カーター
ウィルスの蔓延する朝鮮半島。記憶を失くした男が襲い来る敵たちと戦いながら、ある少女と自分の妻子を助けるために奮闘するバイオレンスアクション。ストーリーとか気にせずに、純粋にアクションを楽しめる人にとっては良作かもしれんが、あまりにも繰り返しの展開が多すぎて、個人的には評価低め。ネタバレあり。
―2022年配信 韓 134分―
解説・スタッフとキャスト
解説:『カーター』は韓国のアクション スリラー映画で、チョン ビョンギル監督、主役のチュ ウォン、イ ソンジェ、チョン ソリ、キム ボミンが主演しています。この映画は、ゾンビ ウイルスの大流行の中で謎の任務に放り込まれた記憶喪失エージェントを中心に展開します。 (ウィキペディア英語)
監督:チョン・ビョンギル
主演:チュウォン/イ・ソンジェ/チョン・ソリ/キム・ボミン/カミラ・ベル
ネタバレ感想
ネットフリックスで配信されてたので鑑賞。とりあえず、なんだかよくわからない描写がけっこうあって、しかしそんなものは説明しなくても構わないのである。感じればいいのであるーー的にアクション一辺倒でゴリゴリ押し切るバイオレンス作品であった。
よくわからない描写ってのは、例えば主人公のカーターが最初の戦闘を繰り広げるスーパー銭湯みたいなところ。相手は韓国+日本人のヤクザたちだったみたいだが、どうしてあいつらと戦闘をする必要があったのかが、まず俺にはよくわからん。その戦闘の口火を切ることになったのは、ある女の登場がきっかけだったように思うが、あの女って何だったの? 俺が説明セリフ見落としたのかなぁ?
さらにその後、カーターが逃げ込んだ先に、ベットに寝かされて療養中お思われる女性が血を吐くんだけども、あれも何か意味ある描写なん? わからないと言えば、ウィルスに侵されたゾンビみたいな人たち。あれって噛まれたら感染するんだっけ?
まぁでも、この作品はそんな細部なんてどうでもいいんだろうね。魅せたいのはアクションなんだろう。であるから、話の筋は、謎のエージェントであるカーターが、ウィルス騒ぎの重要人物である半博士のもとへ、彼の娘であるハナを連れていくーーという単純なもので、それを彼が行う動機は、自分の妻子を救うためというもの。んで、その行く手を阻もうといろいろな敵が襲い掛かってくるというだけのものだ。実に分かりやすい。細部はよくわからんが(笑)。
じゃあその魅せたいアクションはどうなんだっていうと、確かにこれがスゴイ。すごいとしか言いようがない。長回しみたいなのを多用しながら、バイクだの車だの列車だのスカイダイビング中だの、さまざまなシチューエーションで展開される血みどろバイオレンスな殺し合いは、幾多ある過去のアクション作品を凌駕するほどの迫力とスピード感がある。
最近の韓国のアクション作品って、どうやって撮影したんだろうと思われる描写がすごいあるんだけども、今作はそんなシーンのオンパレード。そういう点ではマジで驚きの連続である。こうしたアクション描写のノウハウは韓国映画界が世界のシーンの先を行ってるのかもしらんですな。俺はその辺の事情は詳しくないんで、あくまで個人的感想ではあるが。
ということで、ともかくバイオレンス血みどろアクションの描写については本当にスゴイとしか言いようがないんだけども、残念なことに作品自体はぜんぜん面白くないのである。何でかって言うと、単調なのだ。
カーターがたくさんの敵に襲われる。その困難を超人的な戦闘術を駆使することで乗り切る。任務達成かと思われると、また次の困難に見舞われ、新たな戦闘が始まるーー延々とそれの繰り返し。これでは、いくらアクションがすごくたって飽きちゃうよ。
見せてる戦い方が違うだけで、パターンに入っちゃってるんだもん。要するに、ゲームを観させられてるみたいに感じちゃうのだ。しかも、自分でプレーしてるわけじゃないから、興奮度は当然低い。
そうやって似たような展開を繰り広げて、一応物語はハッピーに終わったように見せかけて、ラストで続編を匂わせちゃうという。あの繰り返しをまだやるのかよ(笑)。
この作品はネットフリックスで鑑賞できます。
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