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映画 ザハント ネタバレ感想 上級国民が下層市民を襲う人間狩り

ザハント
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ザ・ハント

―2020年公開 米 89分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:過激な世相風刺と暴力的な内容が問題視され、米国では9月の公開が無期延期となったサバイバル・アクション。広大な森の中で目覚めた12人の男女。そこに突然、銃声が響く。彼らは、セレブが娯楽のために一般市民を狩る“人間狩り”の標的にされたのだ……。出演は「僕のワンダフル・ジャーニー」のベティ・ギルピン、「ミリオンダラー・ベイビー」のヒラリー・スワンク、「ビリオネア・ボーイズ・クラブ」のエマ・ロバーツ。製作を務めたのは、「ゲット・アウト」、「透明人間」などのヒット作を次々と送り出すブラムハウス・プロダクションズを率いるジェイソン・ブラム。(KINENOTE)

あらすじ:広大な森の中で目覚めた12人の男女。ここがどこなのか、どうやって来たのかも分からない。そこにあるのは、巨大な木箱に収められた一匹の豚と数々の武器。すると突然、銃声が鳴り響く。彼らは何者かに狙われていたのだ。武器を取り、逃げまどいながら、やがて気づく。ネット上にはびこる噂“人間狩り計画”、すなわち、セレブが娯楽目的で一般市民を狩る“マナーゲート”が実在することを。だが、“獲物”の1人である美女クリスタル(ベティ・ギルピン)が予想外の反撃に出たことから、セレブたちの計画は狂い始め、やがてその陰謀の全容が明らかになっていく……。(KINENOTE)

監督:クレイグ・ゾベル
出演:ヒラリー・スワンク/ベティ・ギルピン/エマ・ロバーツ/アイク・バリンホルツ/ウェイン・デュヴァル/イーサン・サプリー

ネタバレ感想

劇場で見れなかったので、レンタルで鑑賞。これは面白い。物語がサクサク進んでいき、あっという間に劇終を迎えるスピーディな展開の中で、ユーモアのある殺しのシーンやセリフが入り、しかも昨今の社会情勢を風刺した内容になっている。

ともかく、冒頭の謎めいた展開は、劇中の人物も鑑賞者どちらも、何が何だかわからん中でずんずん進んでいっちゃう。しかも、主人公なのかと思わせていた人間が次のシーンではあっけなく死んでいくし、その死んじゃうシーンも残酷なのに笑えちゃうこともあって、最高! 特に、落とし穴で串刺しになっちゃう女の人は、地雷も食らってるし、かなりのオーバーキルっぷり(笑)。

でまぁ、その冒頭の展開の少しあとに、真の主人公となるらしいクリスタルという女性が登場する。この人は後々わかるが、過去、軍に所属していて、しかも戦地も経験している猛者。口数が少なく、戦闘狂であること以外は、何を考えているのかよくわからんものの、クールで強いし、セリフに皮肉やユーモアがあってカッコいい。あまり美人に見えないところが非常に残念だったなぁ(笑)。

この作品は、このクリスタルが人間狩りを生き延びていくその様を見ているだけでも楽しめる。はっきり言って、その要素だけでも良作なんだけども、設定がまた面白くて、人間狩りをしているのはリベラルな富裕層の人たちという。この人たちが金にものを言わせて軍事顧問みたいのを雇い、武器を使う訓練をしたのちに、底辺に生きる白人たちを12人集めてきて狩りを楽しもうとするのだ。

しかも、この12人は保守派の人たちで、映画評論家の町山智浩氏によると、はっきりと作中では言及されていないものの、トランプ支持者なんだそうである。へぇ、そうなんだ。という意味では、今のアメリカの社会状況を皮肉った内容ともとれるが、格差や信条の違いなどで国民が分断されつつあるのは日本もそうなんであって、要するに今の世の中に対する風刺劇ともいえるだろう。

で、富裕層たちは無作為にこの12人を選んだわけではなく、ネットとかを使っていろいろ過激なことをして人々を扇動したり、右翼的な言動をしている人たちを対象にしたみたい。

なんでこいつらを狩ることにしたかというと、富裕層の奴らは、SNS内の遊びで架空の人間狩りの話をして楽しんでたら、この内容を12人の中の誰か忘れたが誰かにハッキングされて、しかもそれを拡散されちまったから。このハッキングしたやつは、富裕層がマジで人間狩りをしているのだと信じた陰謀論者だったのだ。

で、富裕層の中の黒幕である、ヒラリースワンク扮するアッシーナは、ある会社のCEОだったのに、この遊びが拡散されたことで失脚してしまったことを恨みに思い、保守的な下層市民たちを調べてたら、こいつらは生きてる価値なんてないと思い始め、空想の中にあった人間狩りゲームを始めることにしたのである。

ちなみに、最後にアッシーナと対決することになるクリスタルは、人違いでこのゲームに選ばれたらしいことが判明する。彼女は右でも左でもなく、単に個人としてこのゲームを戦い抜く。その立ち位置から見ると、富裕層と下層市民、それぞれの主張や信条は、どっちもどっちで、コミュニケーションがないままにどちらも思い込みで相手を否定しているのであって、同じ穴の貉であるという事実が、強烈に伝わってくるのだ。それは、クリスタルという中立の人間がいるからこそなんだろう。

ともかく、人間狩り映画としては評判通り、非常に優れた作品で、しかも面白い!

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