カリフォルニア・ゾンビ逃避行
ゾンビウィルスが蔓延した世の中で、片思いの女性を助けるために旅立った青年・アーティの青春ゾンビ物語。ツッコミどころも多いが、そこそこ楽しめます。ネタバレあり。
―2013年製作 米 84分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:突如現れたゾンビ軍団と戦うことになった若者の姿を描くパニック・アクション。監督は、「Barrio Tales」のジャレット・ターノル。出演は、「メッセージ そして、愛が残る」のリース・トンプソン。2013年シッチェス映画祭公式出品。“カリテ・ファンタスティック! シネマコレクション2014”で上映。(KINENOTE)
あらすじ:平凡な学生アーティ(リース・トンプソン)は、片想いの幼なじみを訪ねて車を走らせていた。すると突然、道にゾンビが現れる。パニックになったアーティは車を木に激突させる。気がつくと、辺りは人喰いゾンビが大量発生していた。アーティは左手をゾンビに噛まれるが、神をも愚弄する牧師、マリファナ中毒の幼なじみが率いるゾンビキラー集団に助けられる。バットや弓矢、銃でゾンビと戦ううち、アーティも勇敢なゾンビキラーに変貌を遂げていく。なぜかただひとりゾンビに感染しない彼は、世界の救世主なのか……?(KINENOTE)
監督:ジャレット・ターノル
出演:リース・トンプソン/レベッカ・ブランデス/ブレント・ターノル/ステファニー・ハント/トッド・スタッシュウィック/ロジャー・バート
ネタバレ感想
引きこもり青年の青春ゾンビ作品
レンタルで鑑賞。たまに観たくなるゾンビものの作品。似たようなタイトルに『ロンドンゾンビ紀行』ってのがあるけど、特に関連はない。公開時期も近いので、邦題つける際にどっちかが影響されたってことなんかも。
簡単に言えば、引きこもりの青年が惚れた女を助ける&会いたいがために、ゾンビが蔓延る世の中を生き抜いて、その中でいろいろの体験をしつつ成長していく青春作品みたいな感じ。
ゾンビ化しない主人公
この作品で特徴的なのは、主人公のアーティがゾンビ騒ぎが始まってけっこう早い段階でゾンビに噛まれて感染しちゃうところ。しちゃうんだけども、彼が服用してた精神科の薬が効いたらしくて、ゾンビ化しないまま旅を続けることになるところだ。
薬が切れちゃうとどうやらゾンビになっちゃうみたいなので、彼はそれが特効薬だと気づく。であるから、惚れた女であるエイプリルを救ってからは、今度は主治医にこの薬が特効薬になることを知らせる使命を帯びることになる。
ラストはハッピーとも言えず
なるけども、ラストにシェルターにたどり着いて家族とも再会を果たしたのに、突然のゾンビの襲撃で家族は全滅。アーティもエイプリルを守るために戦った結果、ゾンビになっちゃってエイプリルに射殺されて死亡。特効薬を世に知らしめる使命はエイプリルが背負うことになるのであったーーという終わり方をする。
この終わり方は、コメディチックに進む物語なのでハッピーに終わるんかなと思わせておいてそういう展開になるので、そこはなかなか驚きどころであった。
ツッコミどころもたくさん
ただ、最初の30分くらいはこの主人公のダメさが描かれるだけで、それなりにモテる割にはほぼ両思いなのに好意を伝えられないアーティのボンクラぶりが描かれるだけで退屈。
あと、道中で出会う女の子とけっこうイイ感じになるのに、彼女やインチキ牧師(神父?)があっさり死んじゃうのもなんかもったいない。親友役の奴はそれなりに関係が描かれていたが。
インチキ牧師は教会に人を集めてゾンビに襲わせてはそれを狩るという何とも面倒なことをしてたと思ったらアーティの登場で急に方針を変えて移動を始めるのもなんか脈絡がない。
あと、前述した女のはエイプリルと再会したときに生きていて、そこでアーティは板挟みになっていろいろあるという展開を期待してたんだが、尺のせいなのかなんなのかあっさり死んじゃって、物語にさしたる効果をもたらしていないような。
アーティの成長ぶりもなんだか唐突だし、あれは恋の力は偉大ってことなんかもしれんが、だとしたらやっぱり、道中で会う人たちなんてある意味どうでもいいわけで、そういう中途半端さは感じたかな。
まぁでも、尺が短くてあっさり観られるし、他にも糞ゾンビ作品は死ぬほどたくさんあるわけだから、そういう意味ではそれなりに楽しめる作品であった。
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