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映画『スウィート・ヘル』ネタバレ感想

スウィートヘル
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スウィート・ヘル

アメリカの田舎町で起こるサスペンス。胸にわだかまりを抱えた登場人物たちは、誰も幸せそうには見えない。特に先々に希望もなく、日々を何となく暮らさざるを得ない人々を描いた、この作品の面白さはどこにあるのか。ネタバレあり。

―2018年公開 米=加 93分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:「ベイビー・ドライバー」で注目されたジョン・バーンサルを主演に迎えたクライムドラマ。アラスカの田舎町。ロデオの元チャンピオン、サムが経営するモーテルに、殺し屋エルウッドがやって来る。やがて殺人事件が起こり、静かな町に不穏な動揺が広がっていく。共演は「グリーンルーム」のイモージェン・プーツ、「アメリカン・ドリーマー 理想の代償」のクリストファー・アボット、「ラ・ラ・ランド」のローズマリー・デウィット。脚本は『クロール 裏切りの代償』」で製作を務めたベンジャミン・チャイナと、同作で監督・脚本を務めたポール・チャイナ。監督は「逆光」のジェイミー・M・ダグ。特集企画『未体験ゾーンの映画たち2018』にて上映。(KINENOTE)

あらすじ:アラスカの小さな町。浮気をしている夫の殺害を、殺し屋エルウッド(クリストファー・アボット)に依頼したリラ(イモージェン・プーツ)。エルウッドは、ロデオの元チャンピオンだったサム(ジョン・バーンサル)が経営するモーテルスウィート・バージニアにやって来る、そんななか、依頼を遂行したエルウッドだったが、他に二人の男を巻き添えに殺してしまい、静かな町に不穏な動揺が広がっていく。そんなことを、愛人のサムとの関係に夢中な未亡人のバーナデット(ローズマリー・デウィット)は、全然気にしていない。一方のサムも、殺し屋にモーテルの一室を貸していることを気付いていなかった。リラが金を払うまでモーテルに滞在するエルウッド。しかしリラは、死んだ夫は遺した金よりも借金の方が多いことを知り、途方に暮れていた。やがて、ひとつひとつと歯車が狂い出し、事態は血塗られたバイオレンスへと加速していく……(KINENOTE)

監督:ジェイミー・M・ダグ
出演:ジョン・バーンサル/イモージェン・プーツ/クリストファー・アボット/ローズマリー・デウィット

ネタバレ感想

主人公のサムはロデオの名手だったようだが、今はアラスカで、亡き兄のモーテルの経営を引き継いで暮らしている。仕事は楽しくなさそうだ。

この主人公が、ある殺しを依頼され、それを実行した殺し屋をモーテルに泊めたことで、少しだけ殺し屋との縁が生まれ、最終的にその相手を射殺する選択を迫られることになる。

ラスト、少しだけ日が差している時間帯のアラスカの地で、日光を浴びながら恋人に散髪してもらっている彼の表情は、生きる希望があるように見える。そこだけに救いがある内容の作品であった。

てなことで、悪役を演じてるのしか見たことのないジョン・バーンサルがなかなか優しい男を演じていて好感を持った。もう少し彼の過去について掘り下げがあれば、彼の心の動きや行動に深みが増したのではないかと思うのだが、まずまずの面白さがある作品であった。

しかし、冒頭で疑問に思ったように、なぜこの手の映画が面白いのか、今作についてはその面白味が、鑑賞直後の今現在ではよくわからん。でも、面白く観られたのである。

よくよく考えてみると、俺も中年。この作品の主人公と大して歳の差があるわけでもないし、同じく独り身である。将来に希望がないわけでもない。が、それは漠然としたものであって、毎日が充実しているかと言われたら、全くそんなことはない。そんなことはないのだが、死にたくなるほど糞すぎる生活をしているわけでもない。

何が言いたいかっていうと、アメリカの田舎町がどうとかそんなことは関係なく、この世に生を受けてからそれなりの歳月を経て、それでも生きていくうえでは誰もが何らかのわだかまりを胸に抱えざるを得ず、その一物とうまく付き合いながら楽しみを見出して日々を生きていくしかないということだ。

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