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映画 マネーショート 華麗なる大逆転 ネタバレ感想 実話だから怖い

マネーショート
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マネー・ショート 華麗なる大逆転

サブプライムローンによる住宅バブルが崩壊することを予測した男と、彼の予測を知った金融業界の何人かが、それぞれの思惑の中で、ウォール街の魑魅魍魎たちを出し抜いてやろうと目論む話。ネタバレなし。

ー2016年公開 米 130分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:「マネーボール」の原作者マイケル・ルイスのノンフィクションを基に、リーマンショックの裏側で経済危機をいち早く予見し、ウォール街を出し抜いたアウトローたちの実話を映画化。監督・脚本は、「アントマン」脚本のアダム・マッケイ。「マネーボール」のブラッド・ピットが製作・出演を務めた。他に出演は、「エクソダス 神と王」のクリスチャン・ベール、「フォックスキャッチャー」のスティーブ・カレル、「L.A.ギャング ストーリー」のライアン・ゴズリング。(KINENOTE)

あらすじ:2005年、へヴィメタルをこよなく愛する金融トレーダーのマイケル(クリスチャン・ベール)は、格付の高い不動産抵当証券の事例を何千も調べていくなかで、返済の見込みの少ない住宅ローンを含む金融商品(サブプライム・ローン)が数年以内に債務不履行に陥る可能性があることに気付く。しかし、その予測はウォール街の銀行家や政府の金融監督機関からまったく相手にされなかった。そんななか、マイケルはクレジット・デフォルト・スワップという金融取引に目をつけ、ウォール街を出し抜こうと画策する。同じころ、マイケルの戦略を察知したウォール街の銀行家ジャレット(ライアン・ゴズリング)は、信用力の低い低所得者に頭金なしで住宅ローンを組ませている大手銀行に不信感を募らせるヘッジファンド・マネージャーのマーク(スティーブ・カレル)を説得し、クレジット・デフォルト・スワップに大金を投じるよう勧める。また、今は一線を退いた伝説の銀行家であるベン(ブラット・ピット)は、この住宅バブルを好機と捉えウォール街で地位を築こうと野心に燃える投資家の二人から相談を持ち掛けられる。ベンは自分のコネクションを使って、彼らのウォール街への挑戦を後押しすることを決意する。三年後、住宅ローンの破綻をきっかけに市場崩壊の兆候が表れ、マイケル、マーク、ジャレット、ベンは、ついに大勝負に出る……(KINENOTE)

監督:アダム・マッケイ
原作:マイケル・ルイス「世紀の空売り―世界経済の破綻に賭けた男たち」(文春文庫刊)
出演:クリスチャン・ベール/スティーブ・カレル/ライアン・ゴズリング/ブラッド・ピット/マリサ・トメイ

ネタバレ感想

CDOとCDSについては事前に知っておくべき

作品を観てない人で、これから観ようと思ってて、さらに金融関係に知識があまりない人は、CDO(債務担保証券)CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の違いについてだけは区別できるようになってたほうがいいと思う。俺は二つを区別できずに鑑賞していたので、理解できてないところが多々ある(笑)。なので、ネタバレとか言っているけど、内容解説のような記事ではなく、単なる感想なのであしからずご了承ください。

華麗なる大逆転?

「華麗なる大逆転」なんて副題をつけたのはなぜか。まぁ確かに逆転劇がないわけではないと思うんだけど、そういうことを描きたい作品じゃないと思うんだよな。

こういう煽り文句つけられちゃうと、1983年の、エディ・マーフィとダン・エイクロイド共演のコメディ『大逆転』みたいなラストを想起してまうではないか。実際に俺は、あの金融破綻を予測して人生大逆転しちゃった男たちがリアルにいたーーというように、かっこいい展開の内容を勝手に期待していたんだけども、現実ってのはそんなうまくしたもんではなく、何とも複雑な気分になる作品であった。

要するに、スカッと爽やかな話ではないのである。まぁこの作品は、そのスカッとしなさの中に面白味があるので、楽しめた。だからこそ、あんな副題つけられていることに、何か腹が立つのである。

てなわけで、史実どおりのお話なんだから、リーマンショックを引き起こした輩どもはまったく罪に問われることなく今でも大手を振って生きていやがるのだ。で、一般庶民たちが割りを食っているという。

この作品はホラーだ。現実は怖い

俺は保険だの投資だのなんだの、金融関係のお話はもうさっぱりわけわからん人間なので、この作品で起こっていることに、理解できていないシーンも多い。しかしともかく、この作品は見て損はないいい映画だなと思った。

この作品はホラーなんである。資本主義、そして金融経済が席巻している世界の恐ろしさをリアルに描いているように観える。それが怖い。こんなふざけた、モラルのないデタラメな世の中の底辺に自分が生かされている。それを目の当たりにさせられるからだ。

たとえば普通のホラーは人間に襲ってくる何かをメタファーにするなどして、リアル世界を風刺したりするもんだが、この作品の場合は、リアルな奴らのやっていることが恐ろしすぎてホラーなんである。ロメロ監督のゾンビ作品も真っ青だ。ジェイソンとかフレディに殺されたくないけども、ウォール街の輩のほうが化け物だろ、と思っちゃうのである。

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中盤までは軽くホラー映画。どんな恐ろしいホラーやスプラッター映画の化け物よりも、実際にその辺にいる顔の見えない他者のほうがよっぽど化物なのだ。平然とした顔で自分の欲望のままに子どもを虐待し、それを金や権力の力でもみ消して平然としている聖職者とか、ホラー以外の何ものでもない。ネタバレ少し。―2012公開 韓 125分―

エリートにしてみれば一般庶民なんてゴミくず

ウォール街のエリートたちがやっていることは、情報集めとかデータ分析とか、それらを踏まえた金の動きの予想とかだけ。頭脳明晰でないとできない仕事なのはよくわかるが、こいつらの働くうえでの目的って何なのか。

おそらく、金と地位と名誉だと思われる。彼らの生み出す商品だの仕事の上での成果が、ほかの人間たちにどういう影響を与えるかなんて、どうでもいいのだ。そんな奴らの商品で自分たちの生活の保障をしてもらうための保険を買ったり、お金を貸してもらったりしなきゃならない底辺の俺の暮らしってのは、奴らにとってはどうでもいいことなのだ。

どうでもいいからこそ、リーマンショックみたいなことが起こるのだ。きっとそうだ。そうに違いない。

知識もないのに金を動かすのはよろしくないかも

俺は何の知識もないのに数年前から株式投資を始めた。100株単位でしか購入できない程度の資金しかない貧乏人だし、今のところは微増な感じで動いているからいいものの、イデコをはじめたことについては、少し恐ろしさを感じている。投資型年金の商品は、何度みても何がなんだかサッパリわからぬ。

わからないものに自分の金を使い、将来の安心を買おうとか、税金を控除しようなんて考えてて大丈夫なんだろうか。たぶん大丈夫ではないのではないか。動かしている金は最小限に抑えているので、大損はしないと思うが、それにしてもである。

冒頭に、作家のマーク・トウェインの言葉が引用されている。

何も知らないことが厄介なのではない。知らないことを知っていると思い込むのが厄介なのだ。

恐ろしい作品でした。

ちなみに、村上春樹の『1Q84』の言葉も引用されているのには笑った。本当に世界的な作家なんだねぇ。

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