バンク・ジョブ
ある銀行強盗たちと、彼らが盗んだ物にまつわるドタバタ劇。登場人物いっぱい出てくるけど、相関図的なものは把握しやすく、見せ場もいくつかあってハラハラするうえ、最後にはスッキリした気分で劇終できる良作。ネタバレ少し。
―2008年公開 英 110分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:思わぬ品を強奪したために、政府から追われる身となる銀行強盗団。英国政府の徹底した報道規制によって封印されてきた実話を基に描くクライム・サスペンス。監督は、「世界最速のインディアン」のロジャー・ドナルドソン。出演は、「トランスポーター」シリーズのジェイソン・ステイサム、「再会の街で」のサフロン・バロウズ。(KINENOTE)
あらすじ:1971年9月のある日曜日。ロンドンのベイカー・ストリートにあるロイズ銀行が襲われる。強盗団がトンネルを掘って、銀行の地下にある貸金庫に侵入したのだ。彼らは数百万ポンドにも及ぶ現金と宝石類を強奪し、行方をくらませる。テリー(ジェイソン・ステイサム)ら犯人たちの手がかりはあったが、ロンドン警視庁は結局なにも見つけられず、誰ひとり逮捕することもできなかった。事件は連日、トップニュースとして報じられる。しかし数日後、突如すべての報道が打ち切られる。イギリス政府が、歴史上数回しか発したことのない“D通告・国防機密報道禁止令”を発令したためである。なぜなら犯人たちが強奪した金品の中に、イギリス最大のタブーである王室スキャンダルの証拠となる、英国王女のスキャンダル写真が含まれていたのだ。また、そのほかにも、政府高官や裏社会の顔役、汚職警官らが預けていた、決して公にすることのできない秘密の証拠もあった。こうして、実は寄せ集めの小悪党集団にすぎなかった7人の実行犯たちは、筋金入りのプロの刺客に狙われるようになる。1人、また1人と犯人たちは追いつめられ、強奪した“秘密”を巡る、命を懸けた駆け引きが繰り広げられる。(KINENOTE)
監督:ロジャー・ドナルドソン
出演:ジェイソン・ステイサム/サフロン・バロウズ
ネタバレ感想
ステイサムのアクションは少ないが楽しめる
これ、実話を基にした物語らしい。どこまでがリアルな出来事に忠実なのかはわからん。あまりにもうまくまとまりすぎている話なので、けっこう創作的な部分もいっぱい入っているようにも感じる。まぁその辺はどうでもいいのだ。楽しめるから。
ジェイソン・ステイサムが結構好きなので、この映画も忘れた頃に見返しては楽しんでいる。今作の彼はアクションを見せるのはラストでちょっとだけ。相変わらず強いけども、アクション的見せ場はそこだけだ。それでも楽しめるのは、この映画は単に銀行強盗をして終わりではなく、その盗品にさまざまな人間が絡んできて、最後までハラハラさせる展開が続くからである。
全編通して見せ場
ということで、見せ場はけっこうある。まずは、銀行の金庫までの地下道を掘るシーン。警察に捕まらずに無事、金庫からブツを盗み出せるかというシーン。その後、事件が明るみになって身の危険が迫っている状態からどのように切り抜けてラストにいたるのかーーという感じに続く。要するに、全編通じて見せ場みたいなもんだ。
権力者たちは糞ばかり
主人公側の人間たちに感情移入していればそれだけで楽しめるんだけど、この映画がさらにすごいのは、彼らが盗んだ物品に、権力者やら政治運動家みたいな奴やギャングなどの所有物で、大っぴらにできないけども、それが世間に知れたら一大スキャンダルになるようなものがたくさんあるところ。それら物品にまつわる内幕を描くことで、政治家や高貴とされる人間たちの変態ぶりや国家権力の腐敗ぶりなどが一目瞭然でわかるようになっているところである。
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