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映画 ファイナルカット ネタバレ感想 ロビンウィリアムスのSF作品

ファイナルカット
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ファイナル・カット(2005)

幼い頃に起こした事件がトラウマになっている男が、大人になってからは人の脳に移植して全生涯を記憶することができるチップに関わる仕事をしていた。そしたらある人の記憶の中に自分のトラウマの原因となった人物が映っていてーー。ロビンウィリアムズ主演の何が言いたいのよくわからんSFスリラー。ネタバレあり。

―2005年公開 米 94分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:人の一生の記憶が脳に埋め込まれた小さなチップに記録されている近未来の世界を舞台に描くSFスリラー。監督・脚本は、これが長編映画デビューとなるレバノン出身のオマール・ナイーム。弱冠26歳の無名の青年の脚本に惚れ込み、演出も任せたプロデューサーは、インディペンデント映画の先駆けとなった「セックスと嘘とビデオテープ」や「ラッグストア・カウボーイ」を世に送り出したニック・ウェクスラー。「グッド・ウィル・八ンティング/旅立ち」でアカデミー賞助演男優寅を獲得したロビン・ウィリアムズが、近年ハマり役の“どこか不気味な中年男”を絶妙に演じる。(KINENOTE)

あらすじ:少年の日。アラン(ロビン・ウィリアムズ)は、両親と一緒にその町を訪れていたメガネをかけた少年ルイスと廃工場で遊んでいた。底の抜けた床にむき出しになった細い梁の上を歩くアラン。臆病なルイスも渡ろうとするが、足を踏み外してしまう。アランが思わず目をつぶった瞬間、ルイスは深い床の底へと転落し、アランの手にはルイスのペンダントだけが残された。大量の血を流して横たわるルイス。恐怖に襲われたアランは一目散に工場から走り出た。それから数十年後。アランはゾーイ・チップの編集者として働いていた。ゾーイ・チップとは、人の脳に移植して全生涯を記憶することができるチップ。死後、脳から取り出されたチップは編集者によって編集され、<追悼上映会-リメモリー>を行うのがセレブ階級の流行になっていた。しかし同時に“人殺しを聖人にする行為”“他人の目の奥を透かし見るのは神のみに許されること”とするゾーイ反対運動も起こっていた。アランはどんなに不道徳な人生も感情移入せずに直視できる性格から、“人間のくず”といわれている大物たちに重宝がられていた。そんな彼のもとに、ゾーイ・チップを扱う大企業アイテック社の弁護士チャールス・バニスターの未亡人から編集の依頼がくる。アランはずっと少年時代の記憶に苛まれ、罪の意識が彼の性格に大きな影を落としていた。そして自分が死者の罪を引き受け、魂を清めて来世へ旅立たせるキリスト教の“罪食い人(シン・イーター) ”であると信じ始めていた。そんなアランが唯一心を許せる相手は、古書店を営んでいるディライラ(ミラ・ソルヴィノ)だけだった。しかし、数年前に恋人を亡くした彼女にとって、式典で上映される映像は虚像にすぎず、他人の人生を切り張りして都合のよい記憶を作り上げるアランの仕事が理解できなかった。アランは編集の準備のためにバニスターの未亡人と娘へのインタビューを行った。バニスターのチップには娘へのおぞましい行為が映っていたが、未亡人はこれをカットするよう求める。同じ頃、かつて編集者だったフレッシャー(ジム・カヴィーゼル)がアランの前に現れ、バニスターのチップを譲るよう脅迫する。彼は仲間とともにアイテック社の不正を摘発しようとしていた。翌日、アランは映像の中に死んだはずのルイスとそっくりな男を見つけて激しく動揺する。アランはルイスのチップを探すために、編集者仲間の協力を得てアイテック社の資料部屋に侵入する。しかし、そこでアランが見つけたのは、亡くなった両親が彼の脳に埋め込むチップを購入していたという記録だった。自分のチップを取り出してあの忌まわしい記憶を見てみたい。真実を確かめたい。アランはもう自分の心を抑えることができなかった。(KINENOTE)

監督・脚本:オマール・ナイーム
出演:ロビン・ウィリアムズ/ミラ・ソルヴィーノ/ジム・カヴィーゼル

ネタバレ感想

U-Nextで見つけて鑑賞。赤子の頃に自分の記憶を記録できるチップを埋め込まれると、その人は自分の生涯のすべてを映像として残すことができる。んで、この物語の舞台では、チップを埋め込まれた人間は死んだ際に、自分の記憶を遺族の前で上映することで追悼する儀式が流行っているのだ。ただし、金持ちの間でだけ。

ロビンウィリアムズ演じるアランは追悼式で顧客のニーズに従って個人の生前の記録を編集する仕事をしている。その技術がスゴイらしくて依頼が殺到しているみたい。

彼には子どもの頃に人を死なせたんではないかという記憶があり、罪の意識から逃れられずにいる。であるから、故人の罪を背負い、編集して善人的にまとめてあげることで自分自身の罪を贖うことができるんではないかと考えて、仕事をしているのだ。

だが、ある依頼に応えて故人の映像を編集しようとしたら、その映像の中に自分が子どもの頃に殺しちまったんじゃないかと思い込んでいる男が映り込んでいたのでさぁ大変。仕事どころじゃなくなって自身の記憶の真相を突き止めるためにジタバタし始めるのだったーー。

てなことで、こういう設定の話の展開を観るに、とても面白そうだななぁと思ったんだけど、実に残念な作品であった。結局、中心となるテーマを、映像チップの功罪にあてたいのか、アランのトラウマにあてたいのか、大物の依頼人の映像を編集することによるサスペンスにあてたいのか、ようわからん。ついでに、恋人との絡みも物語さほど影響を与えていなくて、何もかもが中途半端で何がしたかったんかようわからん話のもまま終わっちまっているように感じた。

最後、アランは哀れにも撃ち殺されて死んじまうわけだが、依頼人の子どもが親父に虐待されてたであろうトラウマとかは放置(笑)。なんなのよこれ。

それにしても、生涯の記録を残せるチップってのはなかなか面白いよなぁ。俺もそういうのがあったら試してみたい。ただ、チップはそれなりのお金がかかるみたいだし、両親が望まない限り子どもに埋め込むことはできないわけで、埋め込まれる本人に選択権がないのは辛いわな。作品内では、埋め込まれたチップの記録を拒否したい人は、大人になってからタトゥーをすることで防ぐ選択をしていたが、確かに望まない人にとってはいい迷惑。

しかも、この世界での記録の使い道は、主に自分の死後。そんなんじゃ、この画期的な装置の能力が使いきれてないような気がしなくもない。普通に考えたら、自分が生きているうちに自分の過去の記憶を観たいもんだと思うんだが。どうやらそれをするのは体に負担がかかるようだが。

てことで、自分の死後のことなんてどうでもいいわけだから、わざわざ自分が善人だったかのように見せかけてほしいなんて思わないので、埋められたほうにとっては何の得にもならん装置だったんではないかねぇ。

細部をきちんと掘り下げていれば、もっと奥行きのある内容になりそうに感じるので、ロビンウィリアムズの無駄使いに思えてしまった。

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