アビス完全版
海底油田の採掘業に従事するエドハリス=バッドの率いるスタッフが、シールズの指揮で海底に沈んでいる原子力潜水艦の救出に向かう海洋SF作品。あたりまえだけど、エドハリスがまだまだ若い。ハゲてるけど(笑)。ネタバレあり。
―1993年製作 米 171分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:ジェームズ・キャメロン監督製作の、深海SF映画の完全版。出演はエド・ハリス、メアリー・エリザベス・マストラントニオほか。(KINENOTE)
あらすじ:深海。アメリカ海軍の原子力潜水艦が謎の物体に襲われ、救助活動の基地として選ばれたのは海底油田採掘用試作品住居<ディープコア>だった。バッド・ブリッグマン(エド・ハリス)を始めとする9人のクルーのもとに、コフィ大尉(マイケル・ビーン)が指揮する海軍のダイバー・チームと、ディープコアの設計者リンジー(メアリー・エリザベス・マストラントニオ)がやって来る。実はバッドとリンジーは離婚間近の夫婦で、ふたりは事あるごとに対立するのだった。そんな折、クルーのジャマー(ジョン・ベッドフォード・ロイド)が救助中に巨大な光る物体を目撃し、ショックで昏倒してしまう。そしてリンジーも、その光を見た。一方コフィたちは、バッドたちに無断で原潜から何かを回収する。その頃海上は嵐に襲われ、基地を結ぶ連絡ケーブルが切れた挙句、音信不通となり、クルーからも犠牲が出た。被害状況を調べるために外に出たリンジーは、海溝から姿を現わしたあの光る物体と再び接触するが、バッドたちはその事を信じない。やがてリンジーは、コフィが原潜内から回収したものが核弾頭であることを知り激しく詰め寄るが、彼は潜水病とストレスからの緊張感で狂気の世界に入り始めていた。そんな時、光る訪問者がやって来てクルーとコミュニケーションをとり始めるが、それによってコフィの狂気はエスカレートし、海溝で核弾頭を爆発させようとする。その危機を救ったのは昏睡から醒めたジャマーで、バッドは潜水艇で海中に出たコフィを追ってリンジーと共に、必死の追撃戦を展開する。激しい戦いの末に、コフィの艇は海溝に落ちてゆき、水圧で爆死した。バッドとリンジーを乗せた艇も損傷が激しく、バッドが潜水ヘルメットをかぶってディープコアまで到着した後、溺れたリンジーを蘇生させるのだった。そしてバッドは、海溝に落ちた核弾頭の起爆装置を解除するため、液体酸素で満たしたヘルメットと潜水服を着て、底知れぬ深淵へと潜ってゆく。そして彼は起爆装置のコードを切断することに成功するが、液体酸素はディープコアに戻るまでなかった。こうして死を迎えようとしているバッドを救出するのは、あの光る巨大な物体だった。やがて嵐は去り、地上と交信が再開され、リンジーたちはバッドが生きていることを知り歓喜する。そしてふたりは夫婦としての絆を取り戻すのだった。(KINENOTE)
監督・脚本:ジェームズ・キャメロン
出演:エド・ハリス/メアリー・エリザベス・マストラントニオ/マイケル・ビーン/キャプテン・キッド・ブリューワー・J r/レオ・バーメスター/トッド・グラフ
ネタバレ感想
友好的なエイリアン
おそらく地上波で完全版でないやつとかは鑑賞したことあるんだと思うけど、まったく内容覚えてないし、安く売ってたのでDVDを購入して鑑賞。さすがに『エイリアン2』や『ターミネーター』シリーズのジェームズキャメロンが監督だけあってか、完全版でない初期の奴は80年代の作品なのに、深海艇や基地などメカの描写がチャチじゃなくてリアル。
80~90年代頃の海洋SFパニック作品っていうと、モンスターが出てくる『リバイアサン』『ザデプス』、異星人ものだったら『スフィア』なんてのが思い出される。今作は後者のエイリアン的なお話で、けっこう人類に対して友好的。
こいつらは、水を自在にコントロールできる文明力があって、地球を汚染するなど、ろくなことをしない人類を抹殺すべく、超巨大な津波で人類を滅亡させたろうとしてたんだけど、バッドが他者を救うために自己犠牲を払える高潔な精神を持っていることに関心し、彼を助けてあげるし、彼の中に人類への希望を見出して、津波での浄化を止めちゃうのである。
最後は深海で身動きが取れない採掘基地のメンバーを助けるために、自分たちの宇宙船ごと海上へ浮上して、人類に姿をみせてあげるサービスつき。その後はどうなったのかは物語が終わっちゃうのでよくわからんが、ともかくそんな奴ら。しかしまぁ、バッドみたいな人間なんて、ほかにもいるだろうから、彼の頑張りだけで考えを変えちゃうところなんて、単純だなと。
マイケルビーン(笑)
まぁそういう意味では、話自体はどうってことない大味な内容。エイリアンもさほど物語に大きく絡んでこなくて、大部分は原子力潜水艦の救出(できてないけど)と基地で起こるトラブルなどにジタバタする話。
バッドたちの任務には派遣されてきたシールズの軍人がいて、これの隊長をマイケルビーンが演じてて、こいつがボンクラ野郎なせいで話がややこしくなってて、こいつをなんとかするためにバッドたちはいろいろ頑張るような内容なのだ。
マイケルビーンといえば、キャメロン監督作では『ターミネーター』や『エイリアン2』で戦士や軍人役やってて、そっちの二つは恰好いいだんだけど、それだけに今作でのダメっぷりというか、狂者ぶりが際立つ。目がイっちゃってるからね(笑)。という意味ではそこが見所ともいえる。
エドハリス(ハゲ)が悪役ではない
あとは、エドハリスがまだまだ若い。もうハゲてるけど(笑)。そういえば、今作では英雄的な活躍をするエドハリスだけど、彼の役どころ=悪者ってイメージって、俺の中でいつ頃ついたんだろうか。90年代か2000年代くらいとそれ以降、彼の出てくる映画って、だいたいこいつが黒幕だろうなと思わせておいて、本当にそうだったりするからね(笑)。
で、話を戻すと、上述した大味な展開の中で、主人公と疎遠になってる彼の奥さんが絆を取り戻してハッピーエンドを迎えるという。これもまた、よくあるパターン。という意味では、王道な娯楽作品ではありますな。
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