ブレーキ・ダウン
引っ越すために新車のジープに乗って田舎町を走ってた夫婦。いろいろあって妻の姿が消えて、旦那は彼女を必死で捜すことになる話。孤立した状況で奮闘するカートラッセルが拝める普通作品。ネタバレあり。
―1998年公開 米 93分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:ドライブの途中、見知らぬ場所で愛妻を誘拐された男の奪回劇を描いたサスペンス・カーアクション。スティーヴン・スピルバーグの「激突!」やロバート・アルドリッチの「北国の帝王」を彷彿とさせる演出を見せた監督は、これが劇場用映画となるジョナサン・モストウ。脚本は、モストウの原案を基に彼とサム・モンゴメリーが共同で執筆。製作は「ドラゴンハート」のディノ・デ・ラウレンティスと彼の娘で「バウンド」のマーサ・デ・ラウレンティス。撮影は「心の指紋」のダグ・ミルサム、音楽は「コナン・ザ・グレート」のベイジル・ポールドゥーリス、美術は「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」のヴィクトリア・ポール、編集は「トータル・リコール」のデレク・ブレシンと「ロビン・フッド」(91)のケヴィン・ステット、衣裳は「恋のゆくえファビュラス・ベイカー・ボーイズ」のテリー・ドレスバッハ、スタント・コーディネーターと第二班監督は「氷の微笑」のジェームズ・アーネットが担当。主演は「エクゼクティブ デシジョン」のカート・ラッセル。共演は「イベント・ホライゾン」のキャスリーン・クインラン、「ニクソン」のJ・T・ウォルシュ、「コン・エアー」のM・C・ゲイニー、「イベント・ホライゾン」のジャック・ノーズワーシーほか。(KINENOTE)
あらすじ:東海岸のボストンから西海岸のサン・ディエゴへドライブ中のジェフ(カート・ラッセル)とエミー(キャスリーン・クインラン)の夫婦を乗せた車が故障、立ち往生しているところへ一台の長距離トラックが通り掛かった。ドライバー(J・T・ウォルシュ)が近くのダイナーまでエミーを乗せてくれるという。故障を修理したジェフはすぐに後を追ったが、彼女を見失ってしまう。この付近では何十人もの行方不明者が出ているらしい。そこへあのドライバーとその仲間がエミーの身の代金を要求してきた。交換場所に指定された給油所で、あのドライバーを発見したジェフは、トラックに飛び乗り、エミーが監禁されている納屋へ向かう。エミーを救出したジェフは男たちの追撃を受けるが、一台ずつ振り切り、残ったあのトラックは谷底に落下した。(KINENOTE)
監督:ジョナサン・モストウ
出演:カート・ラッセル/ジェイ・ティー・ウォルシュ/キャスリーン・クインラン
ネタバレ感想
90年代後半の本作品をネットフリックスで見つけて初鑑賞。カートラッセル主演の本作について、今日までまったく存在を知らなかった。
80~90年代のカートラッセルと言えば、地上波の洋画劇場でよく見かけるようなアクションとかにたくさん出てて、『遊星からの物体X』『ニューヨーク1997』『ゴーストハンターズ』『エスケープフロムLA』とかジョンカーペンター大先生の作品の常連だし、『デッドフォール』『バックドラフト』『エグゼクティブデシジョン』などなど。
ともかく、当時は地上波洋画劇場野郎だった俺にとってはそれなりに思い入れのある人だ。あと、2000年代に入ってからは、タランティーノの『デスプルーフ』で悪人を演じていて、その散りざまが素晴らしいラストには笑わせてもらったなぁ。
ということで、まったくノーマークだった今作品を観た感想としては、カートラッセル主演じゃなかったら見なくてもよかったかなぁという感じ。俺的カートラッセルは『エグゼクティブデシジョン』を除けば粗野な感じのキャラを演じることが多い印象で、そこが好きなんだけども、今作の彼が演じたジェフは、そういう意味ではキャラとしての魅力があんまり感じられなかった。
ジェフはそれなりにビジネスマンとして成功してたみたいだが(FBIに口利きしてもらえるような友人もいるし。不発に終わってたがw)、なぜか金欠になってて、奥さんと違う土地で出直しを図ってたらしい。
んで、新車のジープ(あまり新車には見えない)で引っ越し先に向かってたら、田舎町の男たちに狙われて、夫婦ともども災難に見舞われることになる。
さっき言及したように、ジェフは粗野って感じではないが感情的になることは多いようで、奥さんが田舎者どもに拉致されてからは、ものすごい執念でもって、奥さんを助けるべく奮闘する。その暴走ぶりがこの物語の肝で、都会派の男も怒りに燃えれば田舎の人たちの暴力性にも屈しないんだぞーーってな気概は感じられる。
俺が同じ立場になったらそそくさ逃げちゃうかも知れん、と思うような災難に遭ってるからね。それにしても、犯罪者たる田舎者たちは、周辺を通り過ぎていく金持ちそうな奴らを見つけては、さらって金を脅し取り、ぶっ殺しちゃうというトンデモない奴らで、特にクソなのはトラック野郎のボス。家庭に対しては普通の良き父を演じてる癖に、人さらいであり、強盗殺人野郎なんだからね。
ということで、それなりのスピード感を持って数々の難局を切り抜けていくカートラッセルが拝めるのは悪くないが、さほど心に残る面白さがあったかというと、そうでもない。『激突』とか『ヒッチャー』みたいな展開かと思わせておいて、妻の誘拐事件ってところはなかなかなんだけども、黒幕一味が空かされるのが早すぎたのがあまりよくなかったかもね。
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