ジャドヴィル包囲戦 6日間の戦い
ネットフリックスで鑑賞。事実をもとにした物語らしい。20倍の兵力で襲ってくる敵部隊を相手に奮闘する、国連平和維持軍のアイルランド部隊の物語。
―2016年製作 愛蘭=南阿 108分―
解説・スタッフとキャスト
解説:アフリカ大陸、コンゴ。圧倒的な数の敵に包囲されても、国連平和維持軍アイルランド部隊の兵士たちは、戦い抜くことを選んだ。歴史に埋もれた実話を映画化。(Netflix)
監督:リッチー・スミス
出演:ジェイミー・ドーナン/ギヨーム・カネ/エマニュエル・セニエ/ジェイソン・オマラ/ミカエル・パーシュブラント/マーク・ストロング/マイケル・マケルハットン/ダニー・スパーニ/フィオナ・グラスコット/サム・キーリー
ネタバレ感想
援軍はこない
この物語で描かれる戦闘で、主人公の中隊長が率いるアイルランド軍には死者が出なかったそうだ。彼らの拠点を襲うコンゴにあるカタンガ州の軍隊(たぶん)とカタンガの指導者に雇われた(たぶん)傭兵部隊は、フランス人の部隊長みたいは人が言うに「20倍の兵力」で拠点を攻めていたらしい。
そんな猛攻に対して、たった1万3千発の弾丸と自分たちで掘った塹壕を頼りに、アイルランド軍は必死の抵抗を試みる。中隊長は国連の司令官に何度も援軍を要請するが、舞台となるコンゴを担当する国連の担当者は、司令官に命じて、援軍を拒否させる。なんでかというと、別の作戦でそれなりの兵力を割いているからみたい。
現場は使い捨て
てなことで、現場で必死の戦闘を繰り広げているアイルランド軍たちは無視して使い捨てにしつつ、国連の事務総長やコンゴの担当者がいろいろな政治が行われている様も描かれる。
こういう現場とそれを指揮するべき上役たちとの認識のズレが描かれるのって、物語作品としてはけっこうありがちな図式だ。であるものの、上役のクソッぷりと現場の奮闘ぶりの対比がよく、自分だったら死にたくはないものの、現場で頑張っている側の人間でいたいなと思わせられる。
上役どもは、現場との認識のズレが出てしまうことは、ある程度は仕方がないことだと割り切っている。そういう面は確かにあるだろうけど、ズレがあろうがなかろうが、自分の下で働いている部下たちを見捨てていることには変わりない。という意味では、糞野郎であることは間違いない。
とか書いてみて思ったんだが、そもそもこの中隊はどうしてジャドヴィルに派遣されたんだっけ? 何で無視されざるを得ない状況になったのか、この頃のコンゴの歴史をよく知らん俺にはイマイチつかめなかった。あとからちょろっと調べたけど、簡単に飲み込めるような内容ではなかった(笑)。
帝国主義時代の爪あと
いずれにせよ、かつてベルギーが植民地化していたコンゴには、ウランなどの資源が豊富で、冷戦下だったので米ソの介入みたいのもあったということだ。この話は60年以上も前の出来事が題材にされているけども、現在のアフリカ各地にもいろいろな紛争や内戦が起こっている。それらの状況ってのはこの作品同様に、帝国主義時代の欧米各国のなした行為が、未だに尾を引いていることを知らしめてくれるのである。
この作品はネットフリックスで鑑賞できます。
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