ワールド・ウォーZ
ブラピ扮する元国連調査員が、世界的なゾンビ騒ぎの渦中で、家族のためにウイルスの感染源を探して奔走する話。ネタバレあり。
―2013年公開 米 116分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:マックス・ブルックスのベストセラー小説を原作に「007/慰めの報酬」のマーク・フォースター監督が映画化。人類を滅亡させる謎のウィルス拡散を阻止するため、世界を奔走する国連職員の姿を描く。出演は「マネーボール」のブラッド・ピット、「L.A.ギャング ストーリー」のミレイユ・イーノス、「SHAME シェイム」のジェームズ・バッジ・デール。2D/3D同時公開。(KINENOTE)
あらすじ:中国僻地で発生した謎のウィルスが爆発的に全世界へと拡大。このままでは、世界は90日以内に滅亡する。全人類を絶滅へと導くウィルスの感染を防ぐため、元国連調査官のジェリー(ブラッド・ピット)は、愛する家族と離れ、世界を駆け回る。しかしすでに政府と軍隊は崩壊、感染の速度は加速し続けていた……。(KINENOTE)
監督:マーク・フォースター
出演:ブラッド・ピット/ミレイユ・イーノス/ジェームズ・バッジ・デール/マシュー・フォックス/スターリング・ジェリンズ/アビゲイル・ハーグローヴ/デイヴィッド・アンドリューズ/デヴィッド・モース
ネタバレ感想
規模がグローバルで楽しめる
初見のときは、ラストを放り投げて何も解決せずに終わってしまったような印象で、あまり面白くない作品だったという記憶があったけど、そんなことはなかった。当時は単に、俺が疲れてたのか酔っぱらってたのかなんかで眠っちゃっただけなんだと思われる。こうしてもう一度鑑賞してみたら、印象が変わった。という意味で、観ておいてよかったかな。
金をたくさん使って大規模な撮影をしてそうな感じで(実際にどうかは知らん)、あまり面白くない作品になっちゃうと、より期待外れ感が増すわけだが、例えば、最近(2021年6月現在)ネットフリックスで配信された『アーミーオブザデッド』はまさにそんな感じだった。
一方で、この作品はブラピのプロモーションかと思うくらい彼のカッコよさをクローズアップしながら、最後までハラハラする展開になっていた。
特に、序盤のゾンビがわらわら増えていく描写から、ブラピが前職の上司に救出されて、任務のために韓国にあるアメリカの米軍基地に向かうくだりは、非常にスピーディ。
しかも、基地の周辺で話が展開するのかと思ったら、キーマンたる人間が、つまらない理由であっさり死んじゃうというお笑いシーンがあって、ブラピはキーマンのサポート役から、自分の力で感染源を求めてイスラエルに向かうことになる。そういうところが、ほかのゾンビ作品と比べて舞台の規模がグローバルで、新鮮に思える。
ラスト後の多様性ある選択もなかなかよい
通常のゾンビ作品は、一つの場所に立てこもったり、大きな規模でも一つの都市の中で話が進むパターンが多く、もちろん他の土地でもゾンビ騒ぎは起きているという描写はあったりするんだが、この作品は主人公が感染源探しからワクチンづくりへと目的を変えながら世界規模で移動をするので、世界全体がゾンビパンデミックの脅威にさらされている状況が描写されていて、そこがいいのだ。今の感じだと、どうしてもコロナ禍を想起させられる。
ブラピの不死身っぷりに突っ込みたいところは多々あるが、世界規模なゾンビ騒ぎぶりがけっこうスリリング。ラストには多少の希望も見せて終わっていて、娯楽作品として楽しめる。
ラストの描写を観るに、ワクチンが世界に広まるまで耐え抜く集団だけでなく、ゾンビたちと全面戦争を続ける集団などもあって、その辺の選択の多様性なんかも、昨年のコロナが世界に広がっていった際の各国の対応などと比べても、なかなか興味深いものがあった。
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