バンコック・デンジャラス
ニコラス・ケイジ扮する殺し屋のジョーが、自分でつくった仕事の掟を破りまくって窮地に陥る話(笑)。アクションは普通だし、何となく先が読めちゃう展開だけど、変な髪型のニコラス・ケイジがバンコクを舞台にいろいろ頑張る姿が拝める、そこそこ面白い作品です。ネタバレあり。
―2009年公開 米 100分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:完全無欠の暗殺者が犯した唯一のミスが全てを狂わせていくサスペンス・アクション。「ゴースト・ハウス」で全米進出を果たしたオキサイド&ダニー・バン兄弟が、アジア時代の「レイン」をセルフリメイクした。出演は「NEXT ネクスト」のニコラス・ケイジ、「セブンソード」のチャーリー・ヤン、「沈黙の聖戦」のシャクリット・ヤムナームなど。(KINENOTE)
あらすじ:世界を股にかける凄腕の暗殺者ジョー(ニコラス・ケイジ)は“完璧な計画”、“痕跡の隠滅”、“契約の遵守”という自身に課した殺しのルールを頑なに守り続け、100%の成功率で仕事をこなしていた。プラハでの仕事を終え、真の引き際を悟った彼は最後の仕事の場所としてバンコックを選ぶ。4件の殺人依頼。手始めにジョーはいつものように、英語が話せて、金で動き、仕事の後に良心の呵責を覚えることなく消してしまえる現地のアシスタントを探す。その適役コン(シャクリット・ヤムナーム)を見つけたジョーは、依頼主である暗黒街の大物スラット(ニラティサイ・カルヤルーク)の連絡係を務めるダンサーのオーム(ペンワード・ハーマニー)から、暗殺司令のスーツケースを受け取る。最初の標的を片づけたジョーは逃走中に負傷、薬局に駆け込むと耳の不自由な店員フォン(チャーリー・ヤン)が応対する。身振り手振りで薬の用法を説明する彼女に、警戒心を解き思わず笑顔を見せるジョー。その後、第2、第3の依頼をこなしていったジョーは、最後の1件を前にしてかつてない違和感を覚える。最後の標的は一人の政治家だった。政治的な暗殺は元々の契約には入っておらず、彼は躊躇する。だが、引退を目前にしているという現実、そして自分の中に目覚めた変化が彼の迷いを振り払い、実行に移すことを決意させた。街を行くパレードに参加している標的に、ジョーはビルの一室から狙いを定める。彼は人生最後の引き金を引こうとするが、それが全てを狂わせる始まりだった……。(KINENOTE)
監督:オキサイド・パン/ダニー・パン
出演:ニコラス・ケイジ/チャーリー・ヤン/シャクリット・ヤムナーム/ペンワード・ハーマニー
ネタバレ感想
冒頭、運び屋として雇っていた白人を殺しているジョーは、自分のつくった掟に従って仕事を全うするプロの殺し屋だった。しかし、引退を考えつつ向かったバンコクでの4つの依頼では、掟を破りまくって人生エンジョイしちゃっている姿が描かれる。例えば、単なる運び屋として最後は殺すつもりだったであろうコンを弟子にしちゃうし、薬剤師の女性に恋をして、デートを楽しんじゃったりしている。
薬剤師に恋しちゃうのは何となくわかるけども、これまでのジョーだったら絶対関わりを持たなかっただろうに、この物語では手を出しちゃう。あと、何でコンを弟子にしたくなったか、唐突すぎて意味がわからんかった。まぁでも想像するに、物語冒頭で孤独について独白していたジョーは、ベトナムに来たらその孤独に耐えられなくなっちまったんだろうなと思う。
殺し屋は一匹狼でないとダメなのに、ジョーはそれができなくなってしまうのだ。で、自らの身を守るための掟を破ってしまい、破滅に突き進んでいく。殺し屋を描いた作品としては、そう考えるとやっぱりありがちな展開ではある。本来、殺し屋は孤独でなければならぬのだ。最後の仕事をきっちり終えて引退してから、薬剤師とイチャイチャすればよかったのにね。
とはいえ、バンコクの街並みを観られるのがいいし、ありがちな展開と言いつつも、話の内容は嫌いではないので、そこそこ楽しめる作品でした。
オキサイド・パン監督って、『極限探偵』シリーズがあるけども、あれもタイが舞台の映画だったような。名前がタイ人っぽいし、なんかゆかりがあるのかも。鑑賞していたら、またタイに行きたくなってきた。タイ料理も食べたい。
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