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映画 パーフェクション ネタバレ ラストに驚くネットフリックスの復讐ホラー

パーフェクション
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パーフェクション

ネットフリックスで配信中のスリラー作品。主人公の目的が何なのかわからないところから始まり、二転三転しつつ驚きのラストを迎える展開はなかなか見事。突っ込みどころもあるが、ラストシーンは観ておいて損はない。ネタバレあり。

―2018年製作 米 90分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:『パーフェクション』(原題:The Perfection)は2018年に公開されたアメリカ合衆国のサイコスリラー映画である。監督はリチャード・シェパード、主演はアリソン・ウィリアムズが務めた。(wikipedia)

あらすじ:シャーロット・ウィルモアはボストンの名門音楽学校、バチョフ・アカデミーに所属するチェリストであり、その才能は誰もが認めるところであった。ところが、母親が病に倒れたため、シャーロットは学校を中退せざるを得なくなった。母親が亡くなってから数年後、シャーロットはバチョフ・アカデミーに復学すべく、アントン学長に接触し、上海で行われる選考会に参加する権利を認められた。現地でシャーロットはリジーと意気投合した。リジーはシャーロットの退学で空いた枠に滑り込んだ学生だったが、アントンに目をかけられるほど優秀だった。酔いつぶれた2人は勢いで性行為に及んだ。翌朝、リジーは二日酔いに苦しめられており、それを見かねたシャーロットが彼女に薬を渡した。ほどなくして、2人は中国の田園地帯を観光しに行った。バスに乗った後、リジーは急に具合が悪くなった。症状は悪化の一途を辿り、ついには嘔吐してしまった。驚くべきことに、彼女の吐瀉物の中には芋虫がウヨウヨしていた。パニックに陥ったリジーが大騒ぎしたため、2人はバスから叩き出されることになった。農道のど真ん中に置き去りにされた後、リジーはますますパニック状態に陥り、「腕の中で虫が這いずっている」などと言い始めた。何を思ったのか、シャートットはリジーに肉切り包丁を差し出し、リジーはその包丁で自分の腕を切断した実は、リジーの発狂はシャーロットによって仕組まれたものであった。シャーロットが渡した薬は彼女の母親が服用していた痛み止めであり、酒と一緒に服用することで深刻な幻覚症状が出るものであった。肉切り包丁を持っていたのも偶然ではなく故意であった。3週間後、アントンとその妻パロマは中国人の新入生にチャペルを使用する権利を与えることにした。チャペルとはアカデミーの中でも特に優秀な学生だけが使用できる特別な練習部屋であった。その夜、リジーが突然アントンとパロマの前に現れ、「私が右手を失ったのはシャーロットのせいである。シャーロットは嫉妬心から一連の出来事を仕組んだに違いない」と直訴したが、アントンは「明日からアカデミーに君の居場所はない」と冷たく切り捨てた。その後、リジーはアカデミーのホールに飾られていたシャーロットの写真を叩き割った。怒りが収まらないリジーはシャーロットが暮らすミネアポリスへと急行し、彼女を拉致してアントンの前に引きずり出した。シャーロットはアントンの前で自分が凶行に走った動機を語り始めた。それは何ともおぞましいものであった。(wikipedia)

監督:リチャード・シェパード
主演:アリソン・ウィリアムズ/ローガン・ブラウニング/スティーヴン・ウェバー/アライナ・ハフマン

ネタバレ感想

序盤は何の物語になるのかよくわからない

過去に天才チェロリストと呼ばれたシャーロットという女性が、母の介護で将来をあきらめて引退することになり、母の死後、世話になった先生に会いにいった。そしたら、彼女と入れ替わりで先生が面倒を見てたリジ―と知り合い意気投合。二人で旅行に出かけるのだがーーてのが序盤の適当なあらすじ。

この辺までの展開は、シャーロットが何を目的に先生のところに来たのかよくわからない。先生のところに戻って音楽の道に復帰したいのか、ただ旧交を温めにきたのか。どっちにも見えるし、その中で仲良くなったリジ―とはセックスしたり旅行に出たりするんだけど、じゃあ彼女との関わりの中で何がしたいのかは明かされない。要するに、この物語がヒューマンドラマなのか、ホラーなのか、サスペンスなのか、どのようなジャンルのお話なのかがわからんのである。

