのである。であるから常に多様な視点を持ちつつ、さまざまな立場の意見や知識を吸収しつつ、何とか生き残りを図るしかないのである。

ーーという映画とはあまり関係ない感想だが、スリリングで楽しめる作品なので、おススメ。

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