ゲームオーバー
キャンプにやってきた高校時代の同級生9人が、当時の先生の罠にはまって時限爆弾付きベストを着せられ、殺し合いをすることになるスリラー。バカ映画ではあるものの、設定はそれなりにしっかりしてて暇つぶしとしてはそこそこ楽しめる。ネタバレあり。
―2020年製作 南阿 94分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:時限爆弾付きベストを着せられた若者たちが爆発までの“時間”を奪い合うデスゲームを描いたアクションスリラー。森の奥のキャンプ場にやって来た9人の若者たち。催眠ガスで眠らされた彼らが目を覚ますと、高校時代の教師・ピーターソンが現れ…(KINENOTE)
あらすじ:深い森の奥のキャンプ場にやって来た、友達グループの9人の若者たち。深夜、催眠ガスで眠らされ、目覚めると彼らの体にはタイマー付きの《爆弾ベスト》が着せられていた。そこに現れたのは、高校時代の9人の教師だった、ピーターソンという男。『最後の授業だ』という謎の言葉を残し、タイマーをスタートさせた男はいきなり自殺してしまう。そして、恐怖のゲームがはじまった。互いを疑い、やがて殺し合いをはじめる9人。暴き出されてゆく、秘密と狂気。ピーターソンの目的とは?そして、恐るべきゲームの結末とは?(amazon)
監督・脚本:アラスター・オア
出演:ライネ・スワルト/ラッセル・クラウス/リーズル・アーラース/スティーヴン・ジョン・ウォード
ネタバレ感想
アマゾンプライムで見つけて鑑賞。突っ込みどころ満載のバカ映画かなと思いきや、辻褄があうストーリーになってて意外にもそれなりに楽しんだ。
人体爆破や殺し合いの中での残酷描写は暗闇の中でよく見えないが、グロさを感じさせられるしっかりした作り。
登場人物は、生き残るエリン以外はだいたいがバカかクズ人間か犯罪者であって、9人は仲良しグループってわけでもない。個別には親友的な親密さがあったり、恋人同士であったりはするものの、殺し合いをせざるを得なくなってからは、本音むき出しで殺し合いをしちゃう。
まぁでも、自分の命が一番大事なんだから人間の尊厳なんて無視して殺し合いに発展しちゃうのは、登場人物たちをバカにできたもんではなないわな。俺だって、せめてこの作品のミュージシャンの男程度の正義感は持っていたいと思うけど、いざ自分が当事者になったらクズ野郎たちみたいなことになっちゃうんではないかと思わぬでもない。
9人は高校時代、ケイレブっていう同級生の死亡事故に関わったことがあって、ケイレブの父親は9人の学校の先生だった。息子の死は9人の中の誰かが原因になっていると確信した先生は、復讐をもくろんで今回のゲームを開催したのである。
ということで、この先生はよくもまぁ、あんなによくできた時限爆弾を開発できたもんだとは思う。それに、息子の死が覚せい剤によるものだとは知ってたようだが、ではそれによって息子を死なせたのは誰かはわかっていないはず。
普通だったら真犯人を特定したいと思いそうなもんなのに、自分が自殺することでゲームを開始させちゃうというぶっ飛び野郎。俺だったら、9人をそれぞれ拷問して真相を知りたいと思うけどな。その辺は作品のストーリー上、強引さを感じなくもないが、それ以外の部分は疑問点をすっかり消化しているまともな出来に、驚いた(笑)。
ラスト、生き残ったエリンが通りがかりの男に助けを求めたら、逃げられちゃってるのも笑える。エリンは自分の感情を吐露したことで、意味深な笑みを浮かべていたが、それは自分の感情を解放できた喜びなのか、それ以上に、自分が人殺しをしていた友だちたちと同じように、ダークサイドに落ちていくことを自覚したもののようにも感じた。
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