ウルフ・オブ・ウォー ネイビー・シールズ傭兵部隊VS PLA特殊部隊
―2014年制作 中 96分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:秘密のベールに包まれた特殊部隊をリアルに描くアクション。命令違反を繰り返し懲罰某に入れられていた狙撃種・レン軍曹。彼の本質を見抜いた女性司令官・ロン中佐は、彼を特殊部隊“戦狼”に引き抜くのだが…。ウー・ジンが監督・脚本・主演を担当。(KINENOTE)
あらすじ:狙撃手のレン・フェン軍曹は、命令違反を繰り返し懲罰房に入れられていた。上層部からは厄介者と疎まれる一方、高度なテクニックと的確な判断力で、作戦を成功に導くレンの本質を見抜いた女性司令官ロン・シャオユン中佐は 彼を特殊部隊“戦狼”に引き抜く。問題児で構成された“戦狼”は鳴物入りの新人に戦車部隊による手荒い洗礼を施す。しかし、臆することなく立ち向かったレンを部隊は歓迎、数多の厳しい軍事訓練を乗り越え、いつしか“戦狼”はひとつとなる。しかしそんな彼らを元ネイビー・シールズの傭兵部隊が急襲する…。(Amazon)
監督・脚本:ウー・ジン
出演:ウー・ジン/ユー・ナン/スコット・アドキンス
ネタバレ感想
ウージンが監督・脚本・主演を務めたアクション作品。2作目を先に鑑賞していて、今回、アマゾンプライムで今作を発見したので鑑賞してみた。やっぱり中国万歳臭が前面に押し出された内容で、その辺がある意味でお笑いポイントではある。で、内容はどうかというと、2作目のほうが面白いね。
内容的にはメチャクチャな話だったのは2作目と同じ。というか、こっちが最初の作品なんだから、2作目もその流れを保ったということだろう。にしても、今作はアクションが少なめに感じるし、その内容もなんか楽しめないんだな、残念ながら。
せっかくウージンが自分で監督まで務めてるんだから、もっと自分のアクション前面に出せばいいのに、何かドラマパートに力入れてる感がある。しかも、そこが全然おもしろくないという。上官との恋模様とか、戦狼の隊員たちと絆を深めていくような描写があるんだけども、取ってつけたような展開で、まったく深みが感じられず心が動かない。
敵側のアクション担当にわざわざスコットアドキンスを使ってるのに、彼の格闘アクションも、ラストでウージンと戦うくらいなもんで、あとはその強さの片鱗くらいしか見せてもらえない。そういう意味では、もったいつけたウージンとのラストバトルはかなりの期待をしてしまう。で、実際そのナイフと蹴り技を駆使したアクションはすごいんだけど、なんだ、これだけかーーみたいな残念さもあった。何が物足りないのかはよくわからんが。
この対決には笑っちゃうシーンがあって、アドキンスの超絶ハイキックを側頭部に受けたウージンが、すさまじい勢いで地面に倒れ、蹴りを受けた逆側の側頭部を地面に打ち付ける。このシーンの躍動感が素晴らしい(笑)。マジでスコーンと倒れてガツーンて頭打ってるからね。しかも、その追い打ちに顔面を蹴られるというオーバーキル状態だ。普通なら死ぬでしょ。
お笑いポイントは他にもあって、序盤のほうでヘリに吊り下げられて上機嫌で踊るウージンもおすすめ。めちゃ楽しそうなでお茶目な表情が可愛い。
その他に、ツッコミどころも満載で、そもそも中国人民解放軍の素晴らしさをプロパガンダ的に活用する気満々な作品なのに、肝心の戦狼をはじめとする自軍の兵士たちが弱すぎだろ。また、自分たちの演習場に、あんなにアッサリと敵の潜入を許しちゃってるのはいかがなもんか。
あと、「人民解放軍を舐めてはけない、負けることはない」的な誰かの独白みたいなセリフとかはマジでお笑いでしかない。この作品はその辺のセリフを裏付ける説得力に欠ける内容で、「ウージンを舐めてはいけない、ウージンは強い」というところについては説得力があるので、人民解放軍の象徴としてのウージンが軍神となっていく様を描いたという内容ということで理解した。
これ、検閲されて世に出てるんだよね、きっと? であるならば、中国政府が認めたウージン映画ということにしておく(笑)。ウージンが縦横無尽に暴れまわる2作目は、ある意味で正しい方向性だったということで。
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