フラッシュバック 原題:WAKE UP(2019)
事故で記憶喪失になった男が、連続殺人の容疑として手配される。自分が犯人じゃないと思った男は逃走を図り、真相を突き止めようとジタバタもがくのであった。短い尺で話の大筋自体はそれなりにスッキリと解決されてて、その辺は評価できるサスペンス作品。ネタバレあり。
―2019年製作 米 92分―
解説・スタッフとキャスト
解説:連続殺人の容疑を掛けられた記憶喪失の男の逃走劇を描いたアクションスリラー。車の転落事故現場で記憶を失った男が発見された。車からは世間を震撼させている連続殺人の被害者と思われる女性の死体が発見され、FBIは男の取り調べを始めるが…。(KINENOTE)
監督:アレクサンドル・チェルニャエフ
出演:ジョナサン・リース=マイヤーズ/フランチェスカ・イーストウッド/ウィリアム・フォーサイス/マリク・ヨバ
ネタバレ感想
適当なあらすじ
ジョン(仮名)が車を運転してたら、後ろから来たトラックにカマを掘られてしまい、大事故に。病院で目を覚ました彼には記憶がなかった。そこへFBIと地元の保安官が駆けつけてきて、ジョンが殺人犯の疑いがあるので事情を聴きたいという。ジョンは身に覚えがなかった、というか記憶がまったくなかったので返答できないが、何でも彼の車に女性の死体が入ってたというのだ。
ジョンが事故った街では同じくらいの年頃の女性が同じような手口で殺される連続殺人が起きていて、彼はその容疑者になってもうたのである。しかし、彼は身に覚えがない。そうしたら、彼を看護してた親切な看護師のダイアナが、彼を病院に連れ出してくれて、一緒に真相究明を手伝ってくれるという。
ダイアナの申し出を躊躇いながらも承諾したジョンは、果たして真相を突き止めることができるのかーーというのが適当なあらすじ。
役者はそれなりに知られてる人たち
アマゾンプライムで見つけて鑑賞。主演のジョナサン・リース=マイヤーズって、ウディ・アレンの『マッチポイント』で主役を務めていた人らしい。そこそこ有名な役者らしいけど、彼の他の作品は未見。その相手役を務めるヒロインのダイアナは、フランチェスカ・イーストウッド。親父は今でも健在なクリントイーストウッドですな。
彼女の主演作はこのブログでも何本か紹介してるけども、父親と比べるとやっぱり小粒感は否めない。同じく息子のスコット・イーストウッドも、親父には遠く及ばない感じで、なかなかその辺は難しいもんですな。それにしても、この女性、他の作品ではもう少しスリムだったような気がするんだが、今作ではなかなかムッチリしてましたな。
それなりに重要な役どころではあるものの、事件解決にはそれほど役に立ってない(笑)。あとは、保安官役の人は、ウィリアムフォーサイス。この人はまぁ、いろいろな作品でチョイ役、脇役で出てる人。
てな感じで、ウィリアムとフランチェスカの登場作品は、記事末にリンクをつけとくんで、興味がある方はどうぞ。
連続殺人犯は誰か
ということで、この作品のネタバレ。感心したのは、広げていた連続殺人の風呂敷を、きちんと辻褄あうように解消しているところ。正直、何だか適当な感じ、中途半端にラストを迎えるクソ映画なんだろうなーと思って鑑賞したので、そこは驚いたし、得した気分。
記憶喪失のジョンは記録上は火事で焼け死んだことになっている、マイケルという人物で、彼は刑事だったのだ。彼をこの世に亡き者とした張本人は、なんと保安官だったのである。なぜかというに、彼の息子のオリヴァーが連続殺人犯で、保安官はその事実を知ってたのに、息子を愛するがゆえ、事の真相に迫りつつあったマイケル刑事を殺人犯に見立てて殺害する計画を立て、それを実行したのである。その計画を支えてたのが、ジョン(マイケル)の車のカマをほったり、ダイアナの友人を殺した男。こいつは保安官に雇われた、殺しの請負人だったのだ。
ツッコミどころもなくはない
てなことで、まぁ一応、事件の真相はスッキリするんだけども、何だか意味がわからない部分もある。例えば、ダイアナがある被害者の母親を訪ねたときに、「あの子の墓を見に行けば何もかもわかる」と言われるのに、それがどういう意味のセリフだったか明かされないところ。何だか意味深にその言を受け止めているのに、なぜか墓を見に行かずにすましちゃうダイアナ(笑)。
あと、ダイアナの友人トーマスは、おそらくダイアナに惚れてるんだろうなと思うんだが、彼の存在があまり意味がないような。単に車を貸してくれるだけの人になってて、何で彼が殺し屋に殺される必要があったのか、その辺はようわからんかった。
ついでに、ジョンは彼の車を乗り回して事の真相に迫ろうとするんだけど、トーマスは殺されてるわけだから、彼の車がなくなってたら、警察は普通調べるだろ。そしたら、車は手配されることになるわけで、あんなに堂々と街中を走ったりはできないと思うぞ。
あと、この人は刑事だったわけで、保安官とも顔見知りだったということは、この物語界隈の警察関係者で彼のことを覚えている人はそれなりにいると思うんだが、何で記憶喪失になった彼のことを知ってるやつがいなかったんだろうか。それは変ではないかね…。
とかまぁ、ツッコミどころもあるんだけども、暇つぶしに1回鑑賞する分には、それなりの満足感は得られる作品であった。もちろん、人におススメはしないが(笑)。
コメント