7BOXセブン・ボックス
パラグアイの市場で荷物運びの仕事をしてる青年が、謎の箱を7つ運ぶ仕事を引き受けたら、その仕事を奪おうとしてくるチンピラ同業者に追っかけられる羽目になってジタバタする話。金に困っている人たちは命の扱いが軽い。ネタバレあり。
―2012年製作 巴 105分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:謎に包まれた7つの箱を運ぶ少年の命懸けの逃亡劇を描くスリラーアクション。監督・脚本はフアン・カルロス・マネグリアとタナ・シェムボリの共同。出演はセルソ・フランコ、ビクトル・ソサ、ラリ・ゴンザレス、ニコ・ガルシアほか。2014年1月18日より、東京・新宿シネマカリテにて開催された[オト カリテ Vol.3]として上映。(KINENOTE)
あらすじ:パラグアイ、アスンシオン市場。テレビに出ることに憧れる少年ビクトルは、通りかかった精肉店の店主から、100ドルを渡す代わりに7つの箱を運べと言われ、店内へ通された。箱の中身は絶対に覗くなという店主の言葉を不審に思いながらも、ビクトルは大金欲しさから仕事を引き受けると、箱を荷台に乗せ、店の外へ。市場を抜け、指定された場所に運ぶだけの簡単な仕事だと思っていたが、すぐに地元のギャングや商売敵、スリ、そして警察までもが箱を横取りしようと追いかけてくるのだった。友人たちの助けを借りながら、迷路のような市場を進むビクトル。彼は無事に逃げ延び、荷物を運び届けることができるのか。そして、誰もが狙う7つの箱の中身とは…。(KINENOTE)
監督・脚本:フアン・カルロス・マネグリア/タナ・シェムボリ
出演:セルソ・フランコ/ビクトル・ソサ/ラリ・ゴンザレス/ニコ・ガルシア
ネタバレ感想
アマゾンプライムで鑑賞。パラグアイ映画って珍しいねぇ。2012年当時の映画ってことで、主人公のビクトルが欲しがる携帯もまだガラケーってとこに時代を感じる。
にしても人の命が軽いねぇ。警察もためらいなく銃を撃っちゃうし、主人公のビクトルの同業者のチンピラとその仲間たちも容赦なく人を殺せる殺人鬼みたいな奴らでおっかない。
こういうの観ちゃうと衣食足りて礼節を知るって言葉は本当なんだなぁと思わざるを得ない。まぁでも、10年ほど前の時代とはいえ、パラグアイの街の姿を観られたのはよかったかな。
話の内容としては、ビクトルが命を懸けて守れって言われてるのに、荷物をすぐに置き去りにしちゃうとことか、注意力が足りなさすぎだろと感じるシーンがあってイライラしてくる。
憎まれ口を叩きながらも彼を助けてくれる友だちのリズって女の子がいなかったらアウトな選択ばっかしてるからね。まぁでも、そういうトンマな人間が主人公であるからこそ物語がスリリングにできているんだけど。
その他の登場人物、ビクトルの姉と韓国人青年のやりとりや姉の友人の女性のエピソード、ビクトルに仕事を与えた雑貨店の店員の女の人と、彼女にアプローチかけてる不倫警官の話とかは、物語にそれなりに絡んでくるんだけども、この人たちの動きは大筋の話の伏線消化みたいな扱いになってるだけで、そんなに興を添えているとは思えず、ドラマ的にはちょっと勿体ない。
ビクトルのチンピラ同業者がなぜあんなに金を欲しがっているのかというと、子どものために薬を買ってやりたいからというそれなりの理由はあるものの、けっきょく彼は罪を重ねるだけ重ねて死んじまってるわけだし。
ラストは役者になりたいのか、有名になりたいのか知らないが、自分がブラウン管の向こうの人間になりたいと思っていたビクトルの願望が叶ってハッピーエンド的な感じになってた。
だけど、彼も災難に巻き込まれただけで金儲けができたわけじゃないし、誘拐で金を得た奴らの一人は自分の奥さんが死んでるのを知らないまま金を持って逃げちゃってるとか、けっこう薄情ではありましたな。そもそもこいつ、死んじゃった嫁の親父から金を巻き上げてるわけだしね。マジで倫理もくそもねぇ。
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