バード・インフェルノ 死鳥菌
中国で発生した鳥インフルエンザのウィルスが人間にも感染。その脅威はアメリカにも広がっていくパンデミックパニック。コロナ禍を体験してるうえで観ると、現実とリンクしてる部分もあって恐ろしい気持ちになるが、淡々と話が進むわ尻切れで終わるわで全然面白くないです。ネタバレあり。
―2006年製作 米 84分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:『ラヴェンダーの咲く庭で』のリチャード・ピアーズ監督によるパニック。感染病で世界は滅亡の危機に…。(KINENOTE)
あらすじ:鳥を媒介した突然変異のウィルスが中国で大発生した。伝染病の権威バーナック博士に報告が入るが、時既に遅く感染した男性がアメリカに入国していた…。感染は次から次へ、人々に驚異的なスピードで広がり、やがて全世界へと拡大する。成すすべもないアメリカ政府を前に、人類滅亡へのカウントダウンが始まる―。(amazon)
監督:リチャード・ピアーズ
出演:アン・キューザック/スコット・コーエン
ネタバレ感想
Amazonでレンタル鑑賞。なんの期待もなく観てみたら、ぜんぜん面白くなかったな。冒頭に書いたように、俺も含む世界中の人たちがコロナ禍を体験しちゃってるわけだから、2006年のこの映画に先見の明を感じることもあるだろう。作品内で起ることは、コロナ禍にあって現実になってる部分もあるからね。
この作品のウィルスは致死率が高いようで、田舎の村人みたいな人たちが大量に地べたに死体になって転がっちゃってるくらいに威力があるらしいーーが、さすがにあの描写は乱暴すぎだろと思わなくもない。
物語は伝染病の研究者みたいな女性が知事やお偉方の前で対策を一緒に練って奔走したり、病院に勤める看護師の女性とその旦那の州兵の生活が描かれたり、アメリカにウィルスを持ち込んでしまった会社員が死んじゃって、その妻子のその後が描かれたりする群像劇。
ただ、それらの人物の行動が淡々と描かれるだけで、終盤にはアフリカでさらなる変異ウイルスが現れて、現地にたどりついた伝染病学者の女性が上述した大量の死体を前にして途方に暮れて物語は唐突に終わる。何なんこれぇ…。
伝染病学者は、男をとっかえひっかえしてる人で、それを思わせるセリフがあるんだけども、彼女はどうしてそういう行動をしているのか、物語にはさして影響を与えてないし、彼女の人となりの説明としても効果的には思えない。
看護師の人はいろいろショッキングな体験をしたことで、どうやら旦那の望み通りに職を辞したように見えたが、その心変わりも説明なしに描かれるので、なんだかよくわからない。
仕事で中国に渡り、米国にウィルスを持ち込んじゃった会社員は哀れにも死んでしまったが、彼の息子が感染したのに、どうして生き残れたのかは不明。
知事は最初、隔離政策を採用して市民の分断を煽っていたが、自分の息子が死んだことで心変わりして、自ら現場に出向いていくようになる姿が描かれていたが、だから何なんだよ。
てな感じに、パンデミックの恐ろしさは感じられるが、物語としてはぜんぜん心に染み入ってこないつまらない作品であった。
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