スターゲイト
エジプトで発見した謎の円形状の遺物は、実は別の惑星へワープするためのゲートだった。任務のためにゲートを潜り抜けた大佐と言語学者は、ワープ先でエジプト文明発展の秘密を知ることになるのだがーー。太陽神ラーがバカ為政者にしか見えない、SF作品。ネタバレあり。
―1995年公開 米 121分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:古代遺跡から発見された巨大な環=星間移動ゲイトをくぐり抜け、遙か宇宙へ旅立った人々の冒険を描いたSFアクション。総製作費6000万ドルを費やしたというスペクタクル/SFX場面の量感や、創造された異世界の言語などが見どころ。監督はセントロポリス・フィルムを主宰し、初長編「スペースノア」以来、「MOON<ムーン>44」「ユニバーサル・ソルジャー」などSF映画に才を発揮する旧西独出身のローランド・エメリッヒ。彼が10数年来にわたる念願の原案を、パートナーであるディーン・デヴリンと共同で脚色。製作はデブリン、オリヴァー・エバール、ジョエル・B・マイケルズの共同。エグゼクティヴ・プロデューサーは「ターミネーター2」「氷の微笑」「クリフハンガー」のヒットメーカー、マリオ・カサール。撮影は『ゴースト・チェイス』(V)からエメリッヒ作品に参加のカール・ウォルター・リンデンローブ、音楽は英国の新進作曲家デイヴィッド・アーノルドが担当。特殊視覚効果に「レイダース 失われた聖櫃<アーク>」のキット・ウェスト、デジタル視覚効果に「ダイ・ハード2」のジェフリー・A・オクンと「今そこにある危機」のクライザー・ウォークザック・コンストラクション、クリーチャーSFXに「ドラキュラ(1992)」のパトリック・タトポロスなど、SFXの第一人者が結集。主演は「ウルフ」のジェームズ・スペイダーと「トゥームストーン」のカート・ラッセル。「クライング・ゲーム」で鮮烈にデビューしたジェイ・デイヴィッドソンが悪役を怪演。(KINENOTE)
あらすじ:28年、エジプト・サハラ砂漠の古代遺跡で巨大な謎の環が発見された……。94年のアメリカ。学会から異端視されている若き考古学者ダニエル・ジャクソン(ジェームズ・スペイダー)に、66年前の発掘で謎の環を発見したラングフォード博士の娘である老婦人キャサリン(ヴィヴェカ・リンドフォース)が、研究の資金を提供しようと申し出る。米軍の秘密基地に連れて来られ、石版に刻まれた古代文字の解読を依頼されたダニエルは、キャサリンたち研究チームが長年解読できなかった文字をわずか2週間で解き明かす。プロジェクトを統括するジャック・オニール大佐(カート・ラッセル)は、あの巨大な環を彼に見せ、それが異世界を繋ぐ門=スターゲイトであり、米国政府は起動させる方法を探していたことを明かす。プロジェクトは進み、ダニエルはオニール大佐の一行と共にスターゲイトの向こうに旅立つ。神秘的な光の環を通り抜けると、そこは砂漠に覆われた未知の惑星だった。やがて一行は惑星の住人たちと出会う。そこは古代エジプトとよく似た文明であった。ダニエルが持っていた古代エジプトのペンダントを見た人々は、一行を歓迎する。言語は通じなかったが、この星ではラー(ジェイ・デイヴィッドソン)と呼ばれる独裁者が君臨していることが分かった。シュリ(ミリ・アヴィタル)という娘と恋に落ちたダニエルは次第に言語が分かるようになり、遺跡から驚くべく事実を知る。それによると、ラーは古代の地球を訪れた宇宙人で、人類に力を与えてエジプト文明を作り、奴隷のように人々を使役していたが人類の反乱に遭い、スターゲイトを使ってこの惑星に逃がれた。この星の人々は、連れ去られたエジプト人の末裔だった。息子が銃の暴発で事故死し、虚無的になっていたオニール大佐だったが、人々と交流するうちにラーに立ち向かう決意をする。ラーは大佐の携行していた爆弾をこの星の鉱物と一緒にスターゲイトで送り返すことで、地球の破壊をもくろんでいた。やがて人々は反乱を起こし、大佐の部下と共に立ち上がる。形勢不利と見たラーは巨大なピラミッド型宇宙船で逃げ出すが、ダニエルとオニールの活躍で宇宙船もろと爆破される。オニールたちはスターゲイトで地球に帰還することになったが、ダニエルはシュリと共にここにとどまる道を選んだ。(KINENOTE)
監督・脚本:ローランド・エメリッヒ
出演:カート・ラッセル/ジェームズ・スペイダー/ジェイ・デイヴィッドソン
ネタバレ感想
オーパーツがおもしろい、エジプト文明の秘密
何とも懐かしい作品。当時の撮影技術としてはけっこうなSFXが駆使されてて、そこが見所の一つだったような気がする。30年も経とうとしている今となっては、古臭く感じる部分もあるけど、アサイラム社の最近作の表現と比較すれば、当然マシである。金のかかり方が違うし(笑)。
エジプトのギザで発見された遺物が、別の惑星に旅立つためのゲートの役割を果たすなんて、古代文明好きだった10代の頃の俺は、かなりわくわくして鑑賞したのを覚えている。この作品と同時期くらいに、ベストセラーになった『神々の指紋』って書籍があって、こういう荒唐無稽な超古代文明の話も大好きで、オーパーツのことに触れた書籍なんかを大真面目に読んでいたくらいにバカだったんだが、そのおかげで大学は史学科を選ぶくらいになったんだから、なかなか感慨深いものがありますな。
とかそんな話はどうでもいいとして、こうやって見返してみると、今でもカートラッセル扮する大佐とその部下たち、そして言語学者らがゲートを通過して現地人と出会い、エジプト文明発祥の秘密などを知るところまでなんかは、個人的趣味も助けてなかなか楽しめる。
太陽神ラーはバカ
ところが、そのあとに太陽神ラーが出てきてからはお間抜けなアクション映画になってきて、こういう展開になっちゃうのは仕方ないにしても、ちょっと勿体ない感じ。ラーが独裁している国の規模が狭すぎて、これが作品の壮大さをしぼめちゃってるように思う。
ラーは古代のエジプト人をあの惑星に連れてって奴隷として働かせて自分は独裁者として君臨してるんだけども、あんだけの技術を生み出した奴にしては、奴隷制を続けては地球でも反乱を起こされ、本作でも反乱を起こされ、旗色が悪くなるとトンズラこいちゃうというバカ為政者。何千年も生きてるんだから、少しは過去の失敗から学べよ(笑)。
現地人と意思疎通ができるようになってからは地球から来た言語学者や軍人たちも普通にコミュニケーション取れるようになってて、そのスピーディな感じも考えてみれば無理がある。しかし、その軍人たちはラーの配下に簡単に殺されちゃって、最終的に生き残るのは大佐含めて3人だけとか、扱いひどすぎだよね。
言語学者は現地の美人さんと恋仲になって地球に戻らないことを決める。どうやらお互いに一目惚れっぽかったと思うんだけど、あの言語学者が一目惚れされるような容姿には見えないところもなんだかね(笑)。
とはいえ、エメリッヒ作品の中では思い出深いこともあって結構好きな作品である。ちなみにこれ、テレビ作品でシリーズになってるらしいね。知らんかった。
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