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映画 アナザヘヴン ネタバレ感想 脳みそシチューはいい匂い

アナザヘヴン
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アナザヘヴン

飯田譲治原作の小説を自らが映画化した作品。猟奇殺人事件の犯人の行方を追う、二人の刑事のSFクライム的バディームービーネタバレあり。

―2000年公開 日 131分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:謎の猟奇連続殺人事件に挑む若き刑事の活躍を描くサスペンス・ホラー。監督は「らせん」の飯田譲治。飯田監督と梓河人による原作を基に、飯田監督自らが脚色。撮影を「<39>刑法第三十九条」の高瀬比呂志が担当している。主演は「流星」の江口洋介。(KINENOTE)

あらすじ:脳みそが抜き取られ料理されるという、猟奇連続殺人事件が発生した。遺体や現場の状況から検屍官の赤城によって、犯人は体重100キロ、握力150キロ以上、しかも料理が得意な人物と目された。事件を担当した捜査一課の早瀬刑事は、犯人像とは似ても似つかないと反対する飛鷹警部の意見を押し切り、事件の3日前に美術館に出かけたまま行方不明になっていた女子大生・柏木千鶴を容疑者として捜索を開始。だが、彼女もまた脳みそがない状態の死体で発見されるのだった。しかし、事件はそれで解決した訳ではなかった。その後、同じような事件が若い会社員・木村敦や警察病院の医師・笹本美奈によって引き起こされる。早瀬は、以前担当した事件の犯人だったキャバクラ嬢の朝子に、真犯人は人間ではない何かだと助言を受けるが、彼女もまたその何かに体を乗っ取られてしまう。そして、その何かとは「悪意」だった。退屈な天国に飽きた悪意は、その姿を水に変えて地上の人々に乗り移り、殺人を繰り返していたのだ。朝子を悪意から助けようとする早瀬。一方、悪意はそんな彼の体に乗り移ろうとする。しかし、飛鷹の咄嗟の機転で液体の悪意にベンジンをかけ、燃やしてしまうのだった。こうして、悪意との戦いに勝った早瀬たち。そんな彼らの上に、雨が降り注ぐのであった……。(KINENOTE)

監督:飯田譲治
出演:江口洋介/市川実和子/原田芳雄/柄本明/松雪泰子/柏原崇/加藤晴彦/六平直政/阿藤海/荒川良々/乾貴美子/京極夏彦/綾辻行人

ネタバレ感想

内容的にはツッコミどころかなりあるんだけど、けっこう好きでDVD購入して何度も鑑賞している作品。昭和的やさぐれ刑事の飛鷹(原田芳雄)と、スマートなイケメン刑事、早瀬(江口洋介)。二人の刑事が犯人を追いつめるバディームービ―である。

そう考えてみると、異星人侵略SF映画の傑作、『ヒドゥン』的な要素がけっこうあるし、この当時は『セブン』に類似した猟奇殺人ものがけっこう量産されていた時期で、この作品もその中の一つというふうにも考えられる。

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ということで、脳みそシチューはいい匂いという冒頭から始まり、連続猟奇殺人を捜査することになった飛鷹と早瀬は、相次いで起きる事件を追ううちに、犯人は人間ではないのではないかと疑いを持ち始める。

で、やっぱり犯人は異形の存在であったというラストを迎える。犯人は未来からやってきた「水」であり「悪意」であったのだ。悪意は人間社会を天国だという。自分の悪意を享受できる素晴らしい世界だと。この辺のオチが俺の琴線に触れてこの映画が好きなんだけど、あらためて見返してみると、なんだかヘンテコな作品である。

なぜ初見の時に琴線に触れたのか、もう覚えてないんだが、原作も読んだ覚えがある。そこにはもう少し悪意に関する描写が長々とあったような気がするので、そこに書かれた何かがよかったんだろうと思われる。再読しようとは思わぬが。

なんか惜しいなぁと思わせるのは、主人公の早瀬は過去、犯罪盗聴マニアだったらしく、使命感があって警官になった男ではないという、イケメンでありながら空虚な男という設定みたいだけど、そこがさほど活かされてないように感じるところ。朝子とのロマンスは空虚な男が実はまともな心の持ち主だったということをわからせるように描写しているんだけども、なんとも物足りない。

先にツッコミどころもあると書いたが、この映画のもっともダサくて面白いシーンは、「何か=悪意」に憑依された柏原崇との対決シーンだろう。まず、早瀬と飛鷹のジャンプシーンがあり得ないし、柏原の悪役振る舞いが典型的すぎて糞ダサいのである。マジで失笑しちゃうレベルで、そこがよいのだ。そこに柏原と江口洋介のキスシーンなんか入れ込んでくれちゃって、もうメチャクチャ。なんで「悪意」が早瀬に魅力を感じたのかの説明が少なくて、どうして早瀬に対してあんなにご執心なのかよくわからんのである。

とか腐してみたものの、ブスかわいい市川実和子や美人な頃の松雪泰子なども観られるし、何べんも観たくなるヘンテコ映画だ。

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