裸足のクンフー・ファイター
―1993年製作 香 83分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:香港映画界の巨匠、ジョ二ー・トー監督がアーロン・クォックとマギー・チャン共演で描いたクンフーアクション。自分の名前も書けないくらい学がなく、唯一の取り柄はクンフーという男が、勤め先の工場とライバル工場の争いに巻き込まれていく。(KINENOTE)
あらすじ: 貧しく身寄りの無い青年は、亡き父の友人を頼って仕事にありつき働き始める。だが、汚い手を使うライバル会社の目に留まったことで、彼の忠誠心が揺らぎ始める。(Netflix)
監督:ジョニー・トー
出演:アーロン・クォック/マギー・チャン/ティ・ロン
ネタバレ感想
俺の大好きなジョニートー大先生のカンフー映画。ネットフリックスで見つけて初めて鑑賞。『マッスルモンク』や『柔道龍虎房』的なハチャメチャ映画かと思っていたら、きちんとした香港のカンフー映画だった(笑)。
主演は若き日のアーロン・クォックに、そして、あのティ・ロンである。マギー・チャンとロンさんがどちらもカッコよいし、その関係性が良い。そして、脇を固める役者にも、のちのジョニートー作品で顔を見せてくれる人たちが何名か。
何の前知識もなく鑑賞すると、これが後に香港ノワールの傑作を連発する大先生の作品と気づかないかもしれないが、誰も幸せにならずに終わっちゃうところとか、アーロンクォックやティロンの死にざまに、後の作品に通じる何かを感じないこともない。
クオックに、彼の親父の必殺技を伝授するロンさんの死にざまはその技の威力とアクションのすごさが相まって、悲壮感ありまくり。『男たちの挽歌』や『酔拳2』の印象の強い彼だが、今作の彼の容姿が俺の知るロンさんの中でも最もカッコよかったな。マギーチャンは『ポリスストーリー』や『欲望の翼』の印象が強いけども、この作品の彼女が最も美人で、しかも役柄もかっこよかった。
そして主役のアーロンクォックがともかく若く、アクションもなかなか見せてくれて、そこもまた好感度が爆上がり。彼と好い仲になっていた女教師が言う「文字もかけない人は善人になるのは難しい」っていう感じのセリフ。
それはまさしく今作の裸足のカンフー野郎であったアーロンクオックに対してのそれであり、この世を善的に生き抜くにはある程度の教養が必要であり、あらゆる情報を自身で取捨選択し、自分の意志で選ぶ判断力が必要だと言われているような感じもする。いわゆる人の生き方的なことを直截的に表現したジョニートー先生の作品ってあんまり記憶になかったので、その辺は新鮮な気持ちで見られたな。
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