フローズン・ストーム
吹雪で車の中に閉じ込められた夫婦が生き残りを図ってジタバタするシチュエーションスリラー。短い尺なのに飽きてきちゃうくらい、しょうもない作品。ネタバレあり。
―2020年製作 米 89分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のモリー・コナーズが手掛けた密室パニックスリラー。吹雪の後、ある夫婦が凍結した車の中に閉じ込められてしまう。夫は車内で助けを待とうとするが、妊娠中の妻は脱出すべきだと主張し…。【スタッフ&キャスト】監督:ブレンダン・ウォルシュ プロデューサー:モリー・コナーズ 撮影:シェイマス・ティアニー 編集:ブラッドレイ・ロス 出演:ジェネシス・ロドリゲス/ヴィンセント・ピアッツァ(KINENOTE)
あらすじ:吹雪の後、凍結した車の中に閉じ込められた夫婦。気温が急降下する極寒の車内。電話もつながらず、車のドアも開かない。氷点下の外に出るよりも車内で助けを待とうと諭す夫に対し、妊娠中の妻は今すぐ脱出すべきだと強く主張する。そしてこの意見の違いをきっかけに、より大きな混乱が生まれることになる…。果たして2人は生き残れるのか! ?驚愕の実話からインスパイアされたパニックスリラー!(Amazon)
監督:ブレンダン・ウォルシュ
出演:ジェネシス・ロドリゲス/ヴィンセント・ピアッツァ
ネタバレ感想
なんの前触れもなく、いきなり吹雪の中、車中で眠ってたジェネシスロドリゲスが、車のドアが開かないことに気付いてジタバタしながら夫を起こすシーンから物語が始まる、この潔さ。普通の作品なら、前置き的にノルウェーにやってくることになった経緯などを描きつつ夫婦の人物描写をしそうなもんだが、そういうのはない。
この作品はほぼ9割以上のシーンが車中の中で進むので、そういった夫婦の人物背景は車中でジタバタする中で少しずつ説明されるのである。そういう構成にしないと、とてもじゃないが描く事柄がなかったんだと思われる。
では、その車中劇がおもしろいかというと、基本、奥さんが事あるごとに癇癪起こしてるだけにしか見えなくて、イライラするだけ。そもそも何で車が雪に覆われちゃったのかというと、前の晩に雨がたくさん降ってきて運転が危ないということで、道路から少し横にそれた場所に車を停車して、車中泊することに。そんで起きたら外に出られないくらい雪がつもっていたという。
んで、食料はお菓子と水があるから二人は助けがくるまで車中でジッと待ち続けることにしたのだ。旦那のほうは外に出るのは危険だと言い続けていたけど、どうして危険だと思ったんだろうか。外がふぶいてるかもしれないから?
確かに外の状況がわからんのに窓を破ってしまったら寒さで死んじまうかもしれないってのはわかるけど、途中で除雪車が道路を走ってたじゃん? 除雪車が除雪しながら近くを走ってるんだから、自分たちが走ってきた道路も復活してるはず。であるから、あの時点で外に出て助けを求めてもいいと思うんだけど。
でもなぜか二人はそれをせずに車中でどんどん険悪な関係になっていく。その原因は妻が何かの秘密を持っててそれを話さないことや、旦那は職を失ってるのを黙ってたことなどにあるんだが、かたくなに秘密を明かそうとしない妻の心境がさっぱりわからない。
さっぱりわからないといえば、この夫婦、奥さんが妊娠しててそろそろ子どもが生まれそうなのに、アメリカからわざわざノルウェーまでやってきて、しかもなんでこんな吹雪が起きるような場所まで来るんだよ。奥さんが作家で、サイン会をやるからっていってたけど、こんな僻地を運転していかなきゃならないサイン会ってどういうのなの?
そんで、2週間くらいたって奥さんは産気づいてきちゃう。そんで、夫の力を借りて出産するのだ。すごすぎる。あんなことってできるの? で、そのあとは旦那は赤ん坊と奥さんのために身を犠牲にして頑張ったおかげで、死んじまう。死因はよくわからん。栄養不足かな? 凍死?
まぁそんなんどうでもいいけど、奥さんは赤子のために栄養を摂取しなきゃらんということで、自分の胎盤を食すのである。ここがこの映画のもっとも描きたかったシーンだろうか。たぶんそうなんだと思う。なかなかセンセーショナルかつショッキングだ。
だが、観ているこっちには特に訴えかけてくるものがなく、そのシーンも過ぎて行ってしまう。なんでだろうか。ジェネシスの演技が下手なのかな? 実は、美人さんのジェネシスロドリゲス目当てでこの作品をレンタルしてきたんだけども、この作品の彼女は特に魅力がない。キャラのせいもあるだろう。それにしても、どうして車中で20日以上も絶食に近い状態だったのに、彼女はほとんどやつれなかったんだろうか。その辺の演出も適当すぎないかね。
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