ウィッシュ・ルーム
田舎町に引っ越してきた夫婦が、新居に謎の隠し部屋を見つける。なんとその部屋は、自分が欲しいと思った「物」であればなんでも具現化してくれるのである。欲望のままにその部屋の力を使いつくした二人の行きつく先には何が待っているのかーーネタバレあり。
―2019年製作 仏=盧=白 99分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:オルガ・キュリレンコ主演、欲望と狂気が暴走するサイコスリラー。N.Yから田舎に移住した若い夫婦は、新居で願ったものが何でも手に入る奇妙な隠し部屋を見つける。やがてふたりは贅沢に明け暮れ、子どもを切望する妻・ケイトはその願いを叶えるが…。(KINENOTE)
あらすじ: ニューヨークから田舎に移住した若い夫婦。二人は新居に奇妙な隠し部屋を見つける。それはなんと、願ったものが何でも手に入る部屋だった。大金、ドレスや宝石、名画の数々…。夢のような出来事に初めは戸惑いながらも、やがて贅沢に明け暮れる二人。だが彼らの欲望は次第にエスカレートしていく。子供を切望しながらも恵まれずにいた妻のケイトはある日、ついに部屋でその願いを叶えてしまう。しかし、幸せもつかの間、部屋で生まれたものは家から出すと消えてしまうことがわかり――。(KINENOTE)
監督・脚本:リスチャン・ヴォルクマン
出演:オルガ・キュリレンコ/ケヴィン・ヤンセンス/ジョシュア・ウィルソン/ジョン・フランダース
ネタバレ感想
オルガキュリレンコ目当てで鑑賞。特に期待してなかったけど、面白かったな。それはやっぱり、あの部屋の存在が大きい。なんであの部屋では望んだものを具現化できるのかとか、無数の電気コードが絡まりあってるところとか、その辺は最後まで謎。でもまぁ、その謎さを突っ込みたくなることもなく、物語を最後まで展開しているところは、なかなかすごい。要するに楽しめるのだ。
この部屋の設定が面白いのは、物質であれば何でも具現化できるので、人間もつくれるし、世界すらつくれるところ。作品内では、部屋の中に広大な自然のあふれる空間をつくってたけど、何でもありなら宇宙でもつくれるわけで、俺だったらあそこに別の世界をつくって、別の人生を送ることにして…などという楽しみ方を想像してしまった。
飽きたら外に出てくることだってできるから、かなり楽しめそう。やろうと思えば悪いこともいっぱいできるわけだし、ともかくなんでもあり。物欲を完全に満たしてくれるなんて、すごい。いいねぇ。ただ、人間の心だけはどうにもならんから、いくら物欲で満たされ続けても、そのうちそんなもんには飽きてきちゃうってのは当たり前のことではあるが。
あと、ポイントになってるのが、あの部屋で作られた物質は、家の外に持ち出すと経年劣化してしまうというところ。だから、物語内でオルガキュリレンコが息子として作った人間も外に出ると年を取っちゃう。この設定がまた物語に面白みを加えていて、キュリレンコは成人した自分の息子に犯されてちゃうことによって、ラストの謎めいた感じが生きてくる。果たしてあれは、旦那の子供なのか、それともーー。
ということで、物欲なら何でも満たしてくれる部屋という、ありそうであんま類似作品が思い浮かばないこの部屋の存在が、この映画の面白さを支えていると思われる。オルガキュリレンコ目当てだったけど、この作品の彼女はそんなに魅力はなかった(笑)。
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