メタルヘッド
事故で母を失ったTJが偶然出会った上半身裸のことが多いメタル野郎との関わりと、美人なナタリーポートマン扮するニコールに恋をすることなどで少しだけ成長する話。もうちょっと劇的な何かが起こっても良さそうなんだけど、地味に終わってしまうところが惜しい。ネタバレあり。
―2010年製作 米 106分―
解説:数々の短編映画などで注目を浴びたスペンサー・サッサーの長編監督デビュー作。出演は「インセプション」のジョセフ・ゴードン=レヴィットと、プロデューサーも兼任した「ブラック・スワン」のナタリー・ポートマン。突如現れた型破りな男の言動が、人生に傷ついた人々を再生させてゆく。サンダンス映画祭でも話題を集めた。(KINENOTE)
あらすじ:自動車事故で母を失い、心に大きな傷を負った13歳の少年TJ(デヴィン・ブロシュー)と、妻の死から立ち直れないその父親ポール(レイン・ウィルソン)。そして、人生を見失い、スーパーのレジ係として働く女性ニコール(ナタリー・ポートマン)。彼らの前に突然、長髪で半裸の謎の男ヘッシャー(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)が現れる。TJの祖母の家に勝手に住みついたヘッシャーは、大音響でヘヴィメタルを流しながら、下品で乱暴な言動によって様々なトラブルを起こす。だが、過激でパワフルな彼のバイタリティは、暗く沈んでいた者たちを勇気づける。それによって、彼らはもう一度前を向き、新たな人生を歩み始める……。(KINENOTE)
監督:スペンサー・サッサー
出演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット/ナタリー・ポートマン/レイン・ウィルソン/デヴィン・ブロシュー/パイパー・ローリー
ネタバレ感想
踏んだり蹴ったりなTJ
公開当時だったかレンタルが出回り始めてからだったか忘れたけども、予告を観てものすごく面白そうな作品に思えて期待して鑑賞したら、そうでもなかった。
今回、久しぶりに存在を思い出して再鑑賞したところ、初見時と特に感想は変わらないかなぁ。
再鑑賞する前にどんな内容だったか思い出そうとしたんだけど、覚えていたのはニコールとメタル野郎のヘッシャーがセックスしてて、それをTJが目撃しちゃうシーンだけ(笑)。
あと、このメタル野郎をジョセフ・ゴードン=レヴィットが演じていたのを今回知った。前回鑑賞時は彼の存在を俺は知らなかったようだ。
でまぁ、再鑑賞した結果、面白いんだけど、なんだか物足りない終わり方だなぁというのが正直なところ。TJとメタル野郎が出会うシーンとかは、メチャクチャで面白いんだけどなぁ。
その後、メタル野郎のヘッシャーがTJの家に当たり前のように住みつき始める展開なども楽しめて、この話がどういう展開を見せるのかなとワクワクさせてくれる。
だが、その後の話はTJのおばあさんが亡くなったり、TJのニコールへの淡い思いが裏切られたりなど、起伏はあるもののなんだか物足りないのだ。TJは踏んだり蹴ったりで気の毒。
そんな彼がヘッシャーによるおばあさんへの弔辞によって、父とともに過去を振り切って成長して物語は終わる。それなりにまとまっていて、きれいに終わっているように見えるんだけども、やっぱり何かが物足りない。
ヘッシャーの存在感が…
考えてみるに、それはヘッシャーの存在の物足りなさにあるんではないか。序盤こそ破天荒でメチャクチャな奴に見せておき、実際彼は不法侵入や車の爆破など犯罪行為をたくさんし続けるんだけども、ばあさんとのかかわりや、ニコールを寝取ったあとにショックを受けてるTJを気遣ったり、実はけっこうまともな奴でもある。
そのまともさというか彼の優しさが描写されるのはいいんだけども、なんとなく破天荒キャラとしての存在感が薄まってしまっているようにも感じる。
ナタリーポートマンの演じるキャラが魅力的
ということで、もっと面白くなりそうなのに地味に終わってしまう感じが非常に惜しい作品。ただ、地味でついてない女性を演じるナタリーポートマンが非常に美人。彼女は俺にとってそんなに思い入れのある役者ではないものの、今作の彼女のキャラは非常に魅力的で、容姿がまた絶妙。
着飾ってなくて、化粧もあんまりしてない地味な見た目なのに、エロスを感じるのである。しかも、性格もとてもいい女性なので、現実にあんな人がいたら、恋しちゃうだろうなぁと思うくらい魅力的。
初見時には感じなかった印象なので、十数年の時を経て、俺の中の何かが変化したんだろうねぇ。ともかく、彼女を見れただけでよかったかな。と、こう書いているだけでも胸がキュンキュンしてきたぞ(笑)。
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