ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男
ゲイリー・オールドマンがメイクアップして肥えたチャーチルを演じた伝記映画。首相就任からダンケルクの撤退作戦に臨むまでの数日間、チャーチルがどのような過程を経て決断を下したかが描かれる。ネタバレあり。
―2018年公開 英 125分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:ゲイリー・オールドマンが第二次大戦時に劣勢にあったイギリスを勝利に導いたウィンストン・チャーチルを演じた伝記ドラマ。ナチス・ドイツの勢力が拡大し、フランスは陥落寸前に。連合軍はダンケルクの海岸に追い込まれ、チャーチルは厳しい選択を迫られる。監督は「PAN ~ネバーランド、夢のはじまり~」「プライドと偏見」のジョー・ライト。ゲイリー・オールドマンは本作で第75回ゴールデングローブ賞(ドラマ部門)、第24回全米映画俳優組合賞ほかにて主演男優賞を受賞。第90回アカデミー賞にて作品賞、主演男優賞、美術賞、撮影賞、衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞部門にノミネート。(KINENOTE)
あらすじ:第二次世界大戦初期の1940年。勢力を増すナチス・ドイツは各地に侵攻し、フランスは陥落間近にまで追い込まれ、イギリスにもその脅威が迫っていた。連合軍はフランス北部にあるダンケルクの海岸に追い込まれ、窮地に。就任したばかりの嫌われ者の英国首相ウィンストン・チャーチルは、政敵に追い詰められながら、ヒトラーとの和平交渉か徹底抗戦か、ヨーロッパの運命を左右する選択を迫られる。(KINENOTE)
監督:ジョー・ライト
出演:ゲイリー・オールドマン
ネタバレ感想
よく言われているように、この作品は単体で観るよりも『英国王のスピーチ』と『ダンケルク』と併せて鑑賞するとより理解が深まる。特に前者は先に見ておくといいかも。
超適当なあらすじ
てなことで、序盤で首相に就任したチャーチルは、内閣を組織してオランダ、ベルギー、フランスを侵略しているナチスドイツに対して大英帝国がいかなる対応をすべきかを決断する任を負うことに。内閣には先の首相であるチェンバレンら政敵も入閣させていて、彼らは和平交渉派。対するチャーチルは徹底抗戦を声高に主張する。
しかしナチスはものすごい勢いで大陸を制圧しつつあり、イギリスやフランスの連合軍はダンケルクの海岸に追いつめられてしまっている。英国本土にもナチスの手は目前に迫っていた。制空権を奪われたら勝ち目は薄くなる。そういう状況で、チャーチルは少し弱気になって、迷ってまうのだ。果たしてこのまま抗戦路線でよいのかと。
で、いろいろあって、英国王と距離の近づいたチャーチルは、国王から「民衆の声を聴け」とアドバイスされ、一人街に出て地下鉄に乗るのであった。そこで抗戦を訴える民衆の声に励まされたチャーチルは、演説を実施。国民を鼓舞してダンケルク撤退作戦を遂行するのであった――というのが超適当なあらすじ。
地下鉄で民衆の声を聴け
けっこう評価が高い作品みたいだけど、そんなに素晴らしい作品かというと、そうでもなかったなぁ。大英帝国は第二次大戦を経て衰退していくわけだが、この頃の英国人たちは、支配者たる矜持を持ってナチスと戦う道を選ぶ。それは別にいいんだけど、ナチスを悪呼ばわりするんなら、おまんらもかなりの外道国家なことは自覚しろボケと思わぬでもないーーというのは物語と関係ない話ではあるんだが。
序盤はけっこう楽しいんだけど、ラストに進むにつれ、なんか尻すぼみ感がある。英国王はチャーチルを嫌ってたのに、何がきっかけで彼を支持するようになったのか、その過程がよくわからん。終盤でチャーチルは国王の助言を得て地下鉄に乗る乗客たちから抗戦か和平か意見を募るんだが、本当にあんなことをしたんだろうか? フィクションぽいんだよな、あのシーン。しかも、何駅分電車に乗ってたのか知らんけど、あの程度の人たちの話を聞いただけで、抗戦を決意しちゃうのもどうかと思っちゃうのであった。
まぁでも、先に挙げた2作品と併せて鑑賞すると、歴史の勉強にはなる。
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