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映画『22年目の告白 私が殺人犯です』ネタバレ感想 サイコパスは出てこない

22年目の告白私が殺人犯です
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22年目の告白 私が殺人犯です。

オリジナルと比較するとサスペンス的な内容に仕上がっているところがいい。とはいえ、なんか腑に落ちない部分もあったなぁ。ネタバレあり
―2017年公開 日 117分―

映画『殺人の告白』ネタバレ 感想 壮大な釣り映画
ある人間たちがグルになって、殺人犯を追い詰めようとする話だということが、後にわかる。しかし、その間に起きるシーンなどが物語としてのリアリティを損なわせているように感じて、なんか真に迫っている部分との乖離がすごくて個人的には興ざめしてしまった。ネタバレあり。 ―2013年 韓 119分―
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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:韓国映画「殺人の告白」を日本でリメイクしたサスペンス。22年前に5人の犠牲者を出しながら、未解決のまま時効を迎えた連続殺人事件。その犯人を名乗る男が突如、記者会見を開き、告白本を出版。世間に一大センセーションを巻き起こしていくが……。出演は「僕だけがいない街」の藤原竜也、「3月のライオン 前編/後編」の伊藤英明。監督は「ジョーカー・ゲーム」の入江悠。

あらすじ:かつて5人の命が奪われ、未解決のまま時効を迎えた凄惨な連続殺人事件。その犯人が、事件から22年後、突然自ら名乗り出てくる。盛大に開かれた記者会見場に現れたのは、自身の告白本を手に、不敵な笑みを浮かべる曾根崎雅人(藤原竜也)という男だった。素顔をカメラの前にさらし、肉声で殺人を告白する曾根崎の登場にネットは熱狂。賛否両論を巻き起こしつつ、その告白本はベストセラーとなる。曾根崎の派手な行動は、それだけでは終わらなかった。マスコミを伴った被害者遺族への謝罪、執念深く事件を追い続ける刑事・牧村(伊藤英明)への挑発、そしてサイン会まで……。彼の行動のすべてがあらゆるメディアを通じて発信され、SNSで拡散してゆく。だがそれは、日本中を巻き込んだ新たな事件の始まりだった……。日本中を釘付けにした告白の行方は……?やがて事件は意外な展開を見せるが……。

監督:入江悠
出演:藤原竜也/伊藤英明/夏帆/平田満/岩城滉一/仲村トオル

ネタバレ感想

終盤に至るまではけっこう面白いんだけど

いきなりネタバレすると、オリジナルのイイ部分は踏襲しておきながら、荒唐無稽なカーチェイスとかヘンテコ一家の話を排除しているところには好感を持った。

でも、藤原竜也演じる偽殺人犯の化けの皮がはがれて以降は、なんか、オイオイオイと思ってしまったのである。たぶん、オリジナルを観ていなかったらそれなりに楽しめたとは思うんだけど、上記以降の展開には興ざめした。真犯人にも。

がっかりポイント

なんでなんだろうか。俺は多分、真犯人はサイコパス的な奴でいてほしかったんだろうなと思った。動機なんて何もなくて、ただ人殺しと、その殺す様を被害者の身内に目撃させるのを単に楽しみとしてやっているような奴が真犯人であることを期待していたんだろう。

だから真犯人に、殺人に至るちゃんとした動機があって、それが過去の自分のトラウマ的体験にあるところだったり、最後に殺す対象となる刑事の妹が震災のトラウマから逃れらずに生きる希望を見いだせないような様とか、その辺の社会派的な理由づけにガッカリしてしまったのである。それは俺の個人的な好みの問題であるから腐す理由にはならんのだが、まぁガッカリしてしまったのは事実だから仕方ない。

真犯人のやりたいことが、わかるようでわからん

変だなと思うのは、この真犯人って元戦場ジャーナリストで、帰国後に連続絞殺という犯行におよぶのであるが、社会的成功を収めるきっかけになるのがその事件を書いた手記なわけじゃないですか。そこがよく意味わからん。

彼は犯人の癖に、事件後に被害者の身内たちを取材しているんでしょ? だからあんだけの膨大な記録が得られるのである。でも、得たからなんだっての? 目的は自分のトラウマになった出来事を追体験するための殺人だったわけで、それが達成された後に自分の殺した相手の身内を取材して、手記に残すことに何の意味があるんだろう。

しかも、その手記は自分が犯人であることには触れないであやふやにしておきながら、世の中の闇の部分をあぶり出した作品だったんだろうけど、そんなことしてこの人、何の満足が得られるんだろうか。

この真犯人って自己顕示欲が強いわけでしょ? だったらそんなあやふやな内容のもんを書いて世に出すなんて行為、自分のことを許せないんではないだろうか。そういうもんじゃないのかねぇ。自分が犯人だと知っているから、手記に自分が犯人であることを書けなくても、満足できるんだろうか。そんな自己韜晦した作品って評価されるほどの内容になるんかね?

自分の番組にわざわざ犯人と思われる奴を呼び出すことの意味もよくわからん。自分の犯した罪を他人がやったことにされて我慢ならんのなら、あんな番組に呼び出して真相を究明して何になるんだろうか。

無理に社会派な内容にしなくてもよかったような

本作はサスペンス作品として骨太にするためなのか、いろいろの工夫をしてそれが成功しているとは思う。でも、登場人物たちの過去にわざわざリアルな戦争体験や被災体験を入れることで、そうした大事件が各人の人生に暗い楔を打ち込んでしまう社会派ドラマ的な何かを背負わせる必要ってあったんだろうか。

真犯人は社会的成功を収めたジャーナリストじゃなくて、その辺にいそうだけど、やっていることは異常な奴として登場させたほうが、より面白い作品になってたんじゃないかと思うのが、素直な感想である。

ついでに、オリジナルの感想記事でも言及したけど、メディアに出演して真犯人を煽るの、テレビ局が番組をつくらなかったらどうするんだろ。あと、最初から示し合わせて殺人告白本を書いて、それでかなりの金を得ている人物がいるわけだが、これって後々問題にならないのかなぁ? 詐欺とは言わぬまでも、金儲けしちゃっているのはいいのかな。

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