The Soul: 繋がれる魂
―2021年製作 台 130分―
解説・スタッフとキャスト
解説:ひとりの実業家が死を遂げた不可解な事件。捜査に乗り出した検察官とその妻は、やがて恐ろしい秘密にたどり着き、自らの生と死の狭間で葛藤することに。(Netflix)
監督:チェン・ウェイハオ
出演:チャン・チェン/クリストファー・リー/チャン・チュンニン
ネタバレ感想
ネットフリックスで配信されたので、鑑賞。前知識全くない状態で見たら、けっこう楽しめた。殺人事件に仏教的悪魔崇拝の話を絡めた内容っぽく始まるものの、次第にSFチックになっていくごった煮な作品で、一回鑑賞しただけでは細部はよくわからん。
わからんが、大筋だけイキナリネタバレしておく。だがすでに、登場人物たちの名前を忘れてしまってるので、非常に読みづらい内容になってるのは、勘弁していただきたい。ごめんな。
ということで、王CEOを殺したのは、王CEOがRNA手術? によって自分の脳の情報を移植した2番目の奥さんだったみたい。要するに、自分が自分を殺したと。では、王CEOの息子は何だったのかって言うと、王CEOの元奥さんで自殺した人の復讐のつもりで彼は行動してたわけだが、彼にそうしむけて自分が王CEOを殺したと思わせるように裏で操ってたのは、2番目の奥さん(王CEO)ということのようだ。
この時点で作品を鑑賞してない人には何言ってんのかよくわからんと思うが、鑑賞後の俺も、自分で自分を殺すなんてことできるわけないだろってな意味で、よくわからん部分が多い。
王CEOとそれをサポートしてたオッサン、物語の中盤以降で実は愛人関係にあったことが判明する。これがこの物語の一番の驚きポイント。
どうして男同士で愛人なのかというに、王CEOが性同一性障害みたいのを抱えてたらしく、要するに心は女なのだ。であるから、女になるために自分の研究を進めて、2番目の奥さんに乗り移る。んで、彼女の子どもが生まれたらそれに乗り移る。それを繰り返すことにより、自分は女として生きつつ、会社経営もずっと続けたいーーという野望があったようだ。
しかし、いろいろあって、その野望は主人公の検察官と王の愛人たるオッサンによって阻止される。ガンに侵されて身体が使い物にならなくなっていた検察官は、王CEOたる2番目の奥さんに対してRNA手術を利用して脳を複製し、検察官=2番目の奥さんの姿として生きることになったのであった。
とか、マジで何書いてあるかよくわからないが、おそらくそういう話だったんではないかと。
自分の脳を他人にコピーするとか、そんなことできるんかいな。というところがSFチックなわけだが、さっきも書いたように、俺がおかしいぞと思ったのは、死の病に侵されて満足に動けない王CEOが、自分の複製した2番目の奥さんに殺されるシーンだ。何で自分が生きてるのに、複製された奥さんのほうも自分だと認識できるのか、意味がわからない。この作品では、魂について言及されるシーンがあるが、この自分殺しのシーンの王の魂はどっちにあるのか、それがよくわからんのである。
しかし、これは単なる推測で、今作品を一緒に鑑賞した人の解釈によると、いくら脳を複製したとしても、元の人格などは多少は残っているのであり、そう考えれば、王CEOを襲ったのは、単に2番目の奥さんだったのだという考え方はできる。なるほど。それはそうかもしれない。
しかしだな、作品の話からはずれるけども、仮に自分の脳を他人にコピーできたとして、それが成功したからといって、複製先の自分は本当の自分であると信じて疑わないなんてこと、あるだろうか。
仮に俺だったら、コピー先の自分が自分であるかどうかは、確信できないんだが。俺が何を言っているのか分からない人は、哲学者、永井均先生の『転校生とブラック・ジャック――独在性をめぐるセミナー』を読んでみてください。
コメント