ビハインド・ユー その「何か」は、鏡の中にいる
叔母の家に引っ越してきた姉妹の妹が、家に潜む何かにとりつかれてまう。姉と叔母は妹を救えるのかーー。少女が謎の存在にとりつくありがちな悪魔つきっぽい話。細部が適当すぎるし恐ろしさも感じない残念作品。ネタバレあり。
―2020年製作 米 86分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:鏡から解き放たれた“何か”に取り憑かれるホラー。母親を亡くし、一時的に叔母の家に預けられることになった姉妹、オリビアとクレア。ある晩、幼い妹・クレアは寝ている時に不思議な声を聞き、地下室の鏡の前で言われるがままに呪文を唱えてしまい…。(KINENOTE)
あらすじ:幼い姉妹は、「何か」と戦うすべをまだ知らない。母親を亡くし、一時的に叔母の家に預けられることになった姉妹、オリビアとクレア。しかし2人はある異変に気が付く。叔母の行動や暗い気配の漂う室内、そして鍵のかかった地下室に集められた鏡…。ある晩、幼い妹クレアは寝ている時に不思議な声を聞く。その声に従い地下室に踏み入ったクレアは、鏡にとあるメッセージを見つけ、言われるままに呪文を唱えてしまう。すると鏡から「何か」が解き放たれ、クレアは取り憑かれてしまう。「何か」の驚くべき正体とは。叔母がその家で体験した壮絶な過去とは。そして姉オリビアはクレアを救えるのか。2人はまだ、「何か」と戦うすべを知らない…。(amazon)
監督‣脚本:アンドリュー・メシャム/マシュー・ウェドン
出演:エリザベス・ビルクネル/アッディ・ミラー/ジャン・ブロバーグ/フィリップ・ブローディー/エイミー・リン・チャドウィッグ
ネタバレ感想
アマゾンプライムで配信されてたので鑑賞。最初から期待しないでいたので、まぁこんなもんだよなぁっていう感じ。
謎の存在に少女がとりつかれちゃうってな設定の作品は有名から無名まで腐るほどあって、今作もその辺の既存作品を踏襲したような内容。目新しさもほとんどない。いたって地味。
その中でこの作品で必見というか特筆すべき点があるとすれば、少女にピーナッツバターに対するアレルギーがあって、その発作を意図的に起こすことで彼女にとりついた謎の存在を追い出すという(笑)。なるほど、序盤の食事中に起こった発作のシーンはこのための伏線だったのだなと納得させられるが、実にバカバカしい展開だ。
あのまま謎の存在が少女から脱出して何らかの形で封印に成功してたとしたら、それはそれで、スーパーバカ映画としてかえって評価に値するような気もする。しかし残念ながら、そこからもうひと悶着あって、お約束通りなホラー展開が続くので、なんともつまらん終わり方だったなぁという感じ。謎の存在については叔母さんがいろいろ調べてたけど、けっきょく何だったのかは最後までよくわからん。姿もチョロっとしか見せないし。
そのほかに個人的に気になった点を述べておくと、冒頭で叔母さんとチャールズが若かった40年前、叔母さんの妹が鏡の中に何かにとりつかれてしまうという、ホラー的掴みとなる恐怖シーンがある。あそこで、チャールズと叔母さんと妹は一緒の部屋にいて、そこへ「夜も遅いのでチャールズは家に帰りなさい」とその場をお開きにするよう声をかけに来る人物がいる。
この人物がけっこう若く見えて、叔母さんたちは3姉妹なのかなと思って観続けてたんだけど、どうやらあの人は、後に死んじゃうことになるお母さんだったのかなぁ? どうでもいいシーンではあるのだが、なんだかラストまで気になってしまった。
もう一つ。姉妹を叔母の家に送ってやったり、いろいろ世話してやったりしてた女性。この物語はチャールズのほかに彼女が犠牲者になるんだけど、彼女の死ってめちゃ軽く扱われてるよね。チャールズは死体遺棄しちゃってるし(笑)。親切でいい人だったのに、訳もわからず殺されちゃってるうえ、ラストの警察の調査でも全く彼女の存在に言及されないし、さすがにあのスルーっぷりはダメだろ。
あとその警察だが、ラストでこの事件を叔母さんとチャールズの「心中事件として処理する」とか抜かしてたが、そんなアホな話あるだろうか。そんなわけで、何ともいい加減な内容の作品であった。
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