旅に出て以降は話が二転三転

ところが、旅に出て以降は展開がガラッと変わる。リジ―の体調が悪くなり、バスの中でギャアギャアわめき始めて、観てるこっちまでゴメンだけどイライラしてきちゃう。それを必死で落ち着かせようとするシャーロット。最終的に二人はバスに置き去りにされちゃう。で、この辺の展開はリジ―が何らかの感染症にかかってるのではないかとミスリードさせる感じ。その前に伏線があるからね。

でまぁ、リジ―は感染なんかしてなく、シャーロットに薬飲まされて幻覚を見てるってのが真相なんだけど、彼女は自分の体内に虫が湧いてる気がしちゃって、シャーロットに渡されたナタみたいなので、自分の手首を切り落としちゃうのだ。

なんじゃこの急展開はーーと思っていると、こっから時間が巻き戻されて、シャーロットがなぜナタなんて持ってて、リジ―がどうして幻覚を見るようなったのかの説明がされるのだ。

上記のように、謎めいた描写をしては、時間を戻す描写によって、シャーロットが物語中に何を目的として活動をしているのかを説明し、ラストにつなげていくこの構成は、鑑賞者の興味を引くという意味ではうまく行っていると思う。

手首を切らんくてもいいのに

だが、突っ込みどころはある。その中で最たるものは、シャーロットがリジ―に手首を切らせるくだり。シャーロットの目的は、先生が学校ぐるみで生徒たちを洗脳し、虐待していて、自分がその犠牲者として人生を狂わされたことに対する復讐だ。そして、その一環としてリジ―の洗脳を解いてやろうとしてるんだが、それが右手を切り落とすことというのが、鬼畜すぎ。

もっと別の方法があるはずなのに、薬で幻覚見せて音楽できないようにさせるために手首を切り落とすのが、彼女が目覚めるには必要だったとシャーロットは考えていたようだ。しかしそんなん、説得力なさすぎだろ。リジ―が後に、音楽的に成功した自分への嫉妬心でそういうことをしたと解釈してたが、どう考えたって鑑賞してるほうもそう思っちゃう。

だから、なんやかんやで二人は協力して先生に復讐を果たすようになる展開には少し強引さがあるように感じた。そんで、最後のあれ。

ラストシーンは印象的で見る価値あり

二人は血みどろになりつつも、先生とその妻、他の講師たちに復讐を果たす。そして、中でも恨みのある先生に対しては、手足をちょん切ってダルマ状態にしちゃって、さらには目や口などを縫い付けちゃうという凄まじい苦しみを与えることに成功するのだ。怖すぎ。

でもまぁ、この先生は酷い奴なので、ザマミロと思わなくもない。であるから、この仕打ちについは特に言うことはないのだが、気になっちゃうのは、誰がこんなふうに、先生をダルマにできたのかということだ。

けっこうな出血あるだろうし、ショック死させずにあの状態にして生かし続けるのってかなりの外科的技術が必要だと思うんだけどなぁ。まさか彼女らにそんな技術はないだろうから、偶然、目論見がうまく行ったというふうに解釈せざるを得ない。

ちなみに、ものすごい余談だけど、このダルマの刑みたいな酷い所業は、中国は漢帝国の初代皇帝、劉邦の奥さんの呂太后が、側室に対してしでかした、実在するものなんである。恐ろしいねぇ。

狂気じみたラストシーンはタイトルどおり

閑話休題。先生をダルマの刑に処して、これで終わりなのかなぁと思ってたら、さらに驚きのシーン。リジ―はシャーロットの策略で右手をなくし、シャーロットは先生との戦闘の結果、左手を負傷して、なくすことになる。これにより、双方ともに片手になった。

であるから二人はラスト、復讐を果たしたダルマ状態の先生の前で、一つのチェロを二人で演奏してみせるのだ。言葉で言っても大した衝撃はないだろうが、このラストがなかなか狂気じみている。二人は双方の欠損を補いつつ、二人で一人の完璧な演奏家になったのだ。まさにパーフェクション。

この作品はまさにこのシーンがやりたかったがために、途中の展開があれだけ強引だったんだろうなとすら考えられて、そうだとするなら、上述した突っ込みも不問にしてもいいかなと思えちゃうくらい、印象的なラストシーンであった。

この作品はネットフリックスで鑑賞できます。

